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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週4月25-29日週の為替相場は、ドル全面安の持続性と調整のドル反発を見極める展開となる。

前週はドル全面安が進展。

・米インテルなどの決算改善を受けたリスク選好
・NY連銀総裁などの景気慎重発言によるFRBの利上げ時期の後ズレ観測
・追加量的緩和(QE2)の「6月期限切れ=即・縮小」観測の後退と「当面の現状放置」思惑
・米議会での財政再建を巡る与野党対立
・米国債の長期格付け見通しの下方修正
・中国による人民元高・ドル安誘導の強化などがドル安に拍車を掛けた。

同時に海外短期筋が投機的な円売り(ショート)ポジションを急膨張させていたため、22日からの連休を前にポジション整理の円買い戻しに動いた。

結果、ドル/円でのドル安・円高が、クロス円でも円全面高を連鎖させている。

このうちポジション面では、海外短期筋による円ショートの整理は進捗してきたとの見方が強い。

その反面、国内個人によるドルなどの外貨ロング(外貨買い持ち=円ショート)が再拡大。

3月上旬以来の高水準を回復してきた。

例年、日本のゴールデン・ウィークで取引が細っている間には、海外勢から投機的な円高・外貨安の仕掛けが入りやすい。

今週に新たなドル高材料や円安材料が出てこないと、3月17日の1ドル=76円ケースのように、5月連休明けにかけて「国内勢の外貨ロング手仕舞い」や「強制ロスカット(損切り)」を狙ったドル売りなどの外貨売りと円買いの仕掛けが活発化するリスクも消えていない。

そこで鍵を握るのが26-27日の米FOMCだ。





今回は初めてバーナンキFRB議長が会見も行う。

声明や会見で景気の慎重姿勢が示され、当面の低金利とQE2の現状放置が示唆されるようなら改めてドル安が加速。

ドル/円のドル安・円高が、クロス円でも円を連れ高(外貨安)にさせやすい。

もっとも一段のドル安・資源高は、米国で悪い物価上昇とインフレをもたらすものだ。

そうしたリスクに備え、6月以降のQE2の漸進的な削減が示唆されるとドルは急反発の波乱となる。

ドル/円でのドル高・円安により、クロス円もいったんは円安に作用しそうだ。

しかし、その場合は米国株や資源高が調整反落する。

対ドルで欧州通貨や資源通貨が下落するため、クロス円でもこうした外貨が連れ安(円高)になるという二次反応が警戒される。

加えて波乱となるのが、中国による人民元の切り上げだ。

中国では資源高がトラック運転手の大規模デモに発展するなど、社会問題化してきた。

資源と食料の高騰は北アフリカと中東で民主化デモを誘発させており、中国当局も危機感を強めている。

結果、輸入物価を抑えるため、人民元の切り上げとドル安誘導を強化。

引き続き人民元に同じアジア通貨の円が連れ高になるリスクや、ドル安の圧力が警戒される。

逆に米国が中国による人民元改革の弊害としての「ドル急落ペースの行き過ぎ」に警戒感を強めると、日本にはドル安・円高阻止の介入を黙認したり、あるいは介入以外での円高阻止に協力姿勢を示す可能性も排除できない。

同時に円高が行き過ぎると、日銀が28日の政策会合で追加緩和を決めるという、自発的な円高阻止努力の余地が残されている。

今週は材料面でも日米独で重要指標が山積だ。

ドル安やユーロ高の一段のオーバーシュートと、反動巻き戻しの乱高下が警戒される。

また、テクニカルではドル/円、クロス円ともに、一目均衡表で先行きを示す雲の上限が5月3日にかけて急激に切り下がっている。

単発的な外貨安・円高ショックと、揺り戻しによる外貨急反発の波乱相場には警戒が必要だろう。

経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<25日・月>
23:00 米3月新築住宅販売
(前月急減の反動増と春の購入シーズンが下支え。ただし、中古に需要を奪われているリスクも)

<26日・火>
23:00 米4月消費者信頼感指数
(資源や食料の高騰、日本の震災被害の余波などが頭打ちの懸念材料)
米決算発表 アマゾン、フォード、ブロードコム、3M、UPS、 コーチ、USスチール、デルタ航空、USエアウェイズ、コカコーラ
(これまでの決算発表は総じて底堅さ。好材料の出尽くし感は警戒。日本の震災被害の影響も焦点)

<27日・水>
17:30 英1-3月期GDP(速報)
(予想外に低迷した前期の反動増が波乱。ただし、2月以降の指標は伸び悩み)
21:30 米3月耐久財受注
(前月の下振れの反動増も。航空機の受注増加や四半期末のテクニカル要因が上振れ支援)
時間未定 ドイツ4月CPI(消費者物価指数)
(資源高が上振れと追加利上げを支援。前年の大幅上昇の反動減や、ユーロ高による物価抑制効果が下振れ波乱)
深夜1:30 FOMCが結果と声明を発表、その後にバーナンキFRB議長が会見
(景気慎重見通しによる低金利長期化の示唆がドル安要因。反対に一段のドル安・資源高によるインフレに警戒感を示すと、サプライズのドル高波乱)

<28日・木>
08:50 日3月鉱工業生産
(過去最大の落ち込みも織り込みは進展。予測指数での回復時期が焦点)
09:00 日銀、政策委員会・金融政策決定会合(終了後直ちに結果公表)
15:00 日銀「経済・物価情勢の展望」(展望リポート4月)
15:30 白川方明日銀総裁、記者会見
(現状維持が失望の円高リスク。会合直前までに円高・株安激化の場合は追加緩和の円高阻止対応も)
21:30 米1-3月期GDP
(大雪などによる住宅低迷、資源・食料の高騰による消費伸び悩みなどが鈍化要因)
21:30 米新規失業保険申請件数
(資源高や日本の震災被害による部品供給の停滞などが、米国の雇用に悪影響)
23:00 米3月中古住宅販売成約指数
(厳冬の反動や春の住宅購入シーズンがサポート要因)

<29日・金>
東京市場は昭和の日で休日
18:00 ユーロ圏4月消費者物価指数(CPI、速報値)
(資源高が上振れと追加利上げを支援。前年の大幅上昇の反動減や、ユーロ高による物価抑制効果が下振れ波乱)
21:30 米3月の個人消費支出・個人所得
(小売売上高は自動車などが減速も底堅さを保つ)
21:30 米3月コアPCEデフレーター
(資源高や食料高、ドル安の累積効果や景気回復が微妙な押し上げ要因。ドルを下支え)
22:55 米4月ミシガン大学消費者マインド指数(確定値)
(資源高や食料高、日本の震災被害の影響などで伸びが鈍化も)
バーナンキFRB議長が講演
(27日FOMC後の市場動向に対する週末調整の材料にも)





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