本物を見極めるポイント（2）

第二のポイントは資金調達力です。

過去に成長のタネを持ち成長を期待されながら、資金面から行き詰まった企業は少なくありません。

企業が成長していくためには、先行投資は欠かせないことです。

研究開発、人材、さらに生産設備・営業設備など先行投資があって、成長の源泉になっていくものです。

先行投資を怠っていては成長機会を逃してしまうことになりかねません。

先行投資には資金を必要とします。

若い企業の場合、まだ財務基盤が脆弱で、この先行投資の資金を自己資金で充当することは難しいものです。

それだけに資金面から事業計画が狂うことは多いのです。

株式を公開しているから、公開時に調達した資金があるとか、必要資金は市場から調達すればよいではないかと考えるとしたら早計です。

店頭公開時に調達された資金は、継続的な先行投資を行なえば、数年で枯渇してしまいます。

しかも、公開時に売り出される株式のかなりの部分が創業者やオーナー一族の持株であり、この売却資金は売却した人の懐に入るだけで、会社の資金とはなりません。

また、市場から調達するにしても、これには業績が好調に推移しているなどの前提条件が必要になります。

金融機関等からの借り入れにしても小型企業になればなるほど簡単なことではありません。

多寡が資金調達と考えてはいけないのです。

市場調達にしても借入金にしても、投資家や金融機関が積極的に応じてくれるためには明確な成長シナリオが必要です。

技術力なり商品力なり武器といえるものがあるかどうか、また現実の収益が成長を示しているかといったようなことです。

こうしたものが明示できないとなると資金調達は難しくなります。

したがって、資金調達力をみる場合のポイントは、まず財務内容はどうか、次いで投資家や金融機関を納得させる明確な成長シナリオを提示しているかどうか、そしていざという場合に資金の支援をしてくれる強力なバックがあるかどうかだといえます。

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