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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週2月11日-15日週の為替相場は、調整円高の持続性と中長期スパンでの円の戻り売り(外貨の押し目買い)地合いを見極める展開となる。

前週は週前半に円安が加速されたあとは、週後半にかけて調整円高が進んだ。

円高の材料としては、スペイン、イタリアでの政治不安、7日ECB理事会での欧州景気への慎重見通しや間接的なユーロ高牽制などを受けたユーロ安が影響した。

さらには豪州の指標鈍化や豪州中銀の先行き利下げ示唆が豪ドル安、カナダの雇用指標悪化がカナダ・ドル安へと作用。

中国の高成長終焉などを受けて、こうした資源国通貨の上昇余地には疑心暗鬼が生じつつある。

その中で8日夕方には麻生財務相が「我々の意図しないぐらいに1ドル=78-79円だったのが、いきなり90円になった」と発言。

今週からアジアの主要市場が旧正月の連休に入ることもあり、ポジション調整やスピード調整の円買い戻しを後押しさせた。

今週もユーロ安などが主導する形での「価格調整」の円高、あるいは「日柄調整」によるレンジ横這い化が意識されやすい。

欧州では24-25日にイタリアで議会選挙が予定されており、それまでは政治不安が厳然と警戒される。

さらに円高材料としては、13-14日の日銀政策会合での景気判断上方修正と政策の現状維持、13日のルー次期米財務長官の指名公聴会と週末G20会合での「万一の円安牽制」リスク、米国の指標の給与減税失効などに伴う伸び悩みなどが注視されそうだ。

季節要因として、15日前後には米国債のクーポン利払いと満期償還が集中することも、思惑先行で円高やドル安の材料となりやすい。

その他、日本では日銀の正副総裁を巡る国会同意人事について、公取委委員長の人事を巡る与野党対立の余波で難航懸念が浮上してきた。

すでに前週の白川総裁の前倒し辞任を受けて、後任人事や金融緩和の「前倒し強化」を期待とした円安は織り込みが進んできただけに、反動的な失望円高リスクをはらむ。

もっとも8日には日本の経常収支で赤字化が示されており、為替需給面を反映した自然な円安のエネルギーは根強い。

米国株の1月までの高騰は米国景気の回復を先取りした「先行指標」でもあり、中長期スパンでは円の戻り売りやドルの押し目買いの地合いが持続しそうだ。

さらに欧州の政治不安や海外からの円安牽制リスク、日銀人事難航懸念などいついても、短期的に調整円高の材料として消化されたあとは、先行き「材料出尽くし」による円安再開を促すカウンター・リスクが残されている。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<11日・月>
09:30 豪12月住宅ローン約定件数、豪12月投資貸付
(中国減速の余波などで12月指標は総じて低迷)
16:45 仏12月鉱工業生産指数
(12月までは欧州の指標低調)
20:00 OECD12月景気先行指数
(世界景気の底入れを再確認へ。海外勢の日本株投資「持続」支援)
ユーロ圏財務相会合[ブリュッセル]
(政策対応の足並みの乱れには神経質)
[中国、香港、シンガポール、韓国、台湾]旧正月
(日本も休場であり、アジア時間は閑散に。薄商い時の仕掛けは警戒)

<12日・火>
09:30 豪1月NAB企業景況感指数、企業信頼感指数
(中国底入れなどが下支え。ただし、豪州の指標は伸び悩み傾向)
18:30 英1月消費者物価指数
(資源下げ止まりや公共料金の値上げなどで高止まり。ポンドを下支え)
19:00 ジョルダン・スイス中銀総裁、講演[ジュネーブ]
(ユーロ安の再燃リスクの中で通貨高阻止を堅持も。円安への警戒も焦点)
米大統領一般教書演説
(日中問題などで間接的な日本支持が見られると、一定の円安是認を想起)
EU財務相会合[ブリュッセル]
(政策対応の足並みの乱れには神経質)
[中国、香港、シンガポール、台湾]旧正月

<13日・水>
14:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[14日まで]
(景気判断の上方修正や現状維持の見通しが調整円高のリスク)
19:00 ユーロ圏12月鉱工業生産
(12月までの欧州指標は低調)
19:30 英中銀、四半期インフレ報告
(インフレ高止まりの見通しがポンドを下支え。ただし、景気には慎重判断も)
22:30 米1月小売売上高
(1月の既存店売上高は予想を上回る。ただし、1月からの給与減税失効は圧迫要因)
ルー米次期財務長官の指名公聴会
(公聴会の前段階から「万一の円安言及リスク」が調整円高にも。現状黙認なら円安に)
米企業決算 シスコシステムズ、アプライド・マテリアルズ、メットライフ
(ハイテクは踊り場調整の懸念が強い。失望なら米国株の過熱調整材料に)

<14日・木>
06:45 NZ1月食品価格指数
(資源下げ止まりなどで下落一服も。NZドルをサポート)
08:50 日10-12月期GDP[一次速報]
(エコカー補助の剥落や中国摩擦、復興需要の息切れなどで低迷。調整の円高を抑制)
09:00 日銀政策委員会・金融政策決定会合[終了後直ちに結果公表]
15:30 白川日銀総裁、記者会見
(景気判断の上方修正や現状維持の見通しが調整円高のリスク)
15:30 仏10-12月期GDP[速報]
16:00 独10-12月期GDP[速報]
17:00 伊10-12月期GDP[速報]
19:00 ユーロ圏10-12月期GDP[速報]
(10-12月期は世界的に景気低迷。調整ユーロ安を後押しのリスク)
22:30 米新規失業保険申請件数
(給与減税の失効などで回復ペースが鈍化)
[中国、台湾]旧正月

<15日・金>
06:45 NZ10-12月期小売売上高指数
(10-12月は世界的に景気が減速)
18:30 英1月小売売上高
(年末商戦の反動剥落や公共料金の値上げなどが悪材料に)
22:30 米2月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(財政の崖回避や株高、世界減速の一服などが支援材料)
23:00 加1月中古住宅販売件数
(1月の雇用指標は悪化。中銀も先行きの景気に慎重見通し)
23:15 米1月鉱工業生産
(ISM景況指数の生産は改善。自動車の勢い鈍化や航空機トラブルなどが懸念材料)
23:55 米2月ミシガン大学消費者信頼感指数[速報]
(財政の崖回避や株高などが支援材料。給与減税の失効の影響は撹乱要因)
 20カ国・地域[G20]財務相・中銀総裁会議[モスクワ、16日まで]
(会合の前段階から「万一の円安牽制リスク」が調整円高にも。批判限定なら円安に)
[中国、台湾]旧正月



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