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2社が上場延期 [IPO情報]

当初9社が仮条件発表を予定していた先週だが、キューアンドエーと日興アセットマネジメント2社が取りやめ上場延期を宣言するなど波乱となった。

25日にはネクソンが個人情報流出1320万人と大きな事件を起こし、既にプレヒアリングも終わっていただけに上場延期の最右翼に躍り出たが、訂正目論見書に当該事件を記載しただけでそのまま続行している。

先に上場延期を発表したキューアンドエーは相場悪化を理由にしたものの、吸収資金は3億円に満たず12月の中では最少。

逆に機関投資家の買いは見込めないものの、個人だけでも難なく消化できるサイズだった。

延期は仮条件発表前だったことから、需給の問題よりもプライシングでもめたことは容易に想像できる。

想定価格は1760円だったが、既存株主の直近の売買は1700円となっている。

仮条件が下がれば、一部の既存株主の買値を下回る。

日興アセットマネジメントも同様だ。

市場では「親会社が現金欲しいだけ」、「毎月分型投信が陰りを見せ始めた中での執念の滑り込み」などと、とにかく散々な言われよう。

評価する方も同じ業界だけに裏も表も知り尽くしているとあって容赦ない。

経営陣は外資系証券出身で、株価の算定について素人ではないはずなだけに、プライシングに至る過程は不思議なものだ。

仮に上場を再開するにしても、平時でもこの価格は相当な業績成長を果たさなければ難しい。

高値づかみした住友信託銀行が損失を覚悟しなければ、上場は大きく遠のいたと言え、事実上の中止に近いと言える。

そのままブックビルディングを決めた残り7社にしても、軒並み仮条件は想定価格を上限にするか、下回る設定になった。

唯一上限が想定価格を上回るのは、皮肉なことにネクソン1社だが、事件の影響で上限決定は厳しいのではないかとの声が上がる。

また、レンジも広めな傾向で、カイオム・バイオサイエンスは仮条件下限が想定価格よりも2割以上安い。

今のところ2社以外に上場延期のうわさがある企業はないが、ブックビルディングの結果次第では、12月の上場ラッシュも計画倒れになりかねない。


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