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人気の連鎖を生かす [投資の心得]

人気がグループごとに移り変わることを循環物色といいます。

この循環物色の動きを上手に捉えれば、短期投資でも成果を得られる場合もあります。

しかし、「電気が消えてお化けが出る」という言葉がありますように、電機株の次は化学株というジンクスが昔にはあったようですが、循環物色の順番にルールがあるわけではありませんから、このようなジンクスを頼りにすることはできません。

したがって、次はどのグループに人気が循環するかといったことを事前に予測することはできないのです。

もっとも方法が皆無というわけではなく、出来高の推移や株価の位置関係などと環境材料の変化などを総合的に判断して予測することは可能ですが、高度のテクニックと長い経験が必要ですし、その予測が当たるという保証もありません。

物色人気が移動する時、その先兵として特定の銘柄が動き出すものです。

特定の銘柄が動きだすことが、そのグループに人気が巡ってくるような変化が生まれたことを示す狼煙になります。

電子部品の受注が底入れしたとか、価格が底入れしたとかというような変化が、表に数字で明らかにされる前に、代表銘柄の株価の動きに反映されることが多いのです。

インディアンは狼煙を上げて、事件の発生を次々に伝えていったといわれますが、この代表銘柄の動きは、その業界に変化が生じていることを伝える狼煙と考えることができるのです。

狼煙を上げた代表銘柄を一般の投資家が当初から手を出すことは困難でしょう。

事情通だけの特権かもしれません。

何がなんだか分からないうちに上がってしまうことがあり、これを狙うことは後追いになりますから、狼煙で知らされたことを上手く利用することが重要になります。

狼煙はグループ銘柄に人気の連鎖反応を呼ぶ場合がたびたびあるからです。

狼煙を挙げた銘柄が属する業界の状況を調べ直して、類似性のある銘柄を選び出して投資することで、人気の連鎖を上手く成果に結び付けることも可能になります。

単純に二番手を狙うというのではなく、事業内容など業態が類似していることも重要なポイントになります。


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どのような時を材料出尽くしというのか [投資の心得]

株式材料について、「材料出尽くし」とか、「出たら終わり」という言葉があります。

株式市場では、材料が明らかになる前に反映してしまい(織り込み)、材料が明らかになっても株価は反応しないか、むしろ下げてしまう場合も多いことからこういう言葉が使われます。

しかしながら、これらの言葉の意味をよく理解しておく必要があります。

材料が明らかになったら、材料出尽くしだとして売ってしまうようなことがないようにするためです。

材料が発表になってから、さらに株価が上昇することもあるからです。

株価材料は事前に予想されることが多いものです。

市場全体でみれば、景気指標や金融政策などが代表例ですし、個別銘柄では企業業績が代表的なものです。

市場はこれを予見し、この期待が株価に反映されて事前に株価は動き出します。

例えば企業業績で20%増益という予測があるとします。

このように基づいてPER20倍まで買えば目標株価はいくらという計算ができますから、業績が発表される以前にこの水準まで買われてしまいます。

目標株価まで買われた段階で業績が発表されたとすれば、20%増益という実績で株価がさらに上がることはないわけです。

この20%増益という材料については完全に材料出尽くしということになります。

ところが20%増益という期待値に対して、実際には30%増益になったとします。

期待値より10%も高い増益率になっても材料出尽くしになるかというと、これは違います。

期待よりも10%分上積みされた利益になったのですから、目標株価も違ってくるはずです。

発表になった段階から、10%上積み分だけ買い直されることになります。

材料出尽くしだと発表時点で売却することで、10%上積み分の株価上昇のチャンスを逃すことになるわけです。

逆の場合もあります。

期待値よりも実績の増益率は低かったとします。

この場合は達成されていた目標株価が高過ぎたということになりますから、発表時点から修正安の動きをみせることになります。

この場合は即刻売る必要があるわけです。

ただ、他の材料と違って業績の場合は発表時点からは次期の業績予想を織り込んでいくことになりますから、これに注目しなければいけません。

結局、材料出尽くしという言葉が当てはまるのは、事前の期待値が株価に織り込まれてしまい、材料発表も事前の予想通りであった場合に当てはまることなのです。

事前予想の段階では、強弱が対立して予想材料が十分に織り込まれていないケースもあり、また過大に織り込まれることもあります。

したがって、株価が材料を事前にどの程度織り込んだかを認識する必要がありますが、これは簡単なことではありません。

発表時の株価の反応で判断するしかないように思えます。

期待値より内容が優れていれば発表時に株価はさらに強い動きをみせますし、そうでない場合は株価が材料に反応しません。

この状況をみて売買を判断する必要があるということです。


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もう一つの分散投資 [投資の心得]

分散投資について、銘柄の組み合わせによる分散投資、いわゆるポートフォリオ投資の方法と重要性に関してはよく理解されたと思いますが、分散投資にはもう一つの考え方があります。

