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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週4月9日-13日週の為替相場は、ドル/円、クロス円での円全面高の持続と政策対応を受けた円の売り戻し(外貨反発)をにらんだ展開となる。

前週は円全面高が進展。

中国の減速懸念や豪州中銀の利下げ観測が豪ドル安、スペインの国債入札不調を受けた欧州債務不安の再燃がユーロ安、そして米3月雇用統計の減速がドル安を促し、世界的な株安とあいまってリスク回避の円高を助長させている。

6日の米雇用統計の悪化時は欧米の主要市場が休場であったため、週明け以降は改めて失望のドル安や株安・円高が加速される波乱リスクも消えていない。

さらに今週は10日から米国企業の決算発表が本格化する。

事前の決算警戒や実際の収益見通しの下振れリスクなどが、米国株の調整下落を後押しさせるリスクが残されている。

その中で9-10日には日銀の金融政策決定会合が迫ってきた。

欧州債務不安の再燃や米雇用統計の悪化などを大義名分として、追加緩和に踏み切る可能性もありそうだ。

結果の発表までは「緩和催促」の円高持続が警戒される反面、想定以上の緩和策が強化されたり、物価水準目標の引き上げがあると、サプライズの円全面安を招く。

もちろん、10日段階でリスク回避が一段と激化していると、日銀だけでの追加緩和だけでは不十分だ。

「規模への失望」や「材料出尽くし」により、円高が助長される波乱余地も完全には排除できない。

さらに今週は中国の政策対応も焦点となる。

9日の物価指標でインフレの落ち着きが確認されると、改めて預金準備率の引き下げ期待が浮上してくる。

過度な中国不安が一服してくると、豪ドルなどの資源国通貨の自律反発を支援。

同時に日米株にもプラス要因となり、リスク回避の円高に歯止めが掛かるシナリオも想定される。

同時に昨年までの「リスク回避の円高」とは異なり、現在は日本の経常黒字の急減、米国経済の緩やかな持ち直し、欧州での危機拡散防止に向けた防火壁の増強といった変化が見られ始めた。

日銀も円高・デフレの歯止めに本腰を入れつつある。

何よりこのまま円高・株安が激化すると、消費税の増税論議が完全に頓挫。

将来的な財政危機と日本売りの潜在マグマが増幅されるリスクをはらんでいる。

その意味で今週以降は過去2年に繰り返された「4-5月以降の円高長期化」リスクを警戒しつつも、中長期トレンドとしての円の戻り売り(外貨の押し目買い)や円の売り場探し(外貨の買い場探し)を見定める展開となりそうだ。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<9日・月>
08:50 日2月国際収支統計
(1月の赤字の反動で黒字回復。円高要因に)
10:30 中国3月消費者物価指数
(インフレの落ち着きが預金準備率の引き下げを支援。資源通貨高やリスク選好の円安にも)
14:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[10日まで]
(追加緩和催促の円高と実際の緩和警戒の円安との綱引き)
[豪州、香港]イースター・マンデーで休場
[欧州主要国]株式・債券市場はイースター・マンデーで休場

<10日・火>
07:00 バーナンキFRB議長、講演[ジョージア州ストーンマウンテン]
(雇用統計の悪化を受けて追加緩和を示唆ならドル安。過度な懸念を払拭なら株高・円安にも)
08:30 ポーゼン英中銀委員、講演[マサチューセッツ]
(追加緩和支持の急先鋒。緩和の必要性に関する発言がポンド安材料に)
09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[2日目、終了後直ちに結果公表]
(想定以上の緩和強化や物価目標の引き上げがあれば円安。失望や出尽くしの円高にも警戒感)
10:30 豪3月NAB企業景況感指数
(豪州の指標は低迷が相次ぐ。中国のPMI改善を受けた上振れのサプライズも)
19:00 主要国2月景気先行指数[OECD]
(世界景気の循環的な回復の度合いと持続性が焦点に)
25:30 フィッシャー・ダラス連銀総裁、講演
25:45 ロックハート・アトランタ連銀、総裁、講演
27:30 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁、講演
(雇用統計の悪化を受けた景気判断や追加緩和への考えが焦点)
時間未定
中国3月貿易収支
(3月のPMI指数は改善。輸出、輸入ともに反動回復ならリスク回避の円高を抑制)
米企業決算 アルコア、シェブロン
(決算発表の先頭バッター。中国減速などが重石も、一定の収益鈍化は織り込みも進む)

<11日・水>
07:00 NZ・1-3月期NZIER企業景況感
(中国減速などによる鈍化がNZドル下落の材料に)
08:50 日2月機械受注
(米国経済の復調などを受けた反動回復が焦点。株高・円安を左右)
10:30 豪2月住宅ローン約定件数、豪2月投資貸付
(2月の豪州指標は低迷が目立つ)
21:15 加3月住宅着工件数
(カナダ経済は資源高や米国景気の復調などが下支え。雇用指標も回復)
27:00 ベージュブック[地区連銀経済報告書]公表
(雇用統計の減速などによる慎重見通しがドル安要因。前向きな景気判断が目立つとサプライズ)

<12日・木>
07:30 NZ・3月ビジネスPMI
(欧州債務不安の一服や商品相場の上昇などが下支え)
10:30 豪3月雇用統計
(中国減速などが重石。先行き利下げ観測が豪ドルの上値を抑制)
18:00 ユーロ圏2月鉱工業生産
(前月までの改善の反動や資源高などが重石)
20:15 ダドリー・ニューヨーク連銀総裁、講演
(追加緩和支持派の急先鋒。雇用統計の悪化を受けて緩和姿勢を再強化も)
21:30 米新規失業保険申請件数
(改善傾向が持続なら、雇用統計の悪化を受けた悲観論が一服)
21:30 米2月貿易収支
(資源高や内需復調で輸入が増加。赤字の再拡大がドル安要因に)
21:30 米3月生産者物価指数
(資源高が上振れ要因。米国債金利の低下とドル安を制御も)

<13日・金>
11:00 中国1-3月期GDP、3月小売売上高、3月鉱工業生産
(減速警戒も一定の悪化は織り込みも進む。大幅悪化のリスクをはらむも緩和期待がリスク回避を抑制)
15:00 独3月消費者物価指数[確報]
17:30 英3月生産者物価指数
(資源高による物価の上昇が追加緩和の障害に)
21:30 米3月消費者物価指数
(資源高が上振れ要因。米国債金利の低下とドル安を制御も)
22:55 米4月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報]
(ガソリン高や雇用鈍化、米国株の頭打ちなどが下振れ要因に)
米決算 JPモルガン・チェース[20:00]
(緩やかな景気回復や住宅市場の下げ止まりなどがサポート材料)


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楽しく生きよう

円高どうにかして欲しい。
by 楽しく生きよう (2012-04-08 18:09) 

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