SSブログ

1年の投資設計をしてみましょう [投資の心得]

「1年の計は元旦にあり」という古い言葉があります。

いまや死語になっているのかもしれませんが、そのような話を耳にすることも少なくなりました。

しかし、正月に今年こそ投資成果を挙げて、資産の積み上げを図ろうと考え、そのために1年の投資に関する自分なりの設計図を描いてみることも必要なように思います。

新年の1年間の株式投資に関する様々な材料を分析して、何をどのようなタイミングで狙っていったらよいか、どの株価水準で何を買うかといった投資スケジュールを描いてみるのも楽しいことではないでしょうか。

正月休みに対応して投資雑誌、証券レポートも新年のマーケットの見通しについて各社各様の見通しを掲げています。

これにゆっくり目を通して、これを参考に自分なりの相場のパターンを設計してみる。

また、銘柄については最新号の日経会社情報や会社四季報を丹念に熟読して自分なりの注目株を選定していく。

こうしたことで自分の設計図を描くことが、結果として投資成果につながることが多いものです。

普段は忙しくて、こうしたことができない人も正月休みにはできるはずです。

2012年中に預貯金の満期がどのようにやってくるか、余裕資金がどのように生まれてくるか、これをどのように貯蓄し、消費に回すかといったことを想定し、予定表を作成するのが1年の計ということになりますが、この貯蓄の部分のどの程度を株式に投資するか、投資資金の発生時期とマーケットの状況を考えて、その資金を何時株式に投資するかといったことを、正月休みの課題にしてください。

何の計画やシナリオもなしに投資を行うことに比べれば、間違いなく計画的な資産作りだといえます。



情報源を大切にするための心得 [投資の心得]

毎年12月は年賀状を送る季節となります。

1年間お世話になった方に感謝の気持ちを込めて、またその年はやや疎遠にした方には新年も従来と変わらない支援を御願いする気持ちで送るのが年賀状、単なる儀礼的なものであってはならないと思います。

なぜ、こんなことを冒頭から語るかといえば、株式投資においても友人を数多く持つことが大切だからです。

友人を多く持つということは、それだけ投資の参考になる情報も多くなることを意味します。

友人との単なる語らいのなかに、思わぬ投資情報が潜んでいることがあります。

友人の話にヒントを得て、思わぬ成果につながったという話を耳にすることが多いのです。

私の知り合いが2001年に海外に夫婦で旅行した時、同じツアーで医師夫妻と一緒になり、異国で何度か食事を共にするうちに親しくなったそうです。

成人病で話が弾んだ時、血圧は自分で定期的に測ることが大切だという話になったそうです。

血圧はTPOでかなりの違いがあるためだそうです。

この話のなかで簡易血圧計メーカーの日本コーリンと仕事がら付き合いがあるが、あの会社は伸びると思いますよと語ったそうです。

友人は帰国してから業績などを調べて投資した結果、成果を挙げたということです。

話を聞き流すことなく、これをヒントにして投資成果に結びつけたのは立派だといえます。

このようにヒントは様々な機会に得られるわけですが、ともすると重要な情報源である友人から些細なことで、情報を得られなくなる人もいます。

情報を生かして投資するか、あるいは見送るかを決断するのは自分です。

ところが、この情報で投資してもなかなか動かないこともあるわけです。

このような時に情報をくれた人に、あの話はどうなっていると、頻繁に質問する人が少なくありません。

情報をくれた人も、株価が上昇するかどうかは分からないで話しているだけですから、質問されても困るわけです。

こんなことが繰り返され、挙句の果てには泣き言まで言われるようになれば、情報源の人は何も話さない方がよかったという気持ちになり、その後は話す機会があっても当り障りのない話だけになってしまいます。

