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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週2月4日-8日週の為替相場は、中長期的な円安トレンドの持続と調整円高をにらんだ展開となる。

前週は1月からの「週前半に調整円高で週後半にかけて円安」というパターンが繰り返された。

前週末1日には米雇用統計の悪化でドル安や円高が進む場面があったが、過去2カ月分は上方修正されていたことや、ミシガン大学消費者信頼感指数とISM製造業景況指数が改善したことなどから、最終的には円が売り戻された(ドルなどの外貨が再上昇)。

さらに1日にはユーロも続伸。

欧州PMIの上方修正に加えて、中国の政府系ファンドから「欧州への投資をするには良い時期」との発言が報じられたことでユーロがサポートされている。

今週前半は過熱調整の円高、もしくは日柄調整によるレンジ横這い化が意識されやすい。

5日の豪州中銀会合では利下げの可能性もあり、短期調整的な豪ドル安のリスクが警戒されている。

7日の英欧中銀会合では、追加緩和の示唆や円安・ユーロ高の牽制リスクなども単発的な円高材料となり得る。

また、米国では1月からの給与減税の失効により、一部の指標では伸び悩みが見られる点も気になるところだ。

もっとも日本では中旬にかけて、日銀の正副総裁人事での「積極緩和派」内定という可能性が円安材料として残されている。

すでに安倍首相は2014年4月からの消費税増税について、「今年4月から6月にかけての経済状況を見て秋に判断する」と明言しており、増税の先送りによる財政危機を回避させるためにも、4-6月にかけては二の矢、三の矢の政策で円高・デフレの修正を持続させるという見方が強い。

何より7月には参院選が控えている。

ネジレ国会と決められない政治の解消、その後の長期安定政権のためにも、安倍政権は「参院選対策」として景気の回復に全力を注ぐと見られている。

その意味で、年央までは国策相場としての円安・株高が意識されやすい。

一方で相場格言に「節分天井」という言葉がある。

季節要因として、2月は円安(ドル高やユーロ高など)と株高の短期調整リスクも警戒される。

とくに昨年後半からはヘッジファンドなどの短期筋が11月決算の一段落で身軽になったあと、先行して円安・株高を仕掛けてきた。

2-3月の四半期決算に向けて、こうした先乗り組が一旦の利益確定やポジションの手仕舞いに動く可能性をはらむ。

イベント面でも、日銀幹部人事の内定後は一旦の「材料出尽くし」が注視されるほか、2月中旬にかけてはG20会合、日米首脳会談、米議会でのルー新財務長官の指名公聴会などで「万一の円安牽制リスク」が懸念される。

その他、2月は米議会での財政の崖問題の再燃(1月は2カ月の先送りで暫定合意)、イタリア議会選挙、欧州中銀(ECB)による3年物資金供給(LTRO)の第2回返済といった波乱材料も控えている。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<4日・月>
08:50 日1月マネタリーベース
(日銀の緩和強化で伸び続く。底流部分で円安を支援)
09:30 豪12月住宅建設許可件数
(12月は雇用指標などが悪化。まだ中国減速の影響が残る)
18:30 英1月建設業PMI
(欧州債務不安の後退や世界減速の一服などが下支え)
24:00 米12月製造業受注指数
(同じ12月の耐久財受注は予想を大きく上回る。財政の崖懸念が撹乱)

<5日・火>
06:45 NZ10-12月期平均時給、10-12月期民間賃金
(インフレの落ち着きが短期調整のNZドル下落材料にも)
09:30 豪12月貿易収支
(12月までは中国減速や資源下落の影響が残る。赤字方向の圧力)
10:45 中国1月HSBC非製造業PMI
(製造業指数は改善。2月春節向けの需要などがプラス要因)
12:30 豪中銀、政策金利発表
(一部では利下げ予想もあり、実際の利下げや先行きの利下げ示唆が豪ドル安波乱)
17:55 独1月非製造業PMI[確報]
18:00 ユーロ圏1月非製造業/総合PMI[確報]
(製造業指数は上方修正。債務金融危機の一服などがリバウンドを支援)
18:30 英1月非製造業PMI
(欧州債務不安の後退や世界減速の一服などが下支え)
24:00 米1月ISM非製造業総合指数
(前月は10カ月ぶり高水準。改善続くも反動調整的な頭打ちは警戒)

<6日・水>
09:30 豪12月小売売上高
(12月は雇用指標などが悪化。まだ中国減速の影響が残る)
10:30 佐藤日銀審議委員、講演[前橋市]
14:00 佐藤日銀審議委員、記者会見[前橋市]
(物価2%には反対票。一方で緩和支持派でもあり,追加対応の示唆焦点)
20:00 独12月製造業受注
(12月までは欧州製造業指標は伸び悩み)
24:00 加1月Ivey購買部協会指数
(米中などの回復や資源下げ止まりが支援材料)

<7日・木>
06:45 NZ10-12月期雇用統計
(10-12月期は世界的に景気が鈍化)
08:50 日12月機械受注
(中国ショックの反動などが支援材料。先行きの輸出復調の参考に)
09:30 豪1月雇用統計
(12月は悪化。中国の景気底入れなどによる反動回復が焦点)
15:00 IMFセミナー[東京、中尾武彦財務官らが出席]
(円安批判への反論焦点。円安ピッチへの牽制があると調整円高)
18:30 英12月鉱工業生産
(12月までは英国の指標低迷)
18:45 カーニー次期BOE総裁、議会証言
(GDP目標などの追加緩和が示唆されるとポンド安に)
21:45 欧州中銀、政策金利発表
22:30 ドラギECB総裁、記者会見
(景気回復への自信が示されるとユーロ支援。ユーロ高や円安の牽制は波乱)
22:30 米新規失業保険申請件数
(前週の悪化の反動回復=申請減少が焦点に)

<8日・金>
08:50 日12月国際収支統計
(経常黒字の減少が中長期的な円安をサポート)
14:00 日1月景気ウォッチャー調査
(景況マインド改善ならリスク選好の円安・株高を支援)
14:30 中国1月消費者物価指数
(豚肉など食品価格の上昇が撹乱要因。上振れなら調整的なリスク回避に)
22:30 加1月雇用統計
(カナダ中銀は最新会合で景気に慎重姿勢。ただし、1月は世界的に景気が回復傾向)
22:30 米12月貿易収支
(資源下落が輸入抑制。赤字の再拡大が一服でドルを下支えも)
時間未定 中国1月貿易収支
(輸出は外需、輸入は内需の動向を示す。内外需ともに回復ならリスク選好を後押し)
 EU首脳会議[ブリュッセル、最終日]
(欧州債務金融危機の後退が示されるか、新たな火種が出てくるかを見極め)



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