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天井売らず底買わず [投資の心得]

売りと買いのタイミングをどのようにして判断するか。

言葉では簡単なように思えますが、実際には至難の業と考えなければなりません。

本来的には、株価は企業の実体価値を反映するべきものです。

しかしながら株価というものは人間が売買して付けるものです。

多くの人々が、何らかの理由により非常に株式市場や特定株式に強気になれば、実態と融離したバブル相場も生まれます。

反対に人々が世の行く末に不安になると、企業の実態を大きく下回る株価のまま推移し続けることもあり得ます。

投資家の行動は市場や企業の先行きに対する「期待」と「不安」が錯綜するなかで違ってきます。

「期待」と「不安」は人間の心理状態であり、株式市場は心理学の世界といわれるゆえんです。

そこで、ここでは、人間心理に絞って、市場や株価の変動をみてみましょう。

さて、人間心理によって株価が変動するとなれば、心理状態をはっきり読み取ることができなければ、「買い時」、「売り時」、別の言葉で言えば「株価の天井」とか「株価の底値」を判断することはできないことになります。

ところが、人間の行動心理は算術のように理屈で言い当てることは不可能なことであり、人間のやることだから分からないと言った方が正しいということになります。

天井と考えて売却したら、そこからさらに大きく上がってしまい、得た利益より売ってからの上昇幅の方がはるかに大きかったということや、底値だと思って意を決して買い出動したら、そこからさらに大きく下がってしまったという経験は、株式投資を多少なりともかじった人は必ず持っていると思います。

そこで考えてみたいと思いますのは、「名人、天井売らず底買わず」という古くから伝わる株式の格言です。





これの意味するところは、天井と底は後日になってわかるものだから、これを知ろうとすることはナンセンスであり、天と地という点で勝負するのではなく天井圏、底値圏というゾーンで考えて売買のタイミングを考えなさいということなのです。

天井と底を当てることはどんな相場名人でも不可能なことです。

そこで底値圏かなと思っても直ちには買い出動はしないで株価の推移を見守ります。

安値をつけた後、反発に転じても、まだその段階では投資家心理が揺れ動いていますから、再び反落する局面もあり得ます。

その反落場面で、先の安値を割り込むことがなかったら、底値に届いたと判断し買い出動するという方法も考えられます。

売る場合、ピークをつけたと思っても確信は持てませんから様子をみる。

仮にそれが天井であっても市場には強気心理が残っていますから、戻る局面もあり得ます。

そこで先の高値を抜くことができなければ、天井をつけたと考えて処分する方法も考えられます。

これでもうまくいかないことが多々あり得ますし、あくまでも一つの方策にすぎません。

株式の格言は人間の行動心理を洞察したものが多いのですが、この「天井売らず底買わず」という格言も名言だといってよいでしょう。

行動を起こす前は慎重に判断し、判断したら迅速に実行することが、株式投資では重要なスタンスですが、売買タイミングについても同じであることを示唆しています。





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