これで大切な情報源を失うことになります。

情報源の情報はあくまでもヒントです。

これで投資行動を起こした成果を情報源に求めてはいけないのです。

失敗しても文句はいわず、投資したことさえ語らない。

ただ、成功した時はお蔭様で儲かったと感謝の言葉をかける。

そうすれば、情報源の人は気軽に様々なヒントを与えてくることになります。

情報をくれた人に結果はどうあれ、嫌気をさすような言動を慎むことが、逆に情報が黙っていても入ってくることにつながるのです。

情報源は大切にしなければなりません。

そして、できるだけ増やしていかなければなりません。

これが株式投資で成功する重要な秘訣なのです。

もちろんヒントを貰っても、これを咀嚼して生かす力がなければどうにもなりません。

自分の感性を磨く努力が必要なことはいうまでもないことです。



信用リスクの増大に対処するには [投資の心得]

「株は安い時に買って高くなったら売る」が基本といいますが、株価の安い企業はそれだけの信用リスクがあるということです。

万が一にも破綻をきたす可能性があるのは避けようとして、投資家も手が出せない状況にあることを示しています。

安値買いが「安物買いの銭失い」になる可能性を感じているといえます。

通常でしたら極度の安値に落ち込んだ銘柄は、倒産の危険性さえなければ、美味しい投資対象になる場合もあります。

変化率は低位の株ほど大きくなりがちのためです。

信用リスクの危険性さえなければ、不安心理だけで売り込まれた安値水準は買い場になるものです。

しかし、信用リスクの有無の見分け方は容易ではありません。

単に借金過多というだけで信用リスクが高いとは言い切れません。

借金過多でも業績が好調に伸びていれば、それが不良債権になる懸念はないわけで、銀行が手を引くということにはならないからです。

参考になるのは長期債務格付けです。格付けは将来に向けての支払能力を示すもので、信用リスクを反映しているからです。

格付けがBBB以上でしたら、一応、深刻な問題はないと考えて良いでしょう。

BBB以上で安値に落ち込んでいる銘柄なら、美味しい投資対象になる可能性もあると考えてよいでしょう。

格付けは新聞などで調べることができます。

ただ、格付けがない銘柄もあり、これについては業績が基本になります。

過去数年にわたって赤字が続いているとか、債務超過(貸借対処表の資本勘定がマイナス)だとか、累積赤字があって、これがなかなか減らないといったような企業は懸念を抱えているとみることが必要でしょう。

こうした状況は市販の出版物で調べることができます。

もっとも、格付けにしても、業績動向や財務内容にしても、すでに株価に反映されているケースが多いわけです。

しかも、最近はよもやと思うような老舗企業でも手を上げてしまう時代です。

現在のような状況では「君子危うきに近寄らず」を貫くべきかもしれません。

「虎穴に入らずんば虎児を得ず」という冒険心は、それなりの覚悟が必要であり、腹を括って臨む必要があります。

虎児を得ようとして、逆に虎の子の財産を減らす必要はないようにも思います。



アンケートの人気結果はなぜ当たらない [投資の心得]

新年を迎えると多くの新聞が、識者や専門家のアンケート結果を掲載するのが恒例行事になっています。

しかし、この結果は当たらないことが多いものです。

デビット・N・ドレマンという米国学者の著作「心理学と株式市場」に、「市場と調和して一緒に行動したり、専門家の意見に同意、感激して行動をともにしないことが重要です。

上昇相場で時代の脚光を浴びている銘柄を買いに行くのは魅力的行動で、この誘惑を避けるにはかなりの精神的忍耐が必要ですが、実際には米国の機関投資家会議の秘密投票で選ばれた有望株が上がったことはなく、逆に値下がりしています。

短期的には人気株が値上がりする可能性がありますが、反落の可能性の方が大きいのです。

時流に乗っているということはすでに相当値上がりしているためです」と語り、時流に乗るのは危険だとしています。

そして、「不人気の銘柄を買うことは向こう見ずと言われるかもしれないが、逆に危険より値上がりの可能性が高い」としています。

どうしても一般投資家が何かを買おうと考える場合、専門家の意見を参考にしがちですが、専門家も人気の流れに目を奪われてしまうものです。

時流に逆らった銘柄を奨める専門家はほとんど皆無といってよいでしょう。

しかし、結果は違ったものになりがちなのです。

人間の心理とはおかしなもので、皆が強気の意見を言えば、そうだそうだと思い込んでしまいますが、大勢の意見と逆のことを聞けば、頭がおかしいのではないかと考えがちです。

