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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週3月28-4月1日週の為替相場は、ドルと資源国通貨の反発の持続性をにらんだ展開となる。

前週末25日にはドルのほか、豪ドル、NZドル、南アフリカ・ランドなどの資源通貨が上昇した。

裏表でこれまで買われてきたユーロ、ポンド、スイス・フランなどが反落している。

あくまで月末や海外勢の1-3月期決算を前にしたポジション手仕舞いの可能性もあり、今週はトレンドとして定着するか否かを見極める展開となりそうだ。

こうした通貨が上昇した背景には、一つは「潜在的なインフレ懸念」がある。

25日にはFRB幹部から利上げ必要発言が見られ、米国の長期金利上昇(債券価格は下落)がドルをサポートした。

現在はリビア混乱や日本の復興需要期待と燃料・物資不足が商品相場の上昇を支援。

同時に世界的な原発見直しが当座の火力発電での代替思惑となり、原油・石炭・天然ガスなどの上昇を後押ししている。

さらに日本に関しては春の作付けシーズンに、震災・原発被害が直撃した。

種植えなどの作付けに支障が出ることで、秋の収穫期に向けた食料不足が懸念されている。

商品相場の上昇は世界的なインフレ要因となり、海外の金利上昇を支援しやすい。

その中でユーロ圏と英国は年初から先行して利上げ観測が高まっていただけに、すでに一定の織り込みが進展してきた。

対照的に利上げ観測が遠退いていたドルや資源国通貨のほうが、金利と通貨の「上昇余地」(伸びシロ=相場材料としての新鮮味)が残されている。

もっとも今週も日本の原発不安やリビア混迷、原油高、欧州債務懸念といった不透明材料が消えていない。

原油高は行き過ぎれば、インフレよりも世界景気の減速に作用。

海外金利の低下や世界株安によるリスク回避の円高材料となる。

原発事故も事態悪化がリスク回避の円高を招く波乱余地が残されている。





注目材料は1日の米雇用統計だ。

週間の新規失業保険申請件数は08年以来の低水準へと改善しており、10カ月ぶりの高い伸びを示すという予想も見られ始めた。

実際に改善となればドル反発トレンドを後押しするものだ。

ただし、最近は雇用統計が良いと失業率が悪化するといった複雑な結果が続いており、一方向のトレンド形成には慎重論も根強い。

その他、28-30日には米国債市場で2年債、5年債、7年債の入札が行われる。

潜在的なインフレ懸念や先行きのFRBの国債買い入れ漸減、震災混乱を受けた日本勢の投資手控えなどにより、不調に終わると金利が一段と上昇(債券価格は下落)。

ドル高を後押しする余地を秘めている。

テクニカルではドル/円、資源国通貨/円が、5日移動平均線や21日線などを下限ラインとした押し目買いトレンドに移行してきた。

反対にユーロ/円やポンド/円、スイス/円は5日線を上値メドとした戻り売りに転換しつつある。

もっとも最近は短期でトレンドが入れ替わるため、5日線の方向性が日々の基調の羅針盤として注目されるだろう。

経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<28日・月>
21:30 米2月PCEデフレーター
(消費者物価のコアは落ち着き。米債金利の低下とドル安要因。資源高が上振れの撹乱要因)
21:30 米2月個人所得/個人支出
(緩やかな雇用の改善がサポート。ガソリンと食料の上昇が家計支出を押し上げ)
23:00 米2月中古住宅販売成約指数
(米国の住宅市場は低迷。前月までの連続低迷や大雪などの反動が上振れの波乱要因)
25:40 ロックハート・アトランタ連銀総裁、アトランタで米国経済について講演
28:40 エバンス・シカゴ連銀総裁、サウスカロライナ州で記者会見と講演
(25日にはFRB幹部の利上げ支持発言が米債金利の上昇とドル高をサポート)
28-30日に米国債市場で2年債、5年債、7年債の入札
(不調なら米債金利の上昇とドル高を後押し。根強い需要を確認の可能性も)

<29日・火>
17:30 英2月マネーサプライ、英2月住宅ローン承認件数
(英中銀の早期利上げ観測後退でポンド安に反応しやすい地合い)
19:00 ブラード・セントルイス連銀総裁、プラハで金融政策に関して講演
(25日にはFRB幹部の利上げ支持発言が米債金利の上昇とドル高をサポート)
22:00 米1月S&Pケースシラー住宅価格指数
(米国の住宅価格は低迷。1月は大雪などが住宅市場の落ち込みを後押し)
23:00 米3月消費者信頼感指数
(ミシガン大指数は伸び悩み。株高一服や資源高、地政学リスクと日本の震災・原発事故も悪材料)

<30日・水>
08:50 日2月鉱工業生産[速報]
(生産は震災で急減へ。低下幅の度合いの参考として2月時点の「発射台」の高さ焦点)
18:00 ユーロ圏3月消費者信頼感、鉱工業信頼感、業況判断指数
(資源・食料の上昇や地政学リスク、ユーロ高などが回復ペースを抑制)
21:15 米3月ADP雇用統計
(週間の新規失業保険申請件数は,4週移動平均で08年7月以来の低水準に改善)
21:30 加2月鉱工業製品価格、原料価格指数
(資源高の影響焦点。今後の金利政策を左右)

<31日・木>
09:30 豪2月小売売上高、住宅建設許可件数
(1月の洪水被害の反動回復が焦点)
18:00 ユーロ圏3月消費者物価指数・速報
(資源高などが物価の上昇を後押し。ECBの4月利上げ観測がユーロを下支え)
21:30 米新規失業保険申請件数
(前週までは改善傾向。連続改善の反動悪化が波乱要因)
22:45 米3月シカゴ購買部協会景気指数
(1日ISM指数の参考に。3月分は地区連銀の製造業景況指数が軒並み改善を維持)

<1日・金>
08:50 日3月企業短期経済観測調査[短観]
(震災や電力不足などの影響が完全に反映されず。想定為替レートは注目)
10:00 中国3月製造業PMI
(過度な引き締め懸念が後退。緩やかな成長の回帰も)
17:30 英3月CIPS製造業PMI
(資源高や増税などが悪材料。前月までの急回復ペースの反動鈍化も)
21:30 米3月雇用統計
(週間の新規失業保険申請件数は改善。雇用統計は好転でも失業率は横這いリスクも)
23:00 米3月ISM製造業景況指数
(3月分の地区連銀製造業景況指数は軒並み改善。資源高などで上昇ペースに鈍化懸念)





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