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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週3月26日-30日週の為替相場は、ドル/円、クロス円での調整円高の持続と中長期スパンでの円の戻り売り(外貨の押し目買い)の広がりをにらんだ展開となる。

前週は円全面高が進展。

中国の減速リスク、米国の住宅指標などの回復ペース鈍化、根強い欧州債務不安などにより、2月からの急激な円全面安に対するポジション調整、スピード調整の円買い戻し(外貨売り)が優勢になった。

今週は日本企業の3月決算対策が最終局面を迎えることもあり、海外収益の円転がドルやユーロの戻り売り要因となりやすい。

同時に中国の減速不安などによる日米株の調整下落の「深押し度合い」と「期間」にも神経質となる展開が続きそうだ。

経済指標面では、26日のドイツIFO景況指数、27日の米消費者信頼感指数、30日の米シカゴPMI指数などについて、資源高などを受けた伸び悩みが警戒されている。

改めてリスク回避の円高材料となりやすい。

一方で米国では28日の耐久財受注や29日の新規失業保険申請件数、30日の個人消費支出などについて、改善持続の期待感が残されている。

中長期的な米国景気の回復トレンドが再確認されると、ジワリとドルの押し目買い(円の戻り売り)が強まっていく可能性もありそうだ。

さらに為替需給面では、3月後半で日本企業の決算対策による「期末円高」がピークアウトしていく。

4月からは円高圧力が後退していくほか、4月に入ると9-10日や27日の日銀金融政策決定会合での追加金融緩和の行方が注目を集めやすい。

いずれも調整円高が一巡したあとの円安再開要因となるものだ。

ただし、過去3年は4月で円安やドル高がピークを打ち、年後半にかけて円全面高が加速されるパターンが繰り返されてきた。

今年も中国経済のハードランディングや中国での政治混乱、欧州債務危機の再燃、イラン緊張と原油高騰などにより、4月以降に「リスク回避の円高」が深刻化する可能性は完全に排除できない。

このまま世界株安と円高が長引くようであれば、4月にかけて「日銀の追加緩和催促」を狙った投機的な円買い仕掛けが盛り上がるリスクにも「万一の危機シナリオ」として注意が必要だろう。

テクニカル面ではドル/円、クロス円ともに、25日移動平均線や200日線といった節目ラインからの上方乖離が拡大した外貨の高値警戒感が続いている。

過熱調整による外貨安・円高の下値メドとしては25日線や200日線、一目均衡表での先行スパンの雲の上限などが注目されそうだ。

同時に短期的な下値メドで参考になるのがフィボナッチ分析だ。

ドル/円、クロス円ともに、昨年後半や年初来の外貨安値から直近高値に至る上昇幅の38.2%押し、50.0%押しなどが、当座の重要な下値サポートラインとして意識されやすい。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<26日・月>
06:45 NZ・2月貿易収支
(世界景気の回復や商品相場の上昇で黒字化の予想。NZドルを下支え)
14:40 中尾財務官、パネルディスカッション参加[バークレイズ主催セミナー]
(円高阻止姿勢の堅持が円高を抑制)
17:00 独3月Ifo景気動向指数
(前月までの急回復の反動調整や資源高などで伸び悩みのリスク)
21:00 バーナンキFRB議長、講演[アーリントン]
(景気慎重発言がドル安、原油高によるインフレ警戒がドル高の材料に)
23:00 米2月中古住宅販売成約指数
(最近の住宅指標は伸び悩み。一方で雇用回復や暖冬などが下支え要因)
25:00 ドラギECB総裁、講演[ベルリン]
(債務危機の一服で原油高などによるインフレに関心を強めるとユーロ高)
オバマ米大統領が胡錦濤中国国家主席と会談
(中国を始めとした世界経済の減速に対する協調が見られるとリスク回避の円高を抑制)