デビット・N・ドレマンは、これが危険だと語っているのです。

相場の世界では権威や定説をまず疑ってみること、またそれを信ずる前に一歩退いて自分なりに冷静にそれが正しいかどうか自問自答してみることが大切だということです。

株式市場は心理学の世界だともいわれていることがお分かりいただけると思います。



「相場は相場に聞け」の意味 [投資の心得]

株価というものは、自分で考えたようにはなかなか動いてくれないものです。

株価水準が様々な株価尺度で考えて割安な水準にある、特に安値に放置されるような悪材料もないから、割安性が見直されて上がるはずだと判断して買ってみたものの、期待に反して上がらないということはよくあることです。

上がらないだけならまだしも、逆に値下がりしてしまうこともあります。

また、保有していた銘柄がある程度値上がりした段階で、投資尺度からみて目一杯の水準だと考え、また特に好材料があるわけではないから反落する可能性があると判断して売却したところ逆にそこから大きく値上がりするということもあります。

このように株価の動きはまったく「天邪鬼」のような動きをするものです。

多くの投資家が、このような経験をしているはずですが、何故このように自分の判断と株価は違った動きをしがちなのでしょうか。

この場合はまず自分の判断が正しかったのかどうかを考える必要があります。

株価尺度からみて割安だと考えても、この基準になる業績や配当が間違いないと思い込んでいなかったかどうか、悪材料がないという判断が正しかったかどうかということです。

市販されている参考資料や、証券会社の出版物の会社記事で確認したから間違いないと考えていたら、それは決して判断が正しいとは言い切れないのです。

会社は生き物です。表に出ている会社記事や業績の予想は過去のものでしかありません。

これを参考にして投資判断を下した時点で、すでに会社の状況は悪い方に変化しつつあるかもしれません。

この変化が表には出てこなくとも、株価はこれを察知して上下に動くのです。

表に明らかになっていなくとも株価は動くのです。

このように会社の変化の状況を株価は敏感に察知するのですが、事実株価が動いた後に悪材料や好材料が明らかになることが多いのです。

決してインサーダー情報や早耳材料で動くわけではないのです。

なぜ、株価はこうしたことを敏感に察知するのでしょうか。

会社には多くの人が働いています。

この働いている人の何気ない友人や家庭での話が株価に反映されるためです。

例えば、最近は残業が増えたとか減ったとかいう話だけで、投資家のなかには敏感に会社の状況を考え、投資行動に移す人もあるわけです。

ですから、株価が自分の判断とは違った動きをみせる時は、自分の知らない悪材料・好材料が潜在していると考えた方がよいのです。

相場が自分の知らないことを教えてくれているわけですから、その時は自分の判断にこだわらない方がよいことになります。

自分で判断することは大切ですが、自分の判断のもとになった材料以外のことを相場が教えてくれることがあるわけです。

「相場は相場に聞け」という格言がありますが、このことを指しているのです。

こだわりや思い込みだけでなく、株価の動きも判断の材料にする必要があるのです。



麦藁帽子は冬に買え [投資の心得]

寒さが厳しくなる気配があると、冬物衣料が売れ出します。

寒い時には夏物用品を買おうとする人はいません。

冬休みに暑い南国へ旅行するため、夏物用品を買いにいってもまず品物がないのが普通です。

季節はずれのものは売れないから品物が店先から消えているのは当然といえます。

相場格言に「麦藁帽子は冬に買え」という言葉があります。

この言葉を文字通りに受け止めれば、買えといわれても麦藁帽子を売っているところがないではないか、品物がないのに買いようがないということになります。

そこで、この言葉の意味するところを考えてみましょう。麦藁帽子を冬に買う人はいません。

必要がないからです。

品物があったとしても誰も見向きもしません。

仮に夏の売れ残りがあったとすれば、在庫処分でただ同然で売ってくれるでしょう。

この誰もが見向きもしないときは、安く買えますからバーゲンハンティングの絶好のチャンスということになります。

その後訪れる暑い季節に買うよりはるかに安く買え、得することになります。

この格言はこうした意味を込めているのです。

株式も誰も見向きもしなければ、株価も安値に放置されている可能性も高くなります。

こうした時に仕込んでおけば、値上がりのチャンスが訪れるということです。

注目されるようになった時には、株価はそれなりに値上がりしているはずです。

その段階で買うよりは、誰も見向きもしないときの方がずっと安く買えますから、値下がりの危険性はより小さくなりますし、将来の値上がりのチャンスも大きいということです。

