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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週1月21日-25日週の為替相場は、円全面安のオーバーシュートとスピード調整の円高をにらんだ波乱含みの展開が想定される。

前週は円安傾向が持続。

国内外からの円安牽制やユーロ高懸念などで調整円高に振れる場面があったが、内閣官房参与で安倍晋三首相のブレーンとして知られる浜田宏一エール大学名誉教授が18日、「1ドル=110円までいくと問題かもしれないが、95-100円くらいでは問題がない」と発言したことや、21-22日の日銀政策会合での追加観測などから円安が再加速された。

その中で今週は日銀会合が焦点になる。

すでに物価2%目標や無制限緩和、当座預金残高の付利撤廃などについての協議に注目が集まっており、日銀が実際に期待に応えると円安・株高が再加速されやすい。

浜田氏の発言を受けて、ドル/円は95-100円方向までのドル高余地に安心感が生まれている。

一方でこうした施策の検討については、織り込みも進捗してきた。

結果が予想の範囲内であったり、少しでも失望を招くと単発的な調整円高を誘発させる。

同時に結果いかんにかかわらず、いったんの「材料出尽くし」による円買い戻しの波乱余地もはらむ。

その他の注目は米独の経済指標や米国企業の決算発表など。

指標は総じて改善が期待される反面、米決算はハイテクなどを中心に収益見通しの下方修正リスクが残る。

米国株の下落によるリスク回避の調整円高は厳然と警戒されるだろう。

さらには国内外からの円安牽制や、2月のイタリア議会選挙に向けた欧州債務危機の再燃、米国の債務上限問題、22日のイスラエル総選挙に端を発した中東緊張リスク、日本企業の3月決算対策の始動(海外収益の円転=リパトリエーション)なども、「落とし穴」的な円高材料として注視されるものだ。

もっとも今週は日本で24日に貿易統計、25日に消費者物価指数(CPI)が予定されている。

いずれも低迷が予想されており、ポジション調整やスピード調整の範囲を越えた円高・外貨安は抑制されそうだ。

日本については日銀会合でいったんの材料出尽くしとなっても、2-3月にかけては日銀の正副総裁人事が円の戻り売り(外貨の押し目買い)要因として残されている。

テクニカル面ではドル/円、クロス円ともに、5日移動平均線や9日線、12日線などの「上抜け」や、方向性の「上向き化」が続いている限りは、こうした節目ラインを下値メドとした外貨の押し目買い地合いが持続。

反対に完全に下抜けたり、方向性が下向きに転じてくると、21日線や25日線、45日線などの方向への調整下落(円高)が意識されそうだ。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<21日・月>
14:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[1日目]
(追加緩和期待の円安持続と、材料出尽くしや失望の円買い戻しにらむ)
17:00 スイス12月マネーサプライ
17:15 スイス7-9月期鉱工業生産
(マイナス金利の問題などでスイス・フランには戻り売り圧力)
 オバマ大統領就任式
(政権2期目がスタート。1期目の実質ドル安政策からの微妙な変化焦点)
 ユーロ圏財務相会合[ブリュッセル]
(新たな債務金融問題が浮上してくると、調整のユーロ安にも)
 [米国]キング牧師誕生日

<22日・火>
日銀政策委員会・金融政策決定会合[2日目]
(追加緩和期待の円安持続と、材料出尽くしや失望の円買い戻しにらむ)
19:00 ユーロ圏1月ZEW景況感指数
19:00 独1月ZEW景況感指数
(債務危機の小康や世界減速の一服などで改善の期待)
21:00 トルコ中銀、政策金利発表
(相対的な高金利の持続が同国の通貨を下支え)
22:30 加11月小売売上高
(11月時点では世界的に経済指標は低迷)
24:00 米12月中古住宅販売件数
(先行指標である販売成約指数は11月に3カ月連続の上昇)
イスラエル、総選挙
(極右勢力が躍進なら、先行きパレスチナやイラン関係での緊張リスク)
米企業決算=デュポン、テキサス・インスツルメンツ、IBM、グーグル、ジョンソン・エンド・ジョンソン
(これまでの決算発表は強弱混在。ただし、ハイテクは減速懸念が強まる)

<23日・水>
09:30 豪10-12月期消費者物価指数
(内外景気の減速や通貨高などで物価は落ち着き。追加利下げの思惑消えず)
18:30 英中銀、議事録公表[1月10日分]
(追加緩和支持票が減少ならポンドをサポート)
18:30 英12月雇用統計
(年末商戦向けの臨時雇用などが支援材料。欧州債務危機も一服)
23:00 米11月住宅価格指数
(米国の住宅指標は改善傾向。11月はハリケーン被害が撹乱要因)
24:00 カナダ中銀、政策金利発表
(先行きの利上げスタンス維持がカナダ・ドルを下支え)
24:00 IMF世界経済見通し[改訂版]
(下方修正に警戒も、前週の世界銀行見通しで下振れの織り込み進捗)
米企業決算=アップル、マクドナルド
(ハイテク減速やドル安一服などが重石。一方で悪材料の出尽くしも焦点)

<24日・木>
08:50 日12月貿易収支[通関統計]
(中国ショック一服が赤字拡大を抑制。ただし、赤字傾向の持続が円安傾向を支援)
10:45 中国1月HSBC製造業PMI[速報]
(中国景気は底入れの機運。回復の角度に注目が集まる)
17:30 独1月製造業/非製造業PMI[暫定値]
18:00 ユーロ圏1月製造業/非製造業/総合PMI[暫定値]
(債務危機の小康や世界減速の一服などで改善の期待)
22:30 米新規失業保険申請件数
(前週は改善。財政の崖回避やハリケーン復興需要などが失業減少に寄与)
24:00 米12月景気先行指数
(米国経済の先行きは緩やかな持ち直しの期待)
時間未定=南ア中銀、政策金利発表
(金利据え置きがランドの深押しを抑制)

<25日・金>
08:30 日12月全国消費者物価指数
(物価低迷が日銀の緩和継続の期待をつなぐ。長期スパンでの円の戻り売り要因)
18:00 独1月Ifo景気動向指数
(債務危機の小康や世界減速の一服などで改善の期待)
18:30 英10-12月期GDP[速報]
(前期の五輪特需の反動や昨年後半の世界減速などが重石)
24:00 米12月新築住宅販売件数
(12月の住宅着工は大幅改善。ただし、財政の崖懸念やハリケーン被害などが撹乱要因)



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コメント 1

uryyyyyy

mydreamtoday さん、こんばんは。

30000目Niceとお祝いコメントありがとうございました。

by uryyyyyy (2013-01-20 22:09) 

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