SSブログ

今週の為替相場展望 [為替情報]

今週2月25日-3月1日週の為替相場は、調整円高の深さの度合いと中長期スパンでの円の戻り売り(外貨の押し目買い)地合いの継続をにらんだ展開となる。

前週はドル/円、クロス円ともに円高が進展。

欧米の指標鈍化や中国での不動産規制などがリスク回避の円高材料となった。

同時にイタリア議会選挙への懸念や欧州中銀(ECB)の3年物資金供給(LTOR)に対する民間金融機関の第2回返済が予想を下回ったことがユーロ安、英国中銀の追加緩和観測と英格下げがポンド安材料となっている。

加えて中国の「不動産バブル抑制」と「景気刺激策」のジレンマ確認や、米FRBによる債券買い入れプログラム(量的緩和=QE)の縮小見通しが、リスク選好による商品相場の上昇にブレーキを掛けている。

前週には海外の商品系ファンドに破綻とポジション清算の噂も浮上。

資源バブルの過熱調整が豪ドル、NZドル、カナダ・ドルなどの資源国通貨のマイナス要因となるほか、海外投機筋によるポジション手仕舞いとリスクテイク抑制の余波が株安・円高の波乱要因として警戒されやすい。

今週のイベントとしては、24-25日のイタリア議会選挙が警戒される。

財政緊縮に反対する前首相派が躍進するとユーロ安やリスク回避の円高、予想ほど伸びなければ「材料出尽くし」とあいまって、ユーロ高や円全面安を招く可能性をはらむ。

その他、今週は欧米中で重要指標が山積だ。

世界的に昨年後半にかけての景気減速と年初からの反動リバウンドを経て、回復ペースが鈍化してきた。

昨年11月からの円全面安のスピード調整やポジション調整による円買い圧力とあいまって、各種指標に一喜一憂の不安定さが続く。

さらに米国では26-27日にバーナンキFRB議長の議会証言が控えている。

前週には1月FOMC議事録で債券買い入れの縮小意見が確認され、対円以外でのドル高や株安・資源安によるリスク回避の円高を招く場面が見られた。

改めて先行きの緩和縮小が示唆されると、対円以外でのドル高、ドル/円は横這い、クロス円では円高という展開が意識されやすい。

もっとも米国では失業率が高止まりするなど、景気回復の度合い自体は脆弱だ。

バーナンキ氏が改めて超金融緩和の継続を強調すると、ドルは頭打ちとなる一方、リスク選好の流れが円の戻り売り(外貨の押し目買い)をサポートする余地も残されている。

その他、日本では日銀の正副総裁人事が大詰めを迎える。

基本的には国会で補正予算案が成立する27日以降の国会提示が予想されているが、ここに来て与党少数の参院でキャスティング・ボードを握るみんなの党への配慮などにより、「最低でも副総裁に積極緩和派の経済学者が登用される」という見通しが高まってきた。

具体的には岩田規久男学習院大学教授や、伊藤隆敏東京大学大学院教授などが有力候補となっている。

両氏ともに円安・株高にはプラスとなりやすい。

また、総裁に関しても、海外からの円安批判に対する反論説明の重要さにより、国内派の武藤敏郎元財務次官(前日銀副総裁)の可能性が後退。

武藤氏は総裁候補の中でも「最も緩和的でない」と見なされており、武藤氏以外の黒田東彦アジア開発銀行総裁(元財務省財務官)などが総裁となれば、中長期スパンでの円安・株高をサポートすると見られている。



経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<25日・月>
10:45 中国2月HSBC製造業PMI
(中国経済は底入れも回復ペースは緩やか。春節の長期連休が好悪両サイドのリスク)
22:30 米1月シカゴ連銀全米活動指数
24:30 米2月ダラス連銀製造業活動指数
(1-2月の米国指標は強弱が入り混じる)
24:30 バイトマン独連銀総裁、講演[パリ]
(インフレ警戒のタカ派。ユーロ高是認や危機対応の解除示唆がユーロ支援も)
26:15 カーニー・カナダ連銀総裁、講演[ロンドン]
(カナダ中銀は利上げ姿勢を後退させる。景気警戒ならカナダ・ドルを圧迫)
イタリア総選挙[25日まで]
(緊縮財政反対の前首相派が健闘ならユーロ安。伸びなければユーロ高の波乱材料)