ただ、暑さが訪れるのを期待して冬に買った麦藁帽子も、期待に反して冷夏だったら使わずに終わることもあります。

これと同じように将来の値上がりを期待して安値買いした銘柄が、期待に反して底値から立ち上がれないこともあります。

しかし、この場合でも値下がりによる損失を蒙る確率は、人気の時に買うよりはずっと小さくなります。

株式投資の鉄則は、儲けることよりも損をできるだけ小さくすることを優先させることです。

損が小さければ、投資資金が温存され、それだけ儲けるチャンスを生かすことができます。

損をして投資資金をどんどん減らしてしまっては、チャンスがあってもみすみす逃すことにもなります。

株式で儲けるということは安い時に買って高くなったら売るという極めて単純なことだといわれます。

そして、安い時に買うことは、仮に失敗しても損は小さくて済むということです。

「麦藁帽子を冬に買え」というのは、この安い時に買うという大原則を教えている格言だと理解してください。

この大原則を念頭において、不人気で安値に落ち込んでいる銘柄の中に、いつか活躍する時がやってくるという期待を持てる銘柄を発掘し、仕込み、気長に待つことが儲けにつながることになります。

冬に安く買った麦藁帽子を押入れに仕舞い込んで、夏の訪れを待つ心境と同じように考えればよいでしょう。



投資成果はトータルで考える [投資の心得]

投資家は誰しもが株式投資で利益を挙げることを前提にして行動しているはずです。

頭から損を覚悟と考える人はないはずです。

しかし、どんな練達の人でも、株式投資で百戦百勝といったようなことは不可能なことです。

意図したように買った銘柄が値上がりすることもあれば、こと志に反して買った途端に値下がりしてしまうというケースも少なくないものです。

得てして株価の動きは天邪鬼的な動きをするもので、意図に反した動きになることが多いのです。

一般に10回投資して5勝5敗が普通、7勝3敗なら上手くやったということがいわれますが、いかに勝率を高めるかは研究心と投資のタイミング次第ということになります。

重要なことはトータルで損得がどうなのかを把握することが重要なのです。

僅か1銘柄の損失が大きな痛手になることもあります。

損を嫌って値下がりした銘柄を持ち続けて痛い目に合ったという話は多いものです。

「見切り千両」という投資の格言がありますが、値下がり銘柄を思い切って処分するというのは、言葉では簡単なように思えても実際には極めて難しいものです。

もう反発に転じるだろうと考えて深みにはまってしまうのです。

そこで、投資成果を記録にとどめる習慣を身に付けることが大切です。

投資成果を記録しておけば、トータルでの損得も明らかになります。

トータルの投資成果で利益が上がっていれば、その利益が消えてなくなる前に思い切って値下がりしている銘柄を処分する勇気も生まれます。

過去の投資成果ではなくとも、現在の投資成績状況もトータルでみることが大切です。

証券会社が月次ベースで売買の結果や、評価損益を報告してくれるところが多くなっています。

これを参考にして現在のトータルの成績をチェックして、損になっている銘柄をどのように処置するかを検討することが、深みにはまらないようにする手段になります。

儲かっている銘柄との抱き合わせで損がないように処分することも考えることができます。

「見切り千両」という言葉の裏には見切って現金を作っておけば、次のチャンスを生かすことができるという意味も込められていることを見逃してはいけません。

投資の勝率を高めることにこだわりすぎて数少ない負け銘柄により全体の利益を台無しにしては意味がありません。

要は、保有銘柄全体を把えて、その価値をどのように大きくしていくかを考えることが重要なことです。


得意銘柄を作ることも成果を挙げる手段 [投資の心得]

