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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週1月9日-13日週の為替相場は、根強いユーロ安やユーロ/円での円高から派生する円高圧力と、反動揺り戻しをにらんだ展開となる。

前週末6日のNY外為市場では円が全面高。

米国の12月雇用統計は改善したが、事前に上振れが織り込まれていたことや、年末商戦向けの臨時雇用の影響が大きく、持続性に不透明感が残されていることでドル高・円安は限られた。

さらにFRBで主導権を握るダドリーNY連銀総裁が、住宅市場への配慮などから「一段の追加緩和措置の検討は適切」と発言。

米国債金利の押し下げ(債券価格は上昇)となり、ドル/円でのドルの上値を抑えている。

一方ではドイツ製造業受注の悪化やユーロ圏の失業率の高止まりなどにより、ユーロ安が持続。

米国株も下落し、リスク回避の円高が優勢になっている。

懸案のユーロは今週、独仏と独伊の首脳会談、スペインやイタリアなどの国債入札、ECB理事会といった重要イベントが相次ぐ。

失望のユーロ続落オーバーシュートと、いったんのユーロ安クライマックスによる自律反発をにらんだ神経質な展開となる。

かたや米国では11日に地区連銀の経済報告が公表されるほか、FRB幹部の講演が相次ぐ。

最近の指標改善は一過性のものか、持続的なものか。

早期の追加緩和は実施されるのか、当面は現状維持が続くのか。

今後のドルを大きく左右するもので、景気判断や政策スタンスが注目されそうだ。

さらに今週は10-12日にガイトナー米財務長官が中国と日本を訪問する。

イラン制裁が中心テーマながら、欧州支援で新たな協調があると単発的なユーロの反発サプライズを生む。

さらに日本については米財務省が昨年の日本の単独介入に不快感を示しているが、ガイトナー氏から直接的な牽制がなかったり、「為替相場の安定」というG7合意をが再確認されると、介入警戒感が再燃。

円高抑制要因となってくる。

その他、日本では12日の国際収支が公表される。

すでに貿易収支は赤字が定着しつつあり、経常黒字の減少トレンド入りが示される可能性が排除できない。

中長期的な円高歯止め要因となるもので、今年1年のテーマとしての円安方向への修正の鍵を握るポイントとして注目されるだろう。

なお、テクニカルではドル/円、クロス円(ユーロ/円を除く)ともに、日足・一目均衡表の先行スパンの雲の上限と下限に絡み合う形での上下動となっている。

いずれも先行き雲の上限や下限は2月中旬にかけてレンジ横這いとなっており、雲の周辺レンジでの一進一退を繰り返しながら、新たなトレンドを見極める展開となりそうだ。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<9日・月>
06:45 NZ・11月貿易収支
(世界減速や資源下落が輸出を圧迫。黒字減がNZドル安要因)
09:00 豪11月HIA新築住宅販売
09:30 豪11月小売売上高
(11月は雇用指標などが悪化。欧州債務不安や中国減速などが重石)
20:00 独11月鉱工業生産
(ユーロ安や資源安、金利低下などで底堅さ)
21:30 メルケル独首相、サルコジ仏大統領、ユーロ圏危機に対する協議再開[ベルリン]
(政策協調期待のユーロ買い戻しと失望のユーロ再下落をにらむ)
22:30 加11月住宅建設許可
24:30 加10-12月期企業景況感調査
(前週末は雇用統計が悪化。少しでも改善するとカナダ・ドルが買い戻しへ)
29:00 米11月消費者信用残高
(米国の個人信用や金融機関の融資は改善傾向)
ドイツとフランスで国債の入札
米決算 アルコア
(決算発表の先頭バッター。資源下落や中国減速などが収益の懸念材料)
[日]成人の日の休日

<10日・火>
09:30 豪11月住宅建設許可件数
(11月は雇用指標などが悪化。欧州債務不安や中国減速などが重石)
22:15 加12月住宅着工件数
(経済的な関係の強い米国では住宅が復調)
24:30 ウィリアムズ・サンフランシスコ連銀総裁、講演[ワシントン]
25:10 ピアナルト・クリーブランド連銀総裁、講演[オハイオ]
27:00 ジョージ・カンザスシティー連銀総裁、講演[カンザスシティー]
(米雇用統計の改善を受けた景気判断や追加緩和へのスタンス焦点)
ガイトナー米財務長官が訪中、王岐山副首相と会談[11日まで]
(イラン制裁や欧州支援などが焦点に。欧州支援で進展があると短期ユーロ高に)

<11日・水>
21:00 メルケル独首相、モンティ伊首相と会談
(政策協調期待のユーロ買い戻しと失望のユーロ再下落をにらむ)
25:20 バローゾ欧州委員長、講演
26:00 ファンロンパイEU大統領、講演
22:40 エバンス・シカゴ連銀総裁、講演[イリノイ州]
23:00 ロックハート・アトランタ連銀総裁、講演[アトランタ]
26:30 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁、講演[NY]
(欧州は債務金融危機、米国は景気判断と追加緩和のスタンスなどの発言焦点)
28:00 米地区連銀経済報告[ベージュブック]公表
(雇用・住宅・消費関連の指標改善を受けた景気判断が焦点。FRBの追加緩和の行方左右)

<12日・木>
08:50 日11月国際収支統計
(経常黒字の減少度合いが焦点。中長期的に円高を抑制へ)
16:00 独12月消費者物価指数[確報]
(物価の落ち着きがECBの追加利下げを支援。ユーロ安要因)
18:30 英11月鉱工業生産
(欧州債務金融危機や財政緊縮などが英国経済を圧迫)
19:00 ユーロ圏11月鉱工業生産
(前週末はドイツの製造業受注の大幅悪化がユーロ安材料となる)
21:00 英中銀、政策金利発表
(政策変更は見送りも追加緩和の観測残る。議事録公表までポンドの上値抑制)
21:45 欧州中銀、政策金利発表
(3年物オペなどの効果を見極めで現状維持。失望のユーロ安と材料出尽くしのユーロ買い戻しが波乱)
22:30 ドラギECB総裁、記者会見
22:30 米12月小売売上高
(年末商戦は良好。ただし、一定の改善は織り込まれる)
22:30 米新規失業保険申請件数
(12月は年末商戦向け雇用が改善を後押し。反動悪化と雇用回復の持続性をにらむ)
ガイトナー米財務長官、野田首相や安住務相らと会談[東京]
(イラン制裁や欧州支援が議題。欧州支援で進展があるとユーロ高。介入黙認なら円安)
スペインとイタリアの国債入札

<13日・金>
18:30 英12月生産者物価指数
(物価の落ち着きが英中銀の追加緩和を支援。ポンドの上値抑制)
22:30 米11月貿易収支
(原油上昇が輸入を押し上げ。赤字減の一服がドルの上値抑制)
23:55 米1月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報]
(雇用改善や株価の底堅さなどで消費者心理は回復。原油上昇が懸念材料)
25:10 デュークFRB理事、講演[サンタバーバラ]
26:45 ラッカー・リッチモンド連銀総裁、講演[リッチモンド]
27:00 エバンス・シカゴ連銀総裁、講演[インディアナポリス]
(米雇用統計の改善を受けた景気判断や追加緩和へのスタンス焦点)
米決算 JPモルガン・チェース[21:00]
(景気回復で決算は改善期待。ただし、一定の織り込みも進展し、材料出尽くしには警戒感)
日時未定
中国12月消費者物価指数
(インフレ落ち着きなら先行きの金融緩和期待。リスク選好や資源通高を支援)


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