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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週6月3-7日週の為替相場は、スピード調整やポジション調整による株安・円高の持続性と調整一服をにらみ、神経質な展開となりそうだ。

前週は基本的に株安・円高の基調が持続した。

日本株市場は先物市場が主導する形での混乱余波が続いたほか、米国では経済指標の改善が見られたものの、それがFRBによる資産買い入れ(QE)の縮小警戒を高める形でリスク回避を後押しさせている。

日本ではすでに半年以上、株高と円安が長期化してきた。

テクニカルでは行き過ぎシグナルが続出しており、6月も「価格調整」や「日柄調整」による株安と円高のリスクが警戒されやすい。

米国では着実に経済指標が改善しているが、それがFRBの出口戦略警戒や米国債金利の上昇(債券価格は上昇)に作用。株安や景気ブレーキへの懸念材料となっており、しばらくは金融経済の正常化に向けた「産みの苦しみ」的な過渡期が、日米市場の混乱とリスク回避の円高圧力となってくる。

もっとも基本的な米国経済の回復や米国債金利の上昇傾向は、長期スパンでのドル高を固めていくものだ。

過去5年間のリスク回避による円全面高とは異なり、日米の株安がクロス円での円高材料となっても、底流部分でのドルの復権がドル/円でドルを下支えしていく(円高抑制)。

調整円高の値幅や期間を限定的にさせる可能性がある。

もちろん、市場が不安定化する中で、過去半年以上に積み上がってきた投機的な円ショート・ポジション(売り持ち)の整理巻き戻しがオーバーシュートされる円高波乱の余地は消えていない。

しかし、よほど新たな悪材料が出てこない限り、混乱の一巡後には中長期スパンでの日本株の押し目買いや、ドルやユーロなどの外貨押し目買い(円の戻り売り)の地合いに回帰していく可能性が残されている。

円安の基本前提にある貿易赤字の拡大や、日銀の「2年で2倍」という量的緩和の方針は維持されたままだ。

その中で今週の注目材料は7日の米雇用統計となる。

先行指標となる週間の新規失業保険申請件数は一進一退ながらも改善しており、改めて回復が示されるとドルがサポートされやすい。

米国株市場は改めてQE出口が警戒される反面、乱高下を経ながらも「流動性相場」から「業績相場」への軟着陸を模索するフェーズへと移行していく。

また、今週は4日に豪州中銀、6日に英欧中銀が政策会合を予定している。

それぞれ先行きの追加緩和のリスクが各通貨の重石となる反面、今回は緩和措置が見送られる公算が高く、いったんの「悪材料出尽くし」による短期反発が注視されるだろう。

その他、週明けの波乱は中国PMIの影響だ。週末1日に発表が予定されており、予想を下回ると週明け3日の早朝段階から、単発的なリスク回避の円高仕掛けが加速される混乱の余地も残されている。

週明けは日本株の大幅下落でのスタートが、リスク回避の円高を後押しさせるリスクも排除できない。


鹿島神宮 part2

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経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<3日・月>
10:00 中国5月非製造業PMI
10:45 中国5月HSBC製造業PMI
(5月23日はHSBCのPMI速報値が悪化し、日本株の暴落の一因となる)
10:30 豪4月小売売上高、1-3月期企業営業利益、5月求人広告件数
(4月は雇用者数、住宅建設許可件数ともに反動改善。中国減速は重石)
10:50 イエレンFRB副議長、講演[上海]
(FRBによる資産買い入れの縮小時期に警戒感が続く)
16:45 伊5月製造業PMI
16:50 仏5月製造業PMI[確報]
16:55 独5月製造業PMI[確報]
17:00 ユーロ圏5月製造業PMI[確報]
(速報は総じて改善。ユーロ安やECB利下げなどが支援材料)
17:30 英5月製造業PMI
(米国回復や欧州の減速一服などが支援材料。ポンド安の累積効果も)
23:00 米5月ISM製造業景況指数
(5月のシカゴPMIは改善。ただし、地区連銀の5月景況調査は総じて悪化で不透明感)

<4日・火>
10:30 豪1-3月期経常収支
(1-3月は中国減速や豪ドル高、資源下落などで経常収支に悪化のリスク)
13:30 オーストラリア中銀、政策金利発表
(4月は雇用や住宅指標が改善。利下げ見送りが短期的な豪ドル高材料にも)
17:30 英5月建設業PMI
(米国回復や欧州の減速一服などが支援材料。ポンド安の累積効果も)
21:30 米4月貿易収支
(4月は資源下落などが輸入抑制。赤字減少が長期スパンでドルを下支えも)

<5日・水>
10:30 豪1-3月期GDP
(1-3月は中国減速や資源下落、豪ドル高などが重石に)
10:45 中国5月HSBC非製造業PMI
(中国経済は成長鈍化が続く。資源下落や米国回復などが過度な下振れを抑制)
11:00 安倍首相が講演、成長戦略第3弾発表見通し
(すでに織り込み進むも、失望や材料出尽くしの株安・円高は警戒)
16:45 伊5月非製造業PMI
16:50 仏5月非製造業PMI[確報]
16:55 独5月非製造業PMI[確報]
17:00 ユーロ圏5月非製造業PMI[確報]、5月総合PMI[確報]
(速報は総じて改善。ユーロ安やECB利下げなどが支援材料)
17:30 英5月非製造業PMI
(米国回復や欧州の減速一服などが支援材料。ポンド安の累積効果も)
18:00 ユーロ圏1-3月期GDP[改定値]
(1-3月はイタリアやキプロスの混乱などが成長を下押し)
21:15 米5月ADP雇用統計
(週間の失業保険申請は一進一退も緩やかに改善。シカゴPMIの雇用指数も回復)
23:00 米4月製造業受注指数
(耐久財受注は改善。航空機事故の反動正常化も支援材料)
23:00 米5月ISM非製造業総合指数
(住宅回復や株高による資産効果や、雇用の復調などが下支え)
27:00 地区連銀経済報告[ベージュブック]公表
(次回FOMCの参考材料に。景気見通し改善ならFRBの資産買い入れ縮小を後押し)

<6日・木>
10:30 豪4月貿易収支
(4月は雇用者数や住宅建設許可などが改善。赤字拡大が一服も)
19:00 独4月製造業受注
(4月までの欧州指標は悪化傾向)
20:00 英中銀、政策金利発表
(キング総裁最後の会合。追加緩和の見送りがポンドを下支えも)
20:45 欧州中銀、政策金利発表
21:30 ドラギECB総裁、記者会見
(予想は現状維持。マイナス金利への言及や景気見通しの下方修正あればユーロ安)

<7日・金>
15:00 独4月貿易収支/経常収支
(ユーロ安効果や米国復調などで収支改善なら、需給面でユーロ下支え)
19:00 独4月鉱工業生産
(4月までの欧州指標は悪化傾向)
21:30 加5月雇用統計
(資源下落や中国減速などが重石)
21:30 米5月雇用統計
(週間の失業保険申請は一進一退も緩やかに改善。シカゴPMIの雇用指数も回復)
米中首脳会談[カリフォルニア州、8日まで]
(会合前までは人民元への切り上げ圧力が円の連れ高リスクにも)


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コメント 1

macinu

気の抜けない1週間になりそうです~!いつもやられるのが月末、月始め~!心してかかります~(^O^)v
by macinu (2013-06-02 19:10) 

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