投資目的別の分散投資です。

投資目的とは長期投資か短期投資かということです。

長期投資とは長期に成長が期待できる銘柄を選択して、短期の人気の循環に目を奪われることなく、長期に保有しつづけて実りを得ることです。

投資の原則は長期投資といわれるのは、このような考え方の長期投資であればリスクも軽減できるからです。

特に相場が長期に下げて、水準も記録的に低い時には、こうした方法で大きな成果を挙げる可能性は大きいものです。

短期投資はまさに短期間で成果を挙げようとするものです。

ところが、長期投資では株式投資で得られる臨場感やスリルがないという人が少なくありません。

できれば短期投資で成果を挙げたいと考えるのは投資家心理としては当然のことです。

おそらく株式投資を行っている人のほとんどは、長期投資が原則だと分かっていても、短期投資に目が向いているはずです。

しかし、短期投資にはリスクが伴います。

短期に成果を挙げようとすれば、人気の波に乗ろうとすることになります。

ところが、市場人気は循環します。

上手に人気の波をとらえれば短期に成果を得られますが、タイミングがずれてしまうと、常に後追いとなり、成果よりも損失につながることになります。

短期投資一本槍では成功すればよいのですが、失敗した時の被害も大きくなります。

武士は大小2本の刀を身につけていました。

宮本武蔵の二刀流は例外的で、大刀と小刀をTPOに応じて使い分けていたのです。

名人ほど大刀を抜くことは少なく、少々のことなら小太刀であしらうという使い方をしたようです。

大刀を長期投資、小刀を短期投資と考えて、武士と同様にこれを使い分けることを考えるのが、投資目的別の分散投資と考えればよいでしょう。

資金を長期投資にいくら、短期投資にいくらと配分するのです。

これによって長期に確実に利殖を狙う一方で、短期投資による満足感を充足することができます。

配分の仕方は個人それぞれの性格や、資金の余裕度によって違ってきますが、原則として短期投資は余裕資金を配分するという考え方が必要です。

武士が刀を一本だけという時には大刀を身につけました。

小刀だけでは、イザという時に対応できないこともあるためです。

虎の子の資金を短期投資に振り向けたのでは窮地に追い込まれることもあります。

基本的には長期投資に7割、短期投資に3割程度の資金配分が妥当だと思われます。

重要なことは短期投資で失敗して短期向けの資金が減少しても、長期投資資金には手を付けないことです。

資金の当初の割り振りを決めたら、それぞれの資金を別物として管理していくことが大切です。

そうでないと投資目的別の分散投資の意味がなくなるからです。


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分散投資で避けなければいけないこと [投資の心得]

ポートフォリオという言葉を耳にすることが多いと思います。

本来は「紙を運ぶもの」という意味ですが、これが転じて証券用語では「有価証券目録」という意味になっています。

これからポートフォリオ運用という言葉が生まれました。

多額の資金を運用する機関投資家では運用資金を複数の金融資産、例えば国内株式、海外株式、国内債券、海外債券等々に振り分けて、効率よく分散投資するのが、ごく当たり前になっています。

これはリスクを軽減することにもつながるためです。

株式投資だけに限ってみれば、銘柄を分散して投資することになります。

このポートフォリオ運用は、資金が多くない個人投資家の場合でも、可能な限り心掛ける必要があります。

全資金を一つの銘柄に集中投資した場合、当たれば利益も大きくなりますが、失敗すると被害が大きくなり、立ち直り不能になることもあります。

何度もお話していますように、株式投資はバクチではありません。

資産を増やしていく手段ですから、できるだけリスクを避けることが必要です。

一攫千金よりも確実に利殖するという考え方が必要なのです。

このためには、集中投資よりも分散投資、すなわちポートフォリオ運用を目指すことが望ましいのです。

ただ、分散投資について誤解があってはいけません。

銘柄数を1銘柄でなく数銘柄に分散したから、分散投資でリスク軽減を図ったと考えてもいけません。

その分散の内容が問題なのです。

例えば、NEC、富士通の2銘柄に分散したとか、武田薬品と山之内製薬に分散したというのでは、まったく分散投資の意味はありません。

このような動く時は同時並行的に動く銘柄に分散したのでは、NECだけ、武田薬品にだけ投資したのと何の変わりもありません。

分散投資は物色の流れの変化に対応できるという意味合いがあるためです。

分散投資に当たっては、性格の違う銘柄への分散が必要であり、似たものへの分散はまったく意味がないと考えてください。

この分散投資については、幾つかの方法があります。

第一は業種別・業態別の分散です。

内需関連株と輸出関連株といったようなものです。

例えばNECと武田薬品への分散です。

物色動向の変化に対応できます。

第二は資本金別の分散です。

大型株と中型株、小型株を区分して組み合わせることです。

市場エネルギーが弱い時は小型株が活躍し、エネルギーが膨らむと大型株が活躍する傾向があることに対処する方法です。

第三は株価水準別の分散です。

値嵩株と中低位株への分散です。

市場の物色動向は常時変化していくものです。

それだけに、この三つの方法を原則にして、これらを組み合わせて分散することを考えれば、どのような物色動向にも取り残されず、悔しい思いをすることもなくなりますし、リスクを軽減することができるのです。