<26日・火>
11:00 NZ1-3月期RBNZインフレ期待
(1-3月からは景気が持ち直し。上昇ならNZドルをサポート)
19:00 英中銀のビーン、 タッカー副総裁、マカファティー、マイルズ委員、講演[ロンドン]
(追加緩和の示唆がポンド圧迫。インフレ警戒で緩和慎重発言があればポンド自律反発)
23:00 米12月及び10-12月S&Pケースシラー住宅価格指数
23:00 米12月及び10-12月期住宅価格指数
(12月までは住宅改善が持続。当時の財政の崖への警戒が下振れ波乱)
24:00 米2月消費者信頼感指数
(給与減税の失効やガソリン上昇がマイナス要因。雇用回復が過度な下振れを抑制)
24:00 米1月新築住宅販売件数
(給与減税の失効などで住宅指標は伸び悩み傾向)
24:00 バーナンキFRB議長、上院銀行委員会で証言
(債券買入の縮小示唆ならドル高。緩和継続を強調ならドル安。景気判断も焦点)
米企業決算 ホーム・デポ
(住宅市場は回復ペースが鈍化。収益の見通しに注目が集まる)

<27日・水>
06:45 NZ1月貿易収支
(世界景気の回復などで収支改善も。NZドルを下支え)
18:30 英10-12月期GDP[改定値]
(英国経済は成長が足踏み。ただし、一定の悪化は織り込まれる)
19:00 ユーロ圏2月消費者信頼感[確報]、鉱工業信頼感、サービス業信頼感
(欧州の2月指標は強弱混在。サービス関連は低迷)
22:30 米1月耐久財受注
(前月までの改善の反動悪化に警戒。ボーイングの事故を受けた関連受注の減少も波乱)
24:00 米1月中古住宅販売成約指数
(給与減税の失効がマイナス要因。前月までの横這いの反動回復の余地も)
26:30 ドラギECB総裁講演[ミュンヘン]
(景気慎重見通しがユーロを圧迫。ただし、ユーロの水準自体は適正発言が見られる)

<28日・木>
06:45 NZ1月住宅建設許可
(世界景気の持ち直しが支援材料)
08:50 日1月鉱工業生産[速報]
(輸出に持ち直しの兆候があると円安を抑制)
09:30 豪1月民間部門信用
09:30 豪10-12月期民間設備投資
(1月指標は改善傾向も10-12月指標は総じて低迷)
17:00 コンスタンシオECB副総裁、講演[ブリュッセル]
17:30 アルムニア欧州委員、プラートECB理事、モンティ伊首相、講演[ブリュッセル]
(景気判断、追加緩和の有無、ユーロ水準への判断などに一喜一憂)
17:55 独2月雇用統計
(ドイツのZEWやIFOなどの最新2月景況感調査は改善の傾向)
22:30 加1月鉱工業製品価格、加1月原料価格指数
(カナダ中銀は利上げ姿勢を後退。物価低迷を確認ならカナダ・ドルを圧迫)
22:30 米新規失業保険申請件数
(米国の雇用は一進一退ながらも回復傾向)
22:30 米10-12月期GDP[改定値]
(速報は国防支出と在庫投資の減少で悪化。テクニカルな上方修正も)
23:45 米2月シカゴ購買部協会景気指数
(給与減税の失効や資源反発などが悪材料。ただ、NY連銀の景気指数は2月に改善)

<1日・金>
08:30 日1月全国消費者物価指数
(円安などによる物価下げ止まり焦点。低迷持続なら日銀の追加緩和期待で円安に)
10:00 中国2月製造業PMI
10:45 中国2月HSBC製造業PMI
(中国経済は底入れも回復ペースは緩やか。春節の長期連休が好悪両サイドのリスク)
17:45 伊2月製造業PMI
17:50 仏2月製造業PMI[確報]
17:55 独2月製造業PMI[確報]
18:00 ユーロ圏2月製造業PMI[確報]
(2月の欧州指標は強弱混在。ユーロ高がマイナス要因に)
18:30 英2月製造業PMI
(英国経済は成長が足踏み。ただし、一定の悪化は織り込まれる)
22:30 加12月及び10-12月期GDP
(10-12月は世界的に景気が低迷)
22:30 米1月個人所得/個人支出
(小売売上高は底堅さ。給与減税の失効が下振れ波乱のリスク)
23:55 米2月ミシガン大学消費者信頼感指数[確報]
(給与減税の失効やガソリン上昇がマイナス要因。雇用回復が過度な下振れを抑制)
24:00 米2月ISM製造業景況指数
(給与減税の失効や資源反発などが悪材料。ただ、NY連銀の景気指数は2月に改善)
24:00 米1月建設支出
(住宅市場は回復ペースに踊り場的な伸びの鈍化が見られ始める)



nice!(37)  コメント(1)  トラックバック(0) 
共通テーマ:マネー

nice! 37

コメント 1

macinu

日米首脳会談終わりましたね~!この共同声明で明日は上窓が開くのでしょうか?
by macinu (2013-02-24 12:22) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0

日本株週間展望異例の高騰 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。