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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週9月5-9日週の為替相場は、ユーロ安の再燃や世界減速懸念による資源国通貨の下落、米国の追加緩和観測によるドル安などを受けた円全面高と、政策対応や過度な悲観の修正による円の売り戻しをにらんだ展開となる。

前週末2日のNY市場では全般的に円高・外貨安が進展。

ギリシャ債務不安の再燃や米国の雇用統計悪化、欧米株の大幅下落により、リスク回避の円高が優勢になる。

今週も世界株安が続くと、クロス円が主導する形での円高が警戒されやすい。

その一方でリスク回避はドル高とスイス・フラン高を支援。

ドル/円とスイス/円は下押し(円高)が抑制される。

とくに米国では2年債金利がゼロ%のフロア下限に接近しており、現状からの低下余地が狭まってきた。

その分だけドル/円でもドルの下げ余地が縮小。

ドルの基盤を固めるような底固めを後押ししている。

ドルが打たれ強さを増すに連れて、裏表で欧州通貨や資源国通貨、新興国通貨の先安リスクが警戒されるだろう。

前週はブラジル中銀が予想外の利下げを行っており、世界減速と資源下落が高金利通貨国のインフレ後退と金融緩和をサポートし始めている。

高金利通貨国の利下げ余地がこうした通貨の上値を切り下げるとともに、すでに金利低下余地の乏しい円やドルの底堅さを支援しやすい。

その中で今週は豪加英欧で中銀の政策会合が開催される。

それぞれ利上げ地ならしの後退や、先行きの緩和示唆が通貨安の潜在リスクとなる。

同時に日本でも6-7日に日銀が政策会合を開催する。

米FRBの20-21日FOMCに先手を打つ形で追加緩和を行うと円全面安。

様子見を保つと失望の円全面高という波乱余地がある。

同時に日銀会合の前には、緩和を催促するような株安・円高の投機仕掛けも警戒されそうだ。

その他、今週末にはG7が予定されている。

欧米の債務不安や世界減速に対し、改めて政策余地の払底が確認されると世界株安と円高を後押しする。

ただし、各国ともに2番底警戒を強めているだけに、為替相場に関しては「安定での協調」が再確認される可能性も消えていない。

その場合、日本は急激な円高に際しての介入のお墨付きを得ることになる。

テクニカルではドル/円、クロス円ともに、1カ月スパンのトレンドラインを示す21日移動平均線、25日線を意識した展開が続く。

こうしたラインの下抜けや、方向性の下向きが続いている間は、両ラインを上値抵抗線とした外貨の戻り売りトレンドが持続。

反対に上抜けや方向性の上向き化が定着してくると、両ラインを下値抵抗線とした外貨押し目買いへとトレンド転換することになる。





経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<5日・月>
10:30 豪4-6月期企業営業利益、豪8月求人広告件数
(豪州の指標は鈍化傾向、6日豪中銀会合への警戒感が豪ドル高を抑制)
16:55 独8月非製造業PMI[確報]
17:00 ユーロ圏8月非製造業PMI[確報]
17:00 ユーロ圏8月総合PMI[確報]
(欧州の8月指標は総じて悪化。8日ECB理事会への警戒感がユーロ高を抑制)
17:00 トリシェECB総裁、講演[パリ]
(欧州債務不安、景気の減速、インフレの後退に言及があるとユーロ安)
17:30 英8月非製造業PMI
(英国の8月指標は総じて悪化)
米国、カナダ [休日]Labour Day

<6日・火>
10:30 豪7月住宅ローン約定件数、豪7月投資貸付
(7月の住宅建設許可件数は予想を下回る低迷)
13:30 豪中銀、政策金利発表
(米国減速や欧州債務不安による成長鈍化や資源下落によるインフレ抑制で利上げ後退)
19:00 独7月製造業受注
(ドイツの景況指数は悪化傾向)
23:00 米8月ISM非製造業総合指数
(債務不安や雇用低迷、株式市場の乱高下が景況感のマイナスに)

<7日・水>
09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[終了後結果公表]
(米欧に先手で追加緩和なら円安。様子見なら失望の円高。会合前は緩和催促の円高も)
10:30 豪4-6月期GDP
(欧州債務不安や米中減速、資源下落などで成長鈍化も)
16:30 スウェーデン中銀、政策金利発表
(世界減速や資源下落でインフレ抑制。高金利国の利上げ観測が後退)
17:30 英7月鉱工業生産
(米国減速や欧州債務不安、英国の緊縮財政などが重石)
19:00 独7月鉱工業生産
(ドイツの生産指標は鈍化傾向)
22:00 カナダ中銀、政策金利発表
(米国減速や資源下落でインフレ抑制。利上げ後退がカナダ・ドルを圧迫)
27:00 ベージュブック[地区連銀経済報告]
(次回FOMCの参考指標に。景気見通しの下方修正が追加緩和観測を支援)

<8日・木>
07:45 NZ・4-6月期製造業売上高
(震災の復興需要などで底堅さも)
08:50 日7月機械受注
(世界減速や円高などで下振れ警戒。株安とリスク回避の円高要因に)
10:30 豪8月雇用統計
(米中減速懸念や欧州債務不安、資源下落などが重石に)
20:00 英中銀、政策金利発表
20:45 欧州中銀、政策金利発表
(ともに政策は現状維持。万一、追加緩和ならサプライズの通貨安に)
21:30 トリシェECB総裁、定例記者会見
(インフレ警戒姿勢の後退が利上げ地ならしを封印。ユーロ安リスク)
26:00 バーナンキFRB議長、講演
(景気判断への言及があれば、8月雇用統計の低迷を受けた見通し下方修正が焦点)

<9日・金>
11:00 中国8月消費者物価指数、中国8月生産者物価指数
(過度な物価上昇の一服が利上げ鈍化期待に。リスク回避の円高を抑制も)
15:00 独8月消費者物価指数[確報]
15:45 仏7月鉱工業生産
(いずれも低迷リスクがユーロの上値を抑制)
17:30 英8月生産者物価指数
(世界減速や資源下落、英国の内需低迷で物価を抑制。ポンドを圧迫)
18:00 7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)[マルセイユ]
(欧米の債務危機や世界減速への協調焦点。失望による世界株安・円高リスクも)
20:00 加8月雇用統計
(米国減速や資源下落がカナダ経済にマイナス)

時間未定
中国8月小売売上高、中国8月鉱工業生産
(8月のPMI指数は懸念ほど悪化せず。円高抑制で資源国通貨を下支え)





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