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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週6月6日-10日週の為替相場は、ドル安継続とドル/円主導の円高連鎖の広がり、その反動揺り戻しをにらんだ展開となる。

前週末の米5月雇用統計は大幅に予想を下回り、改めて米国の雇用回復の遅れが確認された。

米国で相次ぐ指標悪化が、資源高の累積効果や日本からの部品供給停滞を受けた一時的な「ぬかるみ(ソフトパッチ)」にとどまるか。

あるいは昨秋からのFRBによる追加量的緩和(QE2)のモルヒネ効果が息切れし、根源的な米国経済の長期停滞が表出されてくるか。

その両リスクをにらんだ神経質な展開が続く。

ドル/円は80-82円のレンジを中心としつつ、79.50円方向へのドル安オーバーシュートを警戒した流れとなりそうだ。

国内個人の証拠金取引などでは、ドル/円や豪ドル/円などで外貨の押し目買いによるロング(買い持ち)のポジションが膨張。

3月の円高波乱のように、こうしたロングの取り崩しや損切りを狙った投機的な外貨売り・円高仕掛けの単発波乱も残されている。

一方で昨年5月以降の円全面高とは異なり、ユーロは7月に追加利上げの観測が残されている。

震災被害などで日本の貿易収支は赤字化しており、為替需給面での円高エネルギーは減退してきた。

しかも日本では他国と異なり、インフレのリスクが乏しい。

円高・株安が深刻化すれば、6月13-14日の日銀金融政策決定会合に向けて、日銀の追加緩和観測が台頭。円高を阻止させるだけでなく、世界株安などのリスク回避にも一定の歯止めをもたらす余地が残されている。

その他、ドルに関しては6月末でのFRBによるQE2拡大の終了が迫ってきた。

まだQE3の思惑は残されているが、いったんは大量ドル供給の一段落がドル調達キャリー取引の段階的な巻き戻し(=ドル買い戻し)を招きかねない。





その中で海外の金融機関は、6月期末超えの資金繰りが迫ってきた。

世界減速や欧州債務懸念などにより、短期金融市場で一時的に金融機関の選別による信用不安が発生すると、ドル資金の調達が逼迫化(資金の出し手のリスク回避=資金の取り手のドル調達難)。

思わぬ短期ドル金利の上昇と、ドル全面高を招く波乱リスクも残されている。

その場合はドル/円でのドル高・円安と、クロス円主導の円高の綱引き相場が想定されるだろう。

また、テクニカルではクロス円を中心に保ち合い相場に煮詰まり感が意識され始めた。

一方向に値が飛ぶ波乱リスクが注視されている。

ユーロ/円やスイス/円、NZドル/円、ランド/円は上昇トレンドが維持されるか、ドル/円主導の円高・外貨安に連られるかの正念場を迎えてきた。

ユーロは9日のECB理事会をにらみ、一段のユーロ上昇とポジション整理のユーロ売り戻しが撹乱要因となりそうだ。

経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<6日・月>
16:30 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁、パネルディスカッションに参加[ヘルシンキ]
(米国の経済指標が悪化する中で、FRBの次の対応や景気判断に注目が集まる)
18:00 ユーロ圏4月生産者物価指数
(根強い物価上昇の圧力が、ECBの7月利上げとユーロをサポート)
21:30 加4月住宅建設許可
23:00 加5月Ivey購買部協会指数
(米国経済との相関性が高く、指標減速に警戒感)

<7日・火>
13:30 豪中銀、政策金利発表
(予想は据え置きで声明焦点。米中減速や欧州債務懸念などが追加利上げの足かせに)
18:00 ユーロ圏4月小売売上高
19:00 独4月製造業受注
(4月までは欧州の指標に底堅さ)
28:45 バーナンキFRB議長、講演[アトランタ]
(追加緩和に言及なら株高・ドル安・クロス円での円安、言及なければ反対の流れ)
米3年債320億ドルの入札
(安全逃避で根強い需要なら金利低下とドル安。債券価格面での高値警戒感により、入札不調なら金利上昇とドル高)

<8日・水>
08:50 日4月国際収支統計
(経常黒字の減少が需給面で円高を抑制)
10:00 タドリー・ニューヨーク連銀総裁、講演[NY]
(FRBきってのハト派。追加緩和に含みなら株高・ドル安・クロス円での円安)
10:30 豪4月住宅ローン約定件数、豪4月投資貸付
(指標の鈍化に警戒感)
19:00 独4月鉱工業生産
(前月の悪化の反動増がプラス要因)
27:00 ベージュブック[地区連銀経済報告]
(住宅・雇用の減速に対する認識を見極め。次回FOMC会合の参考資料に)
米10年債210億ドルの入札

<9日・木>
06:00 ニュージーランド中銀、政策金利発表
(予想は据え置き。内外経済への慎重姿勢や通貨高への牽制がNZドルの下落材料)
10:30 豪5月雇用統計
(世界減速の流れで5月の豪州統計も鈍化)
20:00 英中銀、政策金利発表
20:45 欧州中銀、政策金利発表
(いずれも政策は現状維持。世界減速に対する現状認識が焦点に)
21:30 米4月貿易収支
(日本からの部品輸入減少が輸入減と赤字減の波乱要因)
21:30 トリシェECB総裁、定例記者会見
(インフレ判断の表現が前回通りならユーロ安、警戒姿勢を強めるとユーロ高)
米30年債130億ドルの入札
(安全逃避で根強い需要なら金利低下とドル安。債券価格面での高値警戒感により、入札不調なら金利上昇とドル高)

<10日・金>
17:30 英4月鉱工業生産
(日本からの部品供給停滞や国内銀行の臨時休業が下振れ波乱)
20:00 加5月雇用統計
(米国に続いて悪化に警戒感)
21:30 米5月輸入物価指数
(資源高の一服が上昇抑制。先行きのインフレ鎮静は米債金利とドル安要因)
時間未定 中国5月貿易収支
(米国減速や日本の震災被害による輸出減、中国の減速よる輸入減がリスク回避の材料に)





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