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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週5月7日-11日週の為替相場は、ドル安、ユーロ安、豪ドル安などの継続による円全面高と過熱調整による円安の行方をにらんだ展開となる。

前週は最終的に円が全面高。

米4月雇用統計の減速がドル安、欧州での6日フランス大統領選、ギリシャ総選挙への警戒感がユーロ安、豪州中銀による大幅利下げや景気見通しの下方修正が豪ドル安となる形で、ドル/円、クロス円で円全面高が進展した。

今週はまず6日の仏ギリシャでの選挙結果が焦点となる。

与党勢力の苦戦は織り込まれつつあり、7日の週明け早朝から一旦はユーロ続落や円高加速のリスクが警戒される反面、その後は「材料出尽くし」による短期的なユーロ反発や円全面安に振れる可能性もある。

さらに7日以降は日本で連休明けとなる。

大型連休中に先送りされたドル買いなどの外貨買い決済の集中が、外貨反発(円反落)要因として注視されそうだ。

加えて日本の大型連休中は、薄商いを狙う形で投機的な円買い仕掛けが加速された部門も少なくない。

通常取引が再開される今週以降は、ポジション調整やスピード調整の円売り戻し(外貨の買い戻し)も想定される。

もっとも欧州の政治不透明感や景気減速によるユーロ安、米国の雇用悪化や追加観測によるドル安、豪中銀の追加利下げ観測による豪ドル安などの外貨安圧力は根強い。

今週は欧米豪や中国などの経済指標や各国の政策対応に関するニュースをにらみつつ、調整的な円売り戻し(外貨買い戻し)と、ユーロやドル、豪ドルなどの旺盛な外貨戻り売り(円押し目買い)とのせめぎ合いが注目されそうだ。

テクニカルの日足・一目均衡表チャートでは、ドル/円、クロス円ともに5月末から6月上旬にかけて変化日を示す「雲のネジレ」が観測され始めた。

いずれも雲のネジレは、現状水準から外貨高・円安方向に位置している。

今後は5月末から6月上旬にかけて、雲のネジレとの乖離修正、あるいはネジレの上抜けトライの形で外貨が反発(円が反落)に転じるか。

あるいはこのままネジレの方向への外貨高トライは不発に終わり、最終的にネジレを下抜け通過していく形で外貨安・円高のトレンドが明確化されるか。

当面は今後のトレンドを左右する重要な分岐点に直面してきた。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<7日・月>
10:30 豪4月NAB企業景況感指数
10:30 豪3月住宅建設許可件数
10:30 豪4月求人広告件数
10:30 豪3月及び1-3月期小売売上高
(豪中銀は前週、景気見通しを下方修正。懸念ほど悪化しなければ、短期的な豪ドル買いも)
19:00 独3月製造業受注
(3月まではドイツの経済指標は底堅さ)
21:30 加3月住宅建設許可
(カナダ中銀は先行きの利上げを示唆。景気は緩やかな改善傾向)

<8日・火>
08:15 ラッカー・リッチモンド連銀総裁、講演[ノースカロライナ]
(米4月雇用統計の悪化により、改めてFRBの追加緩和が注目を集める)
10:30 豪3月貿易収支
(中国減速や豪ドル高要因で輸出減速。収支悪化が豪ドル安要因)
18:30 南ア1-3月期失業率
(雇用の悪化が南アフリカ・ランドの上値を抑制)
19:00 独3月鉱工業生産
(3月まではドイツの経済指標は底堅さ)
21:15 加4月住宅着工件数
(カナダ中銀は先行きの利上げを示唆。景気は緩やかな改善傾向)
21:30 ドラギECB総裁、講演[フランクフルト]
(6日の仏ギリシャ選挙を受けて市場混乱なら追加危機対応の示唆が焦点)

<9日・水>
14:00 IMFセミナー「世界経済と金融市場:今後の見通しと課題」
(世界経済への慎重見通しがリスク回避の円高要因。日本の財政赤字に警鐘なら円安)
15:00 独3月貿易収支/経常収支
(ユーロ安効果などで黒字傾向。為替需給面でユーロを下支え)
23:00 コチャラコタ・ミネアポリス連銀総裁、講演
23:45 ピアナルト・クリーブランド連銀総裁、講演
25:00 プロッサー・フィラデルフィア連銀総裁、連銀主催の会合で講演
(米4月雇用統計の悪化により、改めてFRBの追加緩和が注目を集める)

<10日・木>
08:50 日3月国際収支統計
(経常黒字の減少傾向が中長期スパンで円高を抑制)
10:30 豪4月雇用統計
((豪中銀は前週、景気見通しを下方修正。懸念ほど悪化しなければ、短期的な豪ドル買いも)
17:30 英3月鉱工業生産
(3月までは英国指標に底堅さも)
20:00 英中銀、政策金利発表
(焦点は今後の議事録。市場混乱なら緊急の追加緩和対応も)
21:30 米3月貿易収支
(資源高や消費回復などで輸入が増加。赤字再拡大がドルの上値を抑制)
21:30 米新規失業保険申請件数
(前週は4週ぶりに改善。雇用の踊り場減速の一服焦点)
22:30 バーナンキFRB議長、講演
(米4月雇用統計の悪化により、改めてFRBの追加緩和が注目を集める)

<11日・金>
10:30 中国4月消費者物価指数
(資源下落や景気減速でインフレは落ち着き。金融緩和期待がリスク回避を抑制)
14:30 中国4月小売売上高、4月鉱工業生産、1-4月固定資産投資
(過度な減速懸念は一服。資源国通貨やリスク回避の行方を左右)
17:30 英4月生産者物価指数
(追加緩和の有無を左右。資源高などで根強いインフレ圧力も)
21:30 加4月雇用統計
(米国の4月雇用統計は悪化。米国減速と乖離できるが焦点)
21:30 米4月生産者物価指数
(資源高の累積効果などで上振れも。米国債金利の低下とドル安を制御)
22:55 米5月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(資源下落や株価の高止まりなどが下支え要因。雇用減速は懸念材料)


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tjmizunoのアフィリサイト

こんにちは
ティージェイと言います。覚えていらっしゃいますか?
GW中なのでブログお休みしてるのですが、
友人の古川将隆氏からの興味深い音声対談の
無料プレゼントの情報がありましたのでお知らせに来ました。
興味があれば聞いて下さい。よろしくお願いします。

by tjmizunoのアフィリサイト (2012-05-06 14:30) 

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