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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週4月2日-6日週の為替相場は、根強いスピード調整的な株安・円高の持続性と、調整一巡による緩やかな円安・外貨高の再開をにらんだ展開となる。

6日の米雇用統計が4月相場の行方を左右しそうだ。

前週末30日のNY市場ではドル/円、クロス円で円全面高が一服した。

米ミシガン大学消費者信頼感指数の改善やユーロ圏財務相会合での救済基金拡充などを受けて、リスク回避の後退による円の売り戻し(外貨の買い戻し)が見られている。

日本の独自要因では3月の年度末決算に伴う海外収益の円転・外貨売りがピークアウトしており、円高圧力は緩和されていく。

今後は年度明けに伴う国内機関投資家の新規外債投資への期待感や、4月以降の日銀の追加緩和の思惑、消費税増税論議の難航による日本の格下げリスクなどを受けて、ドル/円、クロス円で円の戻り売り(外貨の押し目買い)が意識されやすい。

ただし、日米株には上昇ペースの過熱に対する警戒感が残存している。

今週以降も中国の減速や原油高、米国の指標鈍化、欧州の債務不安再燃、北朝鮮のミサイル試射などの材料により、日米の株安とリスク回避の円高がぶり返すリスクには注意が必要だろう。

しかも日米ともに、4月には企業の決算発表が迫ってきた。

現状からの一段の株高は「収益見通し次第」というムードが強まっており、決算への警戒によって高値圏での横這い、もしくは利益確定売りによる調整下落というリスクは厳然と残されている。

円安、円高の両材料が入り混じる中で、今週は各国中銀の金融政策に注目が集まりそうだ。

3日の豪中銀会合は、サプライズ的な利下げが豪ドル安に作用。

現状維持の場合は一旦の豪ドル買い戻しが入るも、その後に次回以降の利下げ警戒で豪ドルが売り戻し、という波乱余地を秘めている。

同じ3日の米国FOMC議事録では、原油高によるインフレ警戒や景気判断の上方修正が早期の追加緩和を後退させる。

米国株にとっては悪材料になることでリスク回避の円高が警戒される反面、景気見通しの引き上げや追加量的緩和(QE3)の後ズレはドルをサポートするものだ。

さらに4日には欧州中銀(ECB)の理事会が開催される。

最近は債務危機の一服や原油高によるインフレ懸念を受けて、ECB幹部から危機対応の段階的な解除に対する主張が目立ち始めた。

当面の資金供給や利下げの打ち止めが、ユーロ高材料となる可能性は排除できない。

もっとも欧州では債務金融不安や財政緊縮を受けた先行きの景気減速リスクが残されたままだ。

病み上がりの中で拙速に「出口戦略」に傾斜し過ぎると、危機再燃によるユーロ安やリスク回避の円高につながる潜在リスクも残されている。

そして今週の最大の注目は6日の米雇用統計だ。

6日はグッド・フライデーのために世界の主要市場が休場となる。

為替市場の取引量が細るために、指標の結果いかんに関わらず短期的に相場が上下動する波乱リスクが警戒される。

それでも基本的には週間・新規失業保険申請の着実な改善からして、3カ月連続での一定の雇用増加が示されるという期待感が強い。

米国経済の持続的な回復軌道入りに期待感をつなぐもので、中長期トレンドとしてのドルの押し目買いがサポートされやすい。

ただし、3月には原油高やガソリン高が直撃した。

企業の新規採用を慎重にさせるもので、思わぬ雇用の伸び悩み要因として警戒される。

さらに暖冬によって雇用が上振れした2月の反動減速や、これまで就職を諦めていた失業者による労働市場への復帰意欲の高まりと、それに伴う統計上の失業率の上昇(=悪化)などが予期せぬドル安リスクとして警戒されそうだ。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<2日・月>
08:50 日3月企業短期経済観測調査[短観]
(緩やかな改善が株高・円安を支援。想定為替レートのレベルにも注目が集まる)
10:30 豪2月住宅建設許可件数
(2月の新築住宅販売は改善。ただし、中国減速などで豪指標は低迷傾向)
16:50 仏3月製造業PMI[確報]
16:55 独3月製造業PMI[確報]
17:00 ユーロ圏3月製造業PMI[確報]
(資源高などで伸び悩み。速報段階で一定の悪化は織り込まれる)
17:30 英3月製造業PMI
(米国復調や欧州債務危機の一服などが下支え。資源高が撹乱要因)
23:00 米3月ISM製造業景況指数
(同じ3月のシカゴPMI指数は小幅な低下。回復傾向は続くも資源高が上昇ペースを抑制)
[中国]清明節
(連休明け後の預金準備率引き上げ期待がリスク回避を抑制)

<3日・火>
10:00 中国3月非製造業PMI
(減速リスクへの警戒が続く。少しでも改善するとサプライズ)
10:30 豪2月小売売上高
(2月は雇用指標が悪化。中国減速などが重石)
13:30 豪中銀、政策金利発表
(前週は豪中銀ウォッチャーが「利下げは五分五分」と予想。先行きの利下げ観測が豪ドルの戻り売り圧力に)
17:30 英3月建設業PMI
(米国の復調や欧州債務危機の一服、株高などが英国経済を下支え)
27:00 FOMC[連邦公開市場委員会]議事録[3月13日分]
(インフレへの警戒や景気判断への前向き意見が目立つと追加緩和観測が後退。ドルを支援)

<4日・水>
10:30 豪2月貿易収支
(中国減速や豪ドル高の累積効果などで輸出伸び悩み。豪ドルの上値を抑制)
16:50 仏3月非製造業PMI
16:55 独3月非製造業PMI[確報]
17:00 ユーロ圏3月非製造業PMI[確報]、 3月総合PMI[確報]
(前月までの急回復が一服。速報段階で一定の悪化は織り込まれる)
20:45 欧州中銀、政策金利発表
(債務危機の一服や原油高によるインフレ懸念などで危機対応の修正意見が台頭。ユーロを下支え)
21:15 米3月ADP雇用統計
(週間の新規失業保険申請件数では改善持続。資源高による採用ペースの鈍化が懸念材料) 
23:00 米3月ISM非製造業総合指数
(雇用回復などで高止まりも。資源高が上昇ペースを制御)

<5日・木>
11:30 中国3月HSBC非製造業PMI
(減速の度合いに警戒が続く。少しでも改善した場合がサプライズ)
17:30 英2月鉱工業生産
19:00 独2月鉱工業生産
(2月段階では生産の回復モメンタムが持続)
20:00 英中銀、政策金利発表
(予想は現状維持。焦点は今後の議事録公表に)
21:30 米新規失業保険申請件数
(雇用回復の持続性と資源高などによる回復ペースの鈍化をにらむ)
21:30 加3月雇用統計
(米国の雇用回復や資源高がサポート要因に)

<6日・金>
21:30 米3月雇用統計
(週間の新規失業保険申請件数では改善持続。資源高による採用ペースの鈍化が懸念材料。世界の主要市場が休場であり、為替の取引量が細る中で乱高下の波乱も)
[豪州、NZ]グッドフライデー
[香港、シンガポール、インド]グッドフライデー
[南ア]グッドフライデー
[欧州主要国]株式・債券市場はグッドフライデーの祝日で休場
[カナダ、ブラジル]グッドフライデー
[米国]株式・債券市場はグッドフライデーの祝日で休場


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