<27日・火>
19:00 英3月CBI流通取引調査
(欧州債務危機の一服や米国経済の回復などが下支え)
22:00 米1月S&Pケースシラー住宅価格指数
(1月までは住宅指標の回復に勢い。雇用回復や暖冬などもサポート)
23:00 米3月消費者信頼感指数
(原油高やガソリン高などが重石に。雇用回復が過度な減速を抑制)
23:00 ダドリーニューヨーク連銀総裁、講演[ワシントン]
25:35 ローゼングレン・ボストン連銀総裁、講演[ロンドン]
25:45 バーナンキFRB議長、ジョージ・ワシントン大学で講義
26:20 フィッシャー・ダラス連銀総裁、講演[ルイジアナ州]
(景気判断や原油高などによるインフレ判断の強弱度合い焦点)

<28日・水>
10:30 宮尾日銀審議委員、千葉県金融経済懇談会で講演
14:00 宮尾日銀審議委員、千葉市で記者会見
(前回会合では追加緩和を提案。次の一手を含めた緩和言及が円安材料にも)
17:30 英10-12月期GDP[確報]
(昨年後半は欧州危機などが重石。下方修正に警戒感)
21:30 米2月耐久財受注
(航空機の特殊な受注増加が上振れ要因。生産の緩やかな国内回帰もサポート要因)
モンティ伊首相、日本と中国を訪問[31日まで]
(欧州への追加支援の具体化協議がユーロを下支え)

<29日・木>
17:30 英2月消費者信用残高、住宅証券融資残高、住宅ローン承認件数
(追加量的緩和や欧州債務危機の一服が下支え要因)
18:00 ユーロ圏3月消費者信頼感[確報]、鉱工業信頼感、業況判断指数
(3月は製造業PMI指数などが鈍化。資源高や中国など新興国の減速が重石)
21:30 米10-12月期GDP[確報]
(年末商戦の良好さや在庫要因で小幅な上方修正も)
21:30 米新規失業保険申請件数
(前週までは改善傾向。資源高による新規採用のペース鈍化は警戒)
23:30 ラッカー・リッチモンド連銀総裁、講演[シャーロット]
25:15 ロックハート・アトランタ連銀総裁、講演[アトランタ]
25:45 バーナンキFRB議長、ジョージ・ワシントン大学で講義
26:00 プロッサー・フェデラル連銀総裁、講演[ウィルミントン]
(景気判断や原油高などによるインフレ判断の強弱度合い焦点)

<30日・金>
06:45 NZ・2月住宅建設許可
(復興需要や欧州債務不安の一服などがサポート要因)
08:30 日2月全国消費者物価指数
(根強い物価低迷が日銀の「物価+1%」目標に向けた追加緩和期待を支援。潜在的な円安要因)
08:50 日2月鉱工業生産[速報]
(2月の貿易収支では輸出が持ち直し。生産の改善が株高とリスク選好の円安要因にも)
09:00 豪2月HIA新築住宅販売
09:30 豪2月民間部門信用
(中国減速や通貨高の累積効果などが豪州景気の重石に)
16:00 スイス3月KOF先行指数
(欧州債務危機の一服などによる景気回復が通貨高阻止策の後退思惑にも)
18:00 ユーロ圏3月消費者物価指数[速報]
(資源高とユーロ安が物価を押し上げ。追加緩和の後退がユーロをサポート)
21:30 米2月個人所得/個人支出
(2月の小売売上高は5カ月ぶりの高い伸び。原油高・ガソリン高による悪影響は警戒)
21:30 米2月PCEデフレーター
(商品相場の上昇で緩やかな上昇も。FRBの追加緩和の障害となり、ドルを下支え)
22:45 米3月シカゴ購買部協会景気指数
(前月までの急回復の反動や資源高、ドル高、中国など新興国の減速が重石)
22:55 米3月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(ガソリンや食品の価格上昇が悪材料。雇用の回復が過度な減速を抑制)


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