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どのような時を材料出尽くしというのか [投資の心得]

株式材料について、「材料出尽くし」とか、「出たら終わり」という言葉があります。

株式市場では、材料が明らかになる前に反映してしまい(織り込み)、材料が明らかになっても株価は反応しないか、むしろ下げてしまう場合も多いことからこういう言葉が使われます。

しかしながら、これらの言葉の意味をよく理解しておく必要があります。

材料が明らかになったら、材料出尽くしだとして売ってしまうようなことがないようにするためです。

材料が発表になってから、さらに株価が上昇することもあるからです。

株価材料は事前に予想されることが多いものです。

市場全体でみれば、景気指標や金融政策などが代表例ですし、個別銘柄では企業業績が代表的なものです。

市場はこれを予見し、この期待が株価に反映されて事前に株価は動き出します。

例えば企業業績で20%増益という予測があるとします。

このように基づいてPER20倍まで買えば目標株価はいくらという計算ができますから、業績が発表される以前にこの水準まで買われてしまいます。

目標株価まで買われた段階で業績が発表されたとすれば、20%増益という実績で株価がさらに上がることはないわけです。

この20%増益という材料については完全に材料出尽くしということになります。

ところが20%増益という期待値に対して、実際には30%増益になったとします。

期待値より10%も高い増益率になっても材料出尽くしになるかというと、これは違います。

期待よりも10%分上積みされた利益になったのですから、目標株価も違ってくるはずです。

発表になった段階から、10%上積み分だけ買い直されることになります。

材料出尽くしだと発表時点で売却することで、10%上積み分の株価上昇のチャンスを逃すことになるわけです。

逆の場合もあります。

期待値よりも実績の増益率は低かったとします。

この場合は達成されていた目標株価が高過ぎたということになりますから、発表時点から修正安の動きをみせることになります。

この場合は即刻売る必要があるわけです。

ただ、他の材料と違って業績の場合は発表時点からは次期の業績予想を織り込んでいくことになりますから、これに注目しなければいけません。

結局、材料出尽くしという言葉が当てはまるのは、事前の期待値が株価に織り込まれてしまい、材料発表も事前の予想通りであった場合に当てはまることなのです。

事前予想の段階では、強弱が対立して予想材料が十分に織り込まれていないケースもあり、また過大に織り込まれることもあります。

したがって、株価が材料を事前にどの程度織り込んだかを認識する必要がありますが、これは簡単なことではありません。

発表時の株価の反応で判断するしかないように思えます。

期待値より内容が優れていれば発表時に株価はさらに強い動きをみせますし、そうでない場合は株価が材料に反応しません。

この状況をみて売買を判断する必要があるということです。


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