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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週6月27日-7月1日週の為替相場は、クロス円主導の円高とドル/円でのドル下げ止まり(円高抑制)の綱引きが想定される。

前週末24日のNY市場は米国の株安と円高が進展。

ギリシャ本会議で緊縮財政策が通過できるか不透明感が残るほか、7月に予定される欧州系銀行のストレステスト結果公表で、「イタリアの銀行が資本増強を迫られる」という懸念などが、ユーロ安やリスク回避の株安・円高を招いた。

引き続きギリシャ国債などを保有する欧州系金融機関の焦げ付き懸念を含め、金融不安に波及すると世界株安によるリスク回避の円高と対円以外でのドル高を持続させやすい。

ドル自体はドル調達キャリー取引の巻き戻しのほか、FRBの追加量的緩和(QE2)の6月終了、当面のQE3後退、国際エネルギー機関(IEA)の原油備蓄放出を受けた資源安・ドル高などにより、ドル全面高の流れとなってきた。

一方で対ドルで欧州通貨や資源通貨が下落。

クロス円ではこうした通貨が圧迫されやすい(円高)。

同時にユーロはギリシャ懸念、ポンドは英中銀の利上げ後退と追加量的緩和の余地、豪ドルやカナダ・ドルなどの資源国通貨は原油安という個別の悪材料を抱えている。

その中で今週は米国で経済指標の発表が相次ぐ。

日本からの部品供給再開や資源反落などにより、リバウンド改善が見られるか否かが焦点となりそうだ。

期待通りの反動改善なら、リスク回避の円高が後退。

反対に減速の根深さが確認されると、クロス円主導の円高・外貨安が持続する。

さらに今週はギリシャ問題の行方、27-29日米国債入札を受けた米国債金利の動向、日本の鉱工業生産や日銀短観での復旧度合いないなどにも一喜一憂の展開となりそうだ。

その他、需給面では月末にあたり、生産再開を受けた国内輸出企業などから円買い決済(ドル売りやユーロ売り)が盛り上がりやすい。

一方で日本ではボーナス資金に対応した外貨建て投信の設定が30日にかけて集中。

資金流入の実績次第では、単発的な外貨高・円安の波乱要因となる。

その他テクニカルでは、ドル/円、クロス円ともに21日、25日などの移動平均線をにらんだ神経質な地合いが続く。

21日線や25日線の「下抜け状態」や「方向性の下向き化」が続いている間は外貨の戻り売り(円買い)。

反対に「上抜け回帰」や「方向性の上向き化」が見られると押し目買いに転換という(円売り)、手探り相場が続きそうだ。





経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<27日・月>
07:45 NZ・5月貿易収支
(世界減速や通貨高要因で輸出減少ならNZドルを圧迫)
21:30 米5月個人所得/個人支出
(所得関連は微妙な賃金上昇で改善傾向。個人支出は伸び悩み)
21:30 米5月PCEデフレーター
(コアは4月までの資源高の累積効果で上昇圧力。米債金利の下げ止まりによるドルを支援)
23:00 米6月ダラス連銀製造業活動指数
(石油業界の拠点であり、資源下落がマイナス要因)
米2年債入札
(債券価格の高値警戒感やQE2終了で不調リスクも。その場合は金利上昇とドル高)

<28日・火>
15:15 ドイツ中国経済フォーラム[温家宝首相、メルケル首相出席]
(中国によるユーロ支援がユーロのサポート要因に)
18:00 キング英中銀総裁、講演[ロンドン]
タッカー英中銀副総裁、デール英理事、ポーゼン委員、マイルズ委員ら講演
(前週公表された会合議事録では、利上げ賛成票の減少や追加緩和の指摘でポンド急落)
20:00 トリシェECB総裁、ウェリンク・オランダ中銀総裁、講演[アムステルダム]
(資源下落やギリシャ債務懸念を受けた連続利上げの後退に注目が集まる。ユーロ安要因)
22:00 米4月S&Pケースシラー住宅価格指数
(4月の住宅価格指数は予想を上回る改善)
23:00 米6月消費者信頼感指数
(株安や雇用の再悪化がマイナス要因。ガソリン反落が過度な落ち込みを制御)
23:00 米6月リッチモンド連銀製造業指数
(現状までの6月指標は減速が持続。日本からの部品供給再開や資源下落による反動改善をにらむ)
米5年債入札

<29日・水>
08:50 日5月鉱工業生産[速報]
(生産復旧の度合いに注目が集まる。改善なら株高とリスク回避後退の円安)
17:30 英5月消費者信用残高、住宅ローン承認件数、英4月サービス業指数
(最近の英国の指標は悪化傾向。懸念ほど低迷しなければ調整のポンド買い戻し)
18:00 ユーロ圏6月消費者信頼感[確報]、鉱工業信頼感、サービス業信頼感
(世界減速や欧州債務懸念などで悪化へ。ユーロ安や資源安が過度な落ち込みを抑制)
23:00 米5月中古住宅販売成約指数
(住宅市場は長期低迷が続く。ただし、最近は懸念ほどには悪化せず)
23:30 EIA週間石油在庫統計
(在庫の減少が続けば、原油安・資源通貨安・ドル高が一服)
米5年債入札

<30日・木>
07:45 NZ・5月住宅建設許可
(5月は低迷懸念。ただし今後は震災復興支援に伴う政府の住宅買い取りが支援材料)
16:55 独6月雇用統計
(前週の6月独IFO景況感指数は予想を上回る打たれ強さ)
18:00 ユーロ圏6月消費者物価指数[速報]
(物価指数は高まり。7月利上げ観測がユーロを下支え)
21:30 米新規失業保険申請件数
(日本からの部品供給再開や資源反落を受けた悪化の歯止めが焦点)
22:45 米6月シカゴ購買部協会景気指数
(自動車産業の拠点。日本からの部品供給再開による反動改善をにらむ)

<31日・金>
08:50 6月企業短期経済観測調査[短観]
(先行き予測で復旧の角度をにらむ。株高・円安を左右。為替想定レートも注目)
10:00 中国6月製造業PMI
(減速がリスク回避の円高要因。ただし、急減速の場合は過度な引き締め懸念の後退に)
17:00 ユーロ圏6月製造業PMI[確報]
(世界減速や債務懸念などで悪化へ。ユーロ安や資源安が過度な落ち込みを抑制)
17:30 英6月製造業PMI
(世界減速や欧州債務懸念などが重石。緊縮財政も英国経済を圧迫)
22:55 米6月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(株安や雇用の再悪化がマイナス要因。ガソリン反落が過度な落ち込みを制御)
23:00 米6月ISM製造業景況指数
(現状までの6月指標は減速が持続。日本からの部品供給再開や資源下落による反動改善をにらむ)





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ケイ

お久しぶりです。☆
by ケイ (2011-06-26 20:07) 

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