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経営者の姿勢に目を向けよう [投資の心得]

厳しい経営環境ではあっても、経営者が目先の利益を追求して何でも有りという姿勢では必ず問題が生じるものです。

倒産企業のほとんどは、経営陣が企業はゴーイング・コンサーン、すなわち永遠に存続することを第一義にすることを忘れた結果なのです。

株主に対する責任は忘れ去られているということです。

このような経営者の企業では、投資してもどこで梯子を外されるか分かったものではありません。

アナリストの世界では、企業はまず「経営者を見よ」と言います。

数字は悪意のもとでは、どのようにでも作ることが出来ます。

表面上の数字だけで騙される場合もあるという意味が「経営者を見よ」という言葉に込められているのです。

もっとも、一般投資家が経営者を判断することは難しいものです。

ただ、判断する手段がないわけではありません。

2例を挙げておきましょう。

一つは会社を訪問して、受付なり応対者の態度を見ることです。

あるいは電話をかけてみることです。

この対応の仕方で、ある程度はその会社のことが分かります。

社員教育の程度を知ることができるからです。

一事が万事といわれますように、企業の社員教育の程度がこうしたことに反映されます。

社員があっての企業であり、社員教育の徹底は社員を大切にしやる気を起こさせていることを意味します。

これは長期の視点で企業経営を行なっていると判断する一つの材料になります。

二つめは経営陣が出処進退に潔いかどうかということです。

これは社長の在籍年数などが参考になるでしょう。

経営者というものは居心地がよいもので、上り詰めるとできる限り長く続けたいと思うのは当然です。

何か問題が起きても、後始末するのがトップの責任と語る人が少なくなく、座を退いても何らかの形で影響力を残そうと画策するケースがみられますが、この場合は椅子に対する執着心が強いか、何か隠された問題がある場合が少なくありません。

いずれにしても社長が長すぎるというのは、株主より我が身が可愛いということにほかなりません。

代表的な判断方法を紹介しましたが、梯子を外されても構わないという投資スタンスなら別ですが、株主軽視の経営では投資家のことは眼中にないわけですから、こうした企業は長期の視点で投資する対象から外すのが賢明なように思われます。


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心掛けたい「つかず離れず」の姿勢 [投資の心得]

恋人同士、夫婦でも、どんな時も一緒にいたいという気持ちは最初だけ、一定の期間を過ぎてしまいますと、常時一緒にいることが逆に煩わしくなってくる、かえってたまに一緒に時間を過ごすことで新鮮さが何時までも続くという意見が少なくありません。

いやそうではない、やはり何時も一緒の方がよいという意見の方もあるはずですが、これはどうも少数派のようで、それも若い方だけのことのようです。

中年以上の人には、「つかず離れず」の方がよいという声がおおいようです。

とんでもない話になってしまいましたが、株式投資ではこの「つかず離れず」ということが意外と重要なことなのです。

株式投資を始めますと、持っている銘柄の値動きが気になって仕方がないものです。

一日中ラジオで株価の市況放送を聞いている、暇を見つけては証券会社の店頭に行って株価ボードをみている、頻繁に端末のキーボードを叩いてみる、あるいは自宅・勤務先のパソコンで株価が分かるサイトを開いて株価の状況をみるといった具合に、株価推移が気になって仕方がないという人が少なくないようです。

しかし、そんなことをやってもどれだけの意味があるのでしょう。

株価と1日中にらめっこしていても、株価が上がるというものでもありません。

株価が気になる余り、本来の仕事が上の空にでもなってしまったら、かえって取り返しのつかないミスを犯しかねません。

また、時々刻々の動きに惑わされたり、動かないことに我慢しきれずに、売るべき時でない時に売ってしまい、大魚を逃すこともあります。

細かい動きを知ることが、かえってマイナスになることもあるのです。

とはいっても、株価の動きにまったく無関心であっても困ります。

長期投資方針だから1年間は放っておくといって、購入した後は毎日の新聞の市況欄も見ないようでは、せっかくの売りチャンスを逃すことがないとはいえません。

株価を気にし過ぎてもいけないし無関心であってもいけないとなったら、どうすればよいのでしょうか。

まず、毎日、新聞の市況欄で株価の動いている方向や位置程度は確認しておくことは必要です。

この程度なら、まさに「つかず離れず」の姿