SSブログ

今週の為替相場展望 [為替情報]

今週7月18-22日週の為替相場は、円全面高の持続性と自律調整的な円反落(外貨反発)の行方をにらんだ展開となる。

前週は円全面高が加速。

米雇用統計の悪化や米議会での債務上限引き上げ協議難航、バーナンキFRB議長の追加緩和示唆がドル安要因となる一方、欧州における債務金融危機の拡散懸念がユーロ安を深化させた。

さらに世界減速不安を通じた原油下落などにより、豪ドルなどの資源国通貨も下落。

消去法的なリスク回避の円高が再燃している。

ドル/円については生産復旧で日本の輸出が改善しつつあり、ドルを売り遅れている国内輸出企業のドル戻り売り(円転)圧力が根強い。

ユーロ/円でも、長期ユーロ安を警戒した輸出企業のユーロ売りが目立っている。

かたや日本の財務省・日銀による円高阻止介入については、現状のところ時期尚早との見方が強い。

G7の協調介入があった3月と異なり、現在は欧米の問題が主因であること、日本の株価が復興需要期待などで底堅く推移していること、原発停止などで火力発電の依存度が高まるなか、輸入燃料のコストが下がる円高は日本経済にプラス面もあること、などが背景にある。

もっとも円高が一段と加速し、スピード面での行き過ぎが強まれば、ピッチ制御の介入は十分に想定される。

日本株が崩れ始め、本格的に景気の腰折れリスクが高まるようだと、日銀の追加緩和を含めた円高阻止対応が警戒されよう。

これから1ドル=75円の節目を割り込むようだと3月時と同様、ノックアウト・オプション関連の損切りをスパイラル的に誘発。

ドル暴落を招くアクシデントを生む。

現在は電力不足などで製造業の空洞化リスクが現実化しており、円高定着による空洞化を回避するためにも、75円割れの勢いをつかせる前段階(75-80円のレンジ中間点77.50円の手前など)から、介入が本格的に注視されそうだ。

それ以前に米国では企業決算で収益の底堅さが目立っている。

経済指標は低迷が目立つものの、新規失業保険申請件数、小売売上高、NY連銀製造業景況指数の「6カ月先予想」などで改善が見られ始めた。

さらに債務上限の引き上げ協議も進展してきている。

すでに前週までに先行きのドル安リスクを織り込んだ経緯もあり、反動揺り戻しによるドル反発と円反落の可能性も消えていない。

FRB議長が早期の追加緩和を否定したことで、米国債金利も現状からの低下余地が狭まってきた(=ドル安余地の縮小)。

また、欧州の債務金融問題は長期化しそうだが、短期的には前週末の欧州金融機関ストレステスト結果などで、悪材料の織り込みと出尽くしも見られ始めた。

投機ポジション面ではユーロのショート(売り持ち)が拡大してくる一方、欧州の金利自体は高止まりしており、ちょっとした好材料で調整的なユーロ買い戻しが入りやすい。

その他、円高・外貨安の歯止め要因としては、国内勢にとって外貨の下落で外貨買いに「値ごろ感」や「割安感」が出ていること(燃料輸入の前倒し手当て、海外企業の買収、長期分散運用での海外資産投資、個人輸入や海外旅行のメリット増大)、資源反落で新興国のインフレと過度な引き締め懸念が後退していること(新興国の株高によるリスク回避の円高緩和、新興国通貨高・円安)、海外勢にとっての円の割高や過大評価の高値警戒(外貨準備高調整での円買い小休止や、一旦の利益確定の円売り)などが注目されそうだ。


上級トレーダーも満足させる高度な取引環境 サクソバンクFX
サクソバンクFX


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<18日・月>
07:45 NZ・4-6月期消費者物価指数
(景気改善や資源高の累積効果などで上昇も。NZドルを下支え)
23:00 米7月NAHB住宅市場指数
(前月までの低迷の反動や、FRB追加量的緩和(QE2)の累積効果で下げ止まり機運)
[日]海の日で休日
米企業決算 IBM、ハリバートン、チャールズシュワブ
(前週までの決算発表は総じて底堅さ。過度な株安・円高リスクを抑制)

