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新しい投資尺度にはご用心 [投資の心得]

2回にわたって投資尺度の話をいたしましたが、最後にもうひとつ注意していただきたいことをお話します。

突如として聞いたこともないような投資尺度が語られだした時は要注意ということです。

機関投資家の場合は、それぞれに運用成果を高めるため独自の投資尺度を開発して、銘柄選択や売買のタイミングを考えるのに利用していますが、これはそれぞれのノウハウであり、外部には明かさず秘密のベールに包まれています。

これを公表して競争相手に塩を送る必要はないからです。

ところが、証券業者やアナリストが新しい投資尺度を開発して、これを使用して銘柄を推奨するケースがあります。

そうした新しい投資尺度で株価を説明しようとする時はその新しい投資尺度を自分なりによく理解して対応してください。

既存の投資尺度で株価水準を説明できないため新しい投資尺度が開発され、これで株価を正当化しようとしたことは日本のバブル相場の最終段階でも経験したことです。

当時は東京ベイエリア開発が相場テーマとなり、I重工業やTガスなどが株価収益比率ではとても説明できないような水準にまで買い上げられました。

この株価の妥当性を説明するためにQレシオという新しい投資尺度が開発されました。

これは土地の含み益を加えた1株当たり純資産で株価水準をみるというものです。

それから1年余りで相場は大天井をつけて、以後長期の下落基調をたどり、特にQレシオを手がかりに買われた銘柄は惨憺(さんたん)たるものになりました。

新しい投資尺度で株価を説明しようとする時の銘柄群には用心して対応することが賢明だということです。

このように株価収益比率など従来の投資尺度で説明できないために新しい投資尺度が考案され、これを手がかりに株価水準を正当化しようとする時は、こうした銘柄グループの株価水準はピークに近付いている場合があると考えてください。

現在ではQレシオ、株価売上高倍率ともに話題にもならなくなっています。

「新しい投資尺度にはご用心」ということを記憶にとどめておいてください。





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