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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週5月28日-6月1日週の為替相場は、根強い欧州不安や欧米中の減速懸念によるユーロ安や円全面高の持続と、いったんの悪材料の織り込みによる反動円安をにらんだ展開となる。

前週末25日はユーロ安が持続。

欧州での債務金融危機がスペインの自治州の資金調達難に波及しており、危機拡散への恐怖に拍車をかけた。

6月17日のギリシャ再選挙までは、予期せぬ悪材料によってリスク回避のユーロ安や円全面高が進む不安定さが警戒される。

さらに今週は米国で1日に5月の雇用統計やISM製造業景況指数が公表される。

最新5月指標はフィラデルフィア連銀製造業景況指数などが大幅悪化、ミシガン大学消費者信頼感指数などが予想を上回る改善となり、景況感が大きく分かれている。

改めて世界減速懸念を払拭させる「アンカー役」としての米国経済の打たれ強さが焦点になりそうだ。

米国に関しては前週、金融緩和を積極支持してきたインフレ寛容のハト派・ダドリーNY連銀総裁が追加緩和に消極姿勢を示し、小幅なドル高と米国債金利の上昇(債券価格は軟化)する場面があった。

FRBによる政策余地の払底を示す「お手上げ」が、リスク回避の株安・円高・対円以外のドル高を促すとの見方がある反面、「FRBは米国経済の緩やかな回復軌道入りに自信を深めている」という指摘もなされている。

実際に安全逃避や米国の減速懸念の中でも、米国の2年債金利は小幅な上昇、もしくは下げ渋りが目立ち始めた(債券価格は上げ渋り)。

中長期スパンでのドル/円でのドルの底固めをサポートする要因として注目されるだろう。

その他、日本に関しては消費税増税法案の国会審議迷走により、財政再建への疑心暗鬼が強まってきた。

突然の大幅格下げにより、単発的に債券安(金利は上昇)・円安と国債を大量保有する銀行株が急落するという波乱相場のリスクは排除できない。

テクニカルでドル/円は、21日移動平均線に上値を抑えられたドル戻り売りのトレンドが続いている。

その分だけ21日線を上抜けし、21日線の方向性が現在の下向きから上向き化に転じてくる局面が、短期的なドル高トレンドへの転換シグナルとなりそうだ。

その他、豪ドルやNZドル、南アフリカ・ランドなどの資源国通貨には、短期的な売られ過ぎ過熱の警戒感も高まってきた。

再度の下攻めオーバーシュートのリスクを警戒しつつも、自律調整による底入れのタイミングが焦点になってきた。


経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<28日・月>
09:00 スティーブンス豪中銀総裁、講演[シドニー]
(中国減速や欧州債務不安が豪州経済の重石に。8月にかけての利下げ示唆なら豪ドル安)
19:15 クノット・オランダ中銀総裁、講演[リスボン]
(債務危機の対処策焦点。ECBには資金供給や利下げの圧力)
[米]戦没者祈念日の祝日

<29日・火>
10:00 豪4月HIA新築住宅販売
(一定の減速は織り込まれる。懸念ほど悪化しなければ、調整の豪ドル買いも)
19:00 英5月CBI流通取引調査
(欧州債務危機や米中減速などが重石)
21:00 独5月消費者物価指数[速報]
(資源下落が物価抑制。ユーロ安や独雇用の改善で上振れなら調整のユーロ買い戻しも)
22:00 米3月及び1-3月期S&Pケースシラー住宅価格指数
(米国の住宅指標は改善傾向)
23:00 米5月消費者信頼感指数
(同じ5月のミシガン大学消費者信頼感指数は打たれ強さ。資源下落が下支え)
ポルトガル中銀、金融安定報告書を発表
(ギリシャ、スペインに続き、ポルトガルの債務金融不安もくすぶる)

<30日・水>
10:30 豪4月小売売上高
(一定の減速は織り込まれる。懸念ほど悪化しなければ、調整の豪ドル買いも)
16:00 ドラギECB総裁、欧州議会にシステミックリスク理事会の年次報告書を提出
(債務金融危機や預金流出の拡散に対する警戒感が続く)
17:30 英4月消費者信用残高、住宅証券融資残高、住宅ローン承認件数
(4月指標は英米欧ともに総じて低調)
18:00 ユーロ圏5月消費者信頼感[確報]、鉱工業信頼感、業況判断指数
(5月は債務金融危機の再燃が直撃。米中の減速や株安も景況マインドを圧迫)
21:30 加4月鉱工業製品価格、原料価格指数
(資源下落が物価を抑制。低下幅が限られると、改めて加中銀の利上げ支援)
23:00 米4月中古住宅販売成約指数
(米国の住宅指標は持ち直し。ただし、成約指数は前月の改善の反動減速が波乱)
26:30 タドリーNY連銀総裁、講演[NY]
(追加緩和支持派のインフレ・ハト派ながら、前週は緩和慎重姿勢がドル高材料に)

<31日・木>
08:50 日4月鉱工業生産[速報]
(米欧中の減速懸念を受けた予測指数の動向に注目が集まる。日本株を左右)
10:30 豪1-3月期民間設備投資、4月民間部門信用、4月住宅建設許可件数
(一定の減速は織り込まれる。懸念ほど悪化しなければ、調整の豪ドル買いも)
16:55 独5月雇用統計
(独雇用は一人勝ちの良好さ。それでも5月の独指標は減速が目立ち始める)
18:00 ユーロ圏5月消費者物価指数[速報]
(資源下落で落ち着きならECBの利下げを支援。ユーロの上値抑制)
21:15 米5月ADP雇用統計
(前月の減速の反動回復が見られるも、改善ペースは緩やか)
22:45 米5月シカゴ購買部協会景気指数
(5月指標は強弱分かれる。シカゴ拠点の自動車産業は打たれ強さ。資源下落も支援材料)

<1日・金>
10:00 中国5月製造業PMI
(HSBC調査の5月PMIは減速継続。景気刺激策の始動や資源下落が過度な下振れ抑制も)
16:55 独5月製造業PMI[確報]
17:00 ユーロ圏5月製造業PMI[確報]
(減速リスクも、速報ベースで一定の悪化は織り込まれる)
21:30 加3月及び1-3月期GDP
(1-3月まではカナダ指標に底堅さ)
21:30 米5月雇用統計
(前月の減速の反動回復が見られるも、改善ペースは緩やか)
21:30 米4月個人所得/個人支出
(4月の小売売上高は暖冬特需の反動で減速)
23:00 米5月ISM製造業景況指数
(相関性の高いフィラデルフィア連銀指数は大幅減速。資源下落が過度な下振れを抑制も)


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