ゴルフではプロなら別ですが、素人の場合はフェアウエーウッドなら自信があるとか、寄せが得意だとか、3メートル以内のパットなら高い確率でカップインできるといったように、得意なクラブや得意技がある人はスコアがまとまると言われます。

得意なクラブや得意技を身につけていれば、ミスをしてもカバーすることができるためです。

この得意なクラブや得意技が多ければ多いほど、シングルプレーヤーに近付くことになります。

これには当然のことながら、普段の練習や研究心が欠かせません。

これは株式投資でも通用することです。

株式投資に当てはめて考えれば、得意なクラブは得意な銘柄ということになります。

また、得意技は売買のテクニックということになります。

ただ、売買テクニックは投資のプロといえども身につけるのには簡単なことではありませんから、ここでは捨象して考えた方が良いでしょう。

ただ、得意銘柄を作ることは努力次第です。

得意銘柄とは、その銘柄の株価の癖や会社の内容を自分なりの尺度で熟知することで、どのタイミングで購入して、どのタイミングで売るかということをある程度読み取れる銘柄ということになります。

得意銘柄を作るには、自分が興味を持っていたり、将来性が高いと思えるような銘柄を数銘柄選んで、これに直ちに投資するというのではなく、まず会社の実態を徹底的に調べ、会社のことならほとんどのことが分かるという状況にまでしておく、そのうえである程度の期間をかけて好悪材料や投資尺度と株価の関係を徹底的にフォローすることが必要です。

そうしますと、例えばPERが何倍になると株価はほぼ底値、何倍になるとピークをつけて反落するといった習性や、材料の株価への反応の仕方もわかってきます。

そうなれば売買のタイミングもある程度は自分なりの判断の目途がつくことになります。

したがって無手勝流で単なる情報や人気だけで飛びつくのとは、成功の確率はかなり違ってくるかもしれません。

成果に結びつかなかったとしても自分なりに納得できる投資行動となるでしょう。

面白いもので株価の習性は銘柄ごとに違っています。

これを知っていると知らないでは投資成果に大きな違いがでてきます。

業種を変えて10銘柄程度、得意な銘柄を作っておくことによって、その時の相場の性格や流れに対応して投資銘柄が選択でき、また自分なりの売買のタイミングを捉えて成果を挙げる確率も高くなるかもしれません。

ベテラン投資家のなかには同じ銘柄だけをタイミングをみながら売買を繰り返して成果を挙げている人もいます。

この銘柄なら株価の動きが読み取れるといった自分なりの得意銘柄を作るには、ゴルフと同様に研究心と日常のフォローという努力が必要です。

この努力がリスクを小さくし、場当たり的に銘柄を選ぶことより成果を高めることにつながる可能性が高いと考えてください。


相乗りは上手くいかない [投資の心得]