<19日・火>
10:30 豪中銀議事録公表[7月]
(欧米中リスクで追加利上げには慎重姿勢。先行き利下げ観測もあり、豪ドルを圧迫)
18:00 独7月ZEW景況感指数
(債務金融不安が重石も資源下落とユーロ安が下支え。米国の7月ISMも改善)
21:30 米6月住宅着工件数
(低迷持続も、集合住宅の増加が特殊な上振れ要因)
22:00 カナダ中銀、政策金利
(雇用指標などが改善しており、先行きのインフレ警戒姿勢がカナダ・ドルを下支え)
米企業決算 バンク・オブ・アメリカ、ゴールドマン・サックス、ウェルス・ファーゴ、ジョンソン・エンド・ジョンソン、コカ・コーラ、ヤフー、アップル
(前週までの決算発表は総じて底堅さ。過度な株安・円高リスクを抑制)

<20日・水>
10:30 山口日銀副総裁、金融経済懇談会で講演[長野県松本市]
14:30 山口日銀副総裁、長野県松本市で記者会見
(影響限定も、円高に対する日銀のスタンス焦点。追加緩和の選択肢を示唆なら円安要因)
17:30 英中銀、金融政策委員会議事録公表[7月6、7日開催分]
(利上げ後退や追加緩和の主張意見がポンドを圧迫。ただし、前回会合で織り込みも進展)
23:00 米6月中古住宅販売件数
(先行指標である中古住宅販売成約指数は、5月に予想を大きく上回る上昇)
23:30 EIA週間石油在庫統計

米企業決算 インテル、ユナイテッド・テクノロジーズ、アメリカン・エキスプレス
(インテル決算で相場の潮目が変わりやすい。今回は慎重見通しが強いが、同社の決算はサプライズも目立つ)

<21日・木>
08:50 日6月貿易収支[通関統計]
(輸出の増加が日本株を支援。為替は円高材料となるが、燃料輸入の増加で相殺)
10:30 豪4-6月期NAB企業景況感指数
(米欧中の先行き不安などで豪州の業況マインドは悪化)
16:30 独7月製造業PMI/非製造業PMI[暫定値]
17:00 ユーロ圏7月製造業PMI/非製造業PMI/総合PMI[暫定値]
(債務懸念が重石も資源下落やユーロ安が下支え。米国ほどの反動リバウンドの角度は見込めず)
17:30 英6月小売売上高
(民間指標は強弱混在で波乱余地。資源下落や物価の落ち着きが下支え)
21:30 米新規失業保険申請件数
(前週は悪化=申請増加に歯止め。新学期セールなどでの人員増強がプラス要因)
23:00 米7月フィラデルフィア連銀景況指数
(7月のNY連銀製造業景況指数は悪化。ただし、NY指数とは反対になるケースも目立つ)
時間未定 ブラジル中銀、政策金利、南ア中銀、政策金利
(資源反落で過度なインフレは抑制。利上げ後退が両通貨にはマイナスながら、新興国の株高がリスク回避の円高を緩和)
米企業決算 モルガン・スタンレー、マイクロソフト、AT&T、USエアウェイズ

<22日・金>
17:00 独7月Ifo景気動向指数
(債務懸念が重石も資源下落やユーロ安が下支え。米国ほどの反動リバウンドの角度は見込めず)
20:00 加6月消費者物価指数
21:30 加5月小売売上高
(カナダの指標は総じて底堅さ。緩やかな物価上昇の流れも)
米企業決算 ゼネラル・エレクトリック、キャタピラー、ゼロックス、フォード・モーター、ベライゾン
(いずれも外需を中心に底堅さを保つ見込み。キャタピラーは先行きの中国経済、フォードは日本の震災被害の一巡によるリバウンドの度合いを探るうえで重要)


上級トレーダーも満足させる高度な取引環境 サクソバンクFX
サクソバンクFX


nice!(34)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:マネー

nice! 34

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0