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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週1月28日-2月1日週の為替相場は、調整円高と円安オーバーシュートをにらんだ神経質な展開となる。

前週は調整円高の場面もあったが、最終的には円全面安が再開。

22日の日銀緩和を受けて、一旦は材料出尽くしや失望の円高場面があったほか、独英韓などからの円安批判も円買い戻しを後押しさせた。

しかし、日本の貿易赤字拡大が「為替誘導ではない、自然な需給円安」の流れを再加速させている。

さらには米独中などでの経済指標の改善、日本の政府要人による「1ドル=100円は問題ない」発言と外国からの円安誘導批判への反論、安倍首相による日銀への「物価2%達成への道筋明示」要請、欧州中銀(ECB)による3年物資金供給(LTORO)を受けてきた欧州の銀行の返済開始(ユーロ高)などが重なり、円全面安のトレンドが維持されている。

一方で前週末25日にはカナダや米国の財務省からも、間接的な円安牽制が見られ始めた。

日本の当局は市場介入で円安誘導しているわけではなく、あくまでデフレ脱却の自助努力で「円の過大評価」(IMF)を是正している段階であり、本格的に円安が国際問題になるのは尚早だ。

とはいえ政府・与党が中央銀行に圧力を強めていることや、急ピッチの円安スピード自体は、これまでのG7合意に抵触する部分がある。

日本はこれまで急ピッチの円高には、「急激な為替変動には断固対処する」と表明してきた経緯がある。

「為替は安定化が望ましい」とするG7合意を勘案すると、短期間での円安スピードが行き過ぎた場合には国内からも円安ピッチへの警戒発言が出てくる可能性がある。

もっとも2月中旬のG20会合にかけて、スピード調整とポジション調整の円高や、日柄調整によるレンジ横這い化のリスクはあっても、中長期スパンでは円安トレンドが固まってきた。

外部要因でも、今週は円安からドル高へとテーマが移りやすい。

29-30日の米FOMCで当面の金融政策の現状維持、あるいは先行きの量的緩和(QE)の縮小・停止に向けた地ならしが示唆されるとドルがサポートされる。

1日の米雇用統計についても、財政の崖回避などによって緩やかな改善が示される可能性が排除できない。

テクニカル面では、円安・株高に過熱警戒のシグナルが持続。

引き続き突発的な調整円高のリスクを警戒しつつ、ドル/円、クロス円ともに円の戻り売り(外貨の押し目買い)地合いの継続を見極める展開となりそうだ。

ただし、クロス円ではポンド、カナダ・ドル、南アフリカ・ランドに上値の重さや下落の圧力が見られている。

通貨間での勢いの違いや、各通貨間で順番に上昇と調整下落を繰り返す「セクター(通貨)ローテーション」の動向にも注意が必要だろう。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<28日・月>
22:30 米12月耐久財受注
(ISM製造業指数での新規受注は前月比で横這い。財政の崖懸念が重石)
24:00 米12月中古住宅販売成約指数
(前月は3カ月連続の改善で2010年4月以来の高水準。反動鈍化が波乱)
米企業決算=キャタピラー、ヤフー
(キャタピラーは中国底入れなどが支援材料。世界需要の見通しも焦点)

<29日・火>
06:45 NZ12月貿易収支
(世界減速の一服や資源下げ止まりが収支の改善に寄与も)
09:30 豪12月NAB企業景況感/信頼感指数
(中国経済に底入れ機運。資源価格も下落一服)
23:00 米11月S&Pケースシラー住宅価格指数
(米国の住宅指標は改善傾向)
24:00 米1月消費者信頼感指数
(1月は財政の崖回避が支援材料。給与減税終了の影響が撹乱要因)
米企業決算=ファイザー、フォード・モーター、アマゾン・ドット・コム、コーニング
(これまでは強弱混在も、ハイテク以外は総じて底堅さ)

<30日・水>
18:30 英12月消費者信用残高、住宅証券融資残高、住宅ローン承認件数
(英国経済は大雪などで3番底の低迷懸念)
19:00 ユーロ圏1月消費者信頼感[確報]、 1月鉱工業信頼感
(1月の欧州指標は改善傾向。債務金融危機も一服)
22:15 米1月ADP雇用統計
(週間の新規失業保険申請件数は5年ぶり低水準に改善。財政の崖回避も好影響)
27:00 バイトマン独連銀総裁、講演[ベルリン]
(前週は日本の円安誘導を批判)
28:15 FOMC、声明発表
(景気見通しでの悲観後退や、先行きの量的緩和縮小が示唆されるとドル高に)
ECB長期リファイナンスオペの資金返済開始
(ECBの実質的なバランスシート縮小や、独国債などの売りによる金利上昇がユーロ支援)
米企業決算=ボーイング、フェイスブック
(ボーイングは航空機事故の影響度合いに注目が集まる)

<31日・木>
05:00 ニュージーランド中銀、政策金利発表
(予想は現状維持。利上げ慎重姿勢や通貨高牽制が調整NZドル安のリスク)
08:50 日12月鉱工業生産[速報]
(中国ショックの反動や円高後退などが支援材料)
10:00 山口日銀副総裁、長崎市で講演
14:00 山口日銀副総裁、記者会見[長崎市]
(国内での緩和圧力と国外からの円安批判に対する現状スタンス焦点)
17:55 独1月雇用統計
(1月の景況感指数は改善傾向。世界減速の後退や債務危機一服が支援材料)
22:30 加12月鉱工業製品価格、原料価格指数
(前週は加中銀の利上げ姿勢後退や、消費者物価の落ち着きでカナダ・ドルが下落)
22:30 米12月個人所得/個人支出
(小売売上高は小幅に予想を上回る。財政の崖懸念が撹乱要因)
22:30 米新規失業保険申請件数
(前週は5年ぶり低水準に改善。改善持続と反動悪化の両にらみ)
23:45 米1月シカゴ購買部協会景気指数
(財政の崖回避や世界減速の後退などが支援材料)

<1日・金>
10:00 中国1月製造業PMI
10:45 中国1月HSBC製造業PMI[確報]
(HSBCのPMI速報は改善。世界減速の一服なども支援材料)
17:55 独1月製造業PMI[確報]
18:00 ユーロ圏1月製造業PMI[確報]
(速報は改善。一定の上振れへの織り込みは進む)
18:30 英1月製造業PMI
(世界的な景気底入れが支援材料。大雪などが下振れの撹乱要因)
22:30 米1月雇用統計
(週間の新規失業保険申請件数は5年ぶり低水準に改善。財政の崖回避も好影響)
23:55 米1月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(財政の崖回避が支援材料。給与減税の終了や資源下げ止まりなどは下振れの撹乱要因)
24:00 米1月ISM製造業景況指数
(財政の崖回避が支援材料。米国株の堅調さも景況マインドをサポート)



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コメント 1

macinu

円安続いておりますね~!!ダボス会議での安倍さん、甘利三発言で明日は上まどなんでしょうか?
by macinu (2013-01-27 20:59) 

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