10月は運動会シーズン、幼稚園から高等学校まで学校はもちろんのこと、町内会単位の運動会も盛んに行なわれています。

運動会といえば定番が二人三脚競技、最近は三人四脚までも行なわれているようです。

株式投資でもこの二人三脚よろしく、友人同士で資金を出し合って投資するケースが少なくないようです。

投資資金が50万円しかない、50万円では目的とする銘柄を購入するに資金が足りない。

そこで二人で50万円ずつ出し合って目的の銘柄を購入するというようなケースです。

これを株式市場では「相乗り」と称しております。

1台の自転車に二人で乗ることを相乗りと言いますが、これから生まれた言葉のようです。

相乗りは二人の場合もあれば三人の場合もあります。

もっと数が多くなれば、もう相乗りではく投資クラブの性格を持つようになります。

親しい友人同士が情報を収集し、分析し、銘柄を決め、資金を出しあって、買い時や売り時を相談し、よりよい戦果を上げようとすることは、いかにも楽しそうに思えます。

また単独でやる場合に比べれば、心細くもないし、お互いに意見を出し合って決めるのだから、よい結果を生むはずと考えがちです。

しかし、これは大きな間違いです。

株式では自己責任が原則ですが、この自己責任という言葉を熟考してもらう必要があるのです。

株式投資はお金がからむものです。

しかも、常に好結果につながるはずはなく、失敗するケースもあるのです。

失敗した時に自分の考えは違っていたが、相手が強く主張したからといってみても、その損失を相手が被ってくれるわけではありません。

相乗りであろうと、自分だけであろうと、損益は自分に帰属するものです。

これが自己責任の基本です。

したがって、銘柄の決定、売買時期も自己責任で決めることなのです。

考えてみれば分かることです。

二人、三人の意見が完全に一致することは、まずケースとしては少ないと考えなければなりません。

ほとんどの場合、一方が自説を曲げるか譲歩することが必要になります。

結果オーライなら問題は起きませんが、結果が悪ければ不満が蓄積されていきます。

意見の食い違いから、中庸こそ真理だとかいって中途半端な結論を出してしまうことが多くなりがちですが、こうした場合は失敗につながることが多いと考えなければなりません。

さらにどんな場合でも相互に連絡が取れる状況にあるとは限りません。

緊急事態が発生した時に相手が旅行とか出張だとかで連絡が取れないケースも出てきます。

その時独断先行で売買すれば、結果がよければまだしも悪かった時にはしこりが残ってしまいます。

相乗りは上手くいかないケースが多いと考えた方がよいのです。

どんなに親しい仲でもお金がからめば、気まずいことが起きがちです。

せっかくの親しい仲にひびが入りかねません。

株式投資はたとえ夫婦であっても別々にすべきだといわれているほどです。

親しい友人を失わないためにも、友人との間では情報交換程度にとどめるのが賢明です。


「先着御1名様」の意味 [投資の心得]

株式の世界には「先着御1名様」という言葉があります。

何を意味するのか理解できない方が多いと思いますが、簡単に言えば「1番先に買った人だけが儲かって、あとで買った人はみんな損をする」ということをいっています。

どのような時に、こうした状況が生まれるのでしょうか。

例えば、700円程度でまったく動いていなかった銘柄が、800円程度へ水準を切り上げてきた時に、「1000円目標で誰それが買う」とか、「誰それが買っている」とか、「何か大変な好材料があるようだ」といったような噂がどこからともなく流れてくることがあります。

そこで、まだ3割近く上がる可能性があると飛びついて買ったとします。

暫くは800円前後で推移しているので、値上がりの期待感を持ってみていたら、逆に値下がりして元の木阿弥の700円まで下がってしまったというようなケースを考えてください。

このような場合、この噂自体が単なる噂でしかなく、結局噂を流した買い手は、安いところで仕込んでおいて、噂を信じて買った人に持株を売却して、自分だけが儲けているわけです。

「先着御1名様」という意味が理解できたと思います。

株式市場にはまことしやかな噂が駆け巡る場合があります。

単に上がるらしいとかというような話ではなく、もっともらしく何月何日に斯く斯くしかじかの材料が発表されるらしいと言った噂を耳にすると信じたくなることもあるかもしれません。

その後、事実でなかったといって話をしてくれた人を責めてみても後の祭りということでしかありません。

株価を乱高下させるような極端なケースの場合は、法律で禁じられている「風説の流布」ということになり、犯罪として捜査の対象となり処罰されます。

しかし、極端なケースでなければすべての噂を取り締まることも難しいものです。

しかも厄介なのは噂のなかには時として真実が含まれている場合もあるということです。

そこで重要なことは、噂の真偽を見抜く目を養うことですが、これも容易なことではありません。

アナリストのレポートなど信頼性が高いものでしたら、真偽を考える必要はないのですが、噂となると真偽を確かめることも難しいのです。

したがって、たとえわずかでも真実の可能性に賭けるのか、多くは出鱈目と考えて噂には乗らないスタンスをとるか、自分なりのスタンスを明確にしてそれを守ることが大切だということになります。

可能性に賭ける場合も可能な限りの自分のニュース源を駆使して、裏付けを取っていくという努力が必要でしょう。

裏付けがどうしても取れなければ、噂は噂でしかないと割り切ることが重要です。


この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。