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今週の為替相場展望 [為替情報]

今週4月15日-19日週の為替相場は、調整円高の値幅・期間をにらみつつ、中長期スパンでの円安トレンドの持続性を意識した展開となる。

前週にドル/円は100円超えトライが続いたが、最終的にはいったんの失敗となった。

前週末の米国の小売売上高、ミシガン大学消費者信頼感指数が市場予想を下回ったほか、米国の財務省為替報告書で「日本の政策が内需の支援を意図したものか緊密に注視」、「日本は競争的な通貨価値引き下げを控えるべき」といった牽制が見られ、過熱調整の円全面高を招いている。

毎週の週明けパターンとして、月曜早朝のオセアニア市場からは前週の反対売買的な円買い仕掛けが警戒されそうだ。

さらに今週は18日以降にG20会合やIMF総会などの国際会議が控えている。

海外要人からの日銀の異次元緩和に対する批判や円安牽制のリスクが、調整円高の材料として意識されやすい。

テクニカルでもドル/円、クロス円は、5日から前週の週明け8日にかけて値が飛ぶ形で円が急落(外貨が急騰)。

微妙なギャップ(隙間)の存在を指摘する向きもある。

短期的な過熱調整として、そのギャップを埋めに行く「窓埋め」の円高・外貨安の波乱リスクは排除できない。

さらに米国では経済指標の強弱混在が続く中で、今週も各種指標や17日の地区連銀経済報告、企業決算の発表に一喜一憂の展開となる。

米国では1月からの給与減税失効や歳出削減、ドル高などが成長ペースを鈍化させており、それぞれ悪い内容が見られるとドル安や米国株の下落によるリスク回避の調整円高を助長させるリスクをはらむ。

季節パターンとしても為替相場は過去3年、4-5月を転機に円高が加速されるジンクスが繰り返されてきた。

米国株も歴史的な実績として「4月高値・5月から株安」というケースが目立っており、今年は影響は軽微ながらも、短期調整的な日米の株安と円高の期間と度合いにナーバスとなる。

また、海外ヘッジファンドなどの5月決算や6月決算が迫る中で、前週後半には金相場で利益確定やポジション手仕舞いが加速された。

海外短期筋による昨秋以降の円売り・日本株買という投資戦略にも、同様の決算対応リスクが警戒されるだろう。

もっとも中長期スパンでは、日銀による「2年でマネタリーベース2倍増」という異次元緩和もあり、円安トレンドの持続見通しが強根強い。

ドル/円やユーロ/円では、生保などの国内機関投資家が年度明け新規の外債投資をにらみ、「外貨が下がれば買い」という押し目買いスタンスを強めている。

日本の貿易赤字の長期化もまた、過去3年のような4-5月からの円高加速の再現リスクを抑制しそうだ。

材料面では今週末のG20やIMF総会などで円安批判が激化しなければ、「材料の出尽くし」に作用。

日本の5月連休前後での円高波乱の再現に警戒しつつも、ドル/円、クロス円ともに外貨の下げ止まりと新たなレンジ修正への基盤固めを見極める展開が想定される。


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経済指標・イベント解説(時間は全て日本時間。予定・未定を含む)

<15日・月>
09:30 黒田日銀総裁、挨拶要旨公表
(内容は織り込み済みながら、米国の微妙な円安牽制に対する反応焦点)
11:00 中国1-3月期GDP、3月小売売上高、3月鉱工業生産
(中国経済は短期的な底入れも、回復ペースは緩やか)
15:15 麻生財務相、黒田日銀総裁が第88回信託大会で挨拶
(内容は織り込み済みながら、米国の微妙な円安牽制に対する反応焦点)
21:30 米4月ニューヨーク連銀製造業景況指数
(株高が景況心理を下支え。歳出削減や資源反発、ドル高などが伸びを抑制)
23:00 米4月NAHB住宅市場指数
(住宅市場の改善続くも、雇用鈍化やローン金利低下の一服で足踏み警戒)

<16日・火>
17:30 英3月消費者物価指数
(資源上昇などで高止まりも。早期緩和の障害でポンド下支え)
18:00 独4月ZEW景況感指数
(キプロス不安などが重石も、ユーロ安や世界回復などで改善期待)
20:00 トルコ中銀、政策金利発表
(前週は格上げ観測などでリラ上昇の場面も。調整下落に神経質な地合い)
21:30 米3月住宅着工件数
(前月に先行指標の許可件数は大幅な増加。雇用減速は下振れの懸念材料)
22:15 米3月鉱工業生産
(ISM製造業景況指数の「生産」は3月に大幅悪化。歳出削減やドル高などが重石)
28:00 イエレンFRB副議長、IMF主催の金融政策に関する討論会で司会[ワシントン]
(緩和積極派ながら4日には資産買入のペース調整を示唆。出口戦略に言及ならドル高)

<17日・水>
07:45 NZ1-3月期消費者物価指数
(1-3月は内外の景気回復や資源高などで物価下げ止まり。NZドルを下支え)
17:30 英中銀議事録[4月4日分]公表
(緩和支持票の増加思惑が事前のポンド安材料。前回と同じなら材料出尽くしでポンド高)
17:30 英3月雇用統計
(米国に続く伸びの鈍化に警戒)
23:00 カナダ中銀、政策金利発表
(前回は利上げ姿勢の後退がカナダ・ドル安要因に。最近の指標も低調)
27:00 地区連銀経済報告[ベージュブック]
(雇用統計の悪化など、歳出削減の影響を懸念ならドル安材料にも)

<18日・木>
08:50 日3月貿易収支[通関統計]
(貿易赤字の持続が円高抑制。少しでも赤字縮小なら、短期的な調整円高にも)
17:30 英3月小売売上高
(欧州の景気伸び悩みなどが重石。イースターは米国の3月小売統計にプラスとならず)
21:30 米新規失業保険申請件数
23:00 米4月フィラデルフィア連銀景況指数
(株高が景況心理を下支え。歳出削減や資源反発、ドル高などが伸びを抑制)
20カ国・地域[G20]財務相・中央銀行総裁会議[19日まで、ワシントン]
(日銀の異次元緩和や円安への牽制リスクが、調整円高の材料にも)

<19日・金>
21:30 加3月消費者物価指数
(資源反発などで物価の低下に歯止めも。カナダ・ドルを下支え)
20カ国・地域[G20]財務相・中央銀行総裁会議[最終日、ワシントン]
世界銀行・IMF春季会合[21日まで、ワシントン]
(日銀の異次元緩和や円安への牽制リスクに警戒。批判限定なら材料出尽くしで円安)


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