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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週12月19日-23日週の為替相場は、根強い欧州債務金融不安によるユーロ安やリスク回避の円高と、米国経済の復調によるドル高、過度なリスク回避の一服による円安などをにらんだ神経質な相場が想定される。

クリスマス相場入りで取引量が細るなか、日々のニュースや指標などに右往左往する不安定な流れとなりそうだ。

前週末16日のNY外為市場ではユーロが再下落。

格付け会社のフィッチがフランスの格付け見通しをネガティブとしたほか、ベルギー、スペイン、イタリア、アイルランドを格下げ方向で見直したことなどが悪材料となった。

さらにはムーディーズによるベルギーの2段階格下げも追い討ちをかけた。

リスク回避で米国の株価も反落し、またしても対ドル、対円でユーロやポンドなどの欧州通貨、豪ドルやNZドル、カナダ・ドルなどの資源国通貨が下落している。

クロス円では円高の圧力が掛かり、ドル/円は対円以外でのドル全面高が帳消しにされる形でレンジ相場が続いた。

引き続きユーロ圏ではS&P、ムーディーズによる格下げリスクが残されており、ユーロの戻り売り圧力は根強い。

ただし、今週はユーロ圏で財務相会合の可能性も浮上してきた。

年末年始の市場混乱回避に向けた危機対応が強化されると、ポジション調整的なユーロ反発や欧州通貨や資源国通貨の上昇、リスク回避の後退によるクロス円主導の単発的な円安を招く可能性も消えていない。

もっともドル自体は安全逃避のドル買いに加えて、米国の指標改善によって底堅さを増してきた。

前週の7-9月期経常収支では、赤字の減少傾向を確認。

これまでのドル安の累積効果などで米国では輸出が増加しており、対外不均衡の是正が中長期スパンでのドルの底入れと底固めをサポートしそうだ。

裏表で日本や中国は貿易黒字が減少している。

21日の日本の11月貿易統計では赤字の定着が予想され、「安全逃避の円買い」の減退要因として注目されそうだ。

同時に中国では景気の減速懸念や不動産バブルの崩壊懸念により、資本流出が継続。

世界減速によって貿易黒字も縮小しており、これまで急膨張してきた外貨準備高が減少に転じてきた。

人民元の上昇圧力後退が、同じアジア通貨である円の「連れ高」圧力を緩和させやすい。

さらに日本では20-21日に日銀の金融政策決定会合が開催される。

現状維持が有力ながら、欧州危機に対応した年越え資金繰り支援による資金供給の強化が、ドル/円、クロス円で円高抑制要因となってくる。

テクニカルでドル/円は、21日移動平均線や25日線の上抜けや、こうしたラインの方向性の上向き状態を日々確認する「匍匐(ほふく)前進」でのドル底固めが続く。

上抜けや上向き化が続いている間は、21日線や25日線を下値メドとしたドル押し目買いの流れ。

反対に下抜けや下向き化に転じてくると、ドル安トレンドの再開が警戒されるだろう。

対照的にクロス円は21日線や25日線の「下抜け」や「下向き化」の持続性を見極める展開となる。

現状は21日線や25日線を上値メドとした外貨の戻り売りが継続。

今週以降、21日線や25日線の「上抜け」や「上向き化」が見られるか否かが、外貨高・円安転換への鍵を握ることになる。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<19日・月>
06:00 NZ・10-12月期ウエストパック消費者信頼感
09:00 NZ・12月NBNZ企業景況感
(欧州債務危機や世界減速懸念などが重石に)
23:00 ベルギー12月消費者信頼感
(欧州債務金融危機を受けたユーロ圏内の最新消費者マインドが焦点に)
24:00 米12月NAHB住宅市場指数
(12月のミシガン大学消費者信頼感指数は6月以来の高水準。住宅も復調持続か)
24:30 ドラギECB総裁、欧州議会で発言
(国債購入の拡大否定や追加利下げの示唆がユーロ安のリスク)

<20日・火>
09:30 豪中銀、議事録公表
(先行きの利下げ示唆なら豪ドルが再下落。ただし、一定の悲観内容は織り込まれる)
16:00 スイス11月貿易収支
(貿易収支が悪化なら、改めてスイス中銀の通貨高阻止強化に警戒感)
18:00 独12月Ifo景気動向指数
(ユーロ安や資源下落などが支援材料。前月改善の反動悪化がリスク)
22:30 米11月住宅着工件数
(前月に先行指標の建設許可件数は2010年3月以来の高水準。雇用復調などもサポート要因)

<21日・水>
06:45 NZ・7-9月期経常収支
(世界減速や資源下落、通貨高による収支悪化がNZドルの悪材料に)
08:50 日11月貿易収支[通関統計]
(世界減速、タイ洪水、円高などによる輸出減で赤字が定着も。中長期的な円安要因)
09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[終了後直ちに結果公表]
(欧州債務危機への対応焦点。年越え資金繰り支援の資金供給強化は株高・円安要因)
18:30 英中銀金融政策委員会、議事録公表
(欧州債務危機を受けた追加緩和賛成票の行方が焦点。ポンドの戻り売り材料に)
24:00 米11月中古住宅販売件数
(先行指標の成約件数は10月に4カ月のプラス回復。雇用復調などが下支え)

<22日・木>
06:45 NZ・7-9月期GDP
(世界減速や欧州危機、資源下落などで低迷濃厚。一定の悪化は織り込まれる)
18:30 英7-9月期GDP
(欧州債務危機や世界減速、財政緊縮などで低迷有力)
22:30 米新規失業保険申請件数
(前週は08年5月以来の低水準に改善。年末商戦向け雇用の持続と反動悪化の両にらみ)
22:30 米7-9月期GDP[確報]
(確報値は下方修正されやすい傾向。ただし、10-12月期の改善見通しが帳消し)
23:55 米12月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(雇用復調や年末商戦の良好報道などが景気マインドをサポート)
24:00 米11月景気先行指数
(先行きの景気回復「持続性」を探る参考指標に。基本的には底堅さを示す可能性)

<23日・金>
22:30 米11月耐久財受注
(11月のISM製造業景況指数で新規受注は大幅改善。航空機も11月は受注が増加)
22:30 米11月個人所得/個人支出
(年末商戦の出足は良好ながら、小売売上高は期待ほど伸びず。自動車販売の急回復一服などが影響)
24:00 米11月新築住宅販売件数
(雇用復調や住宅ローン金利の大幅低下などが住宅市場の底入れを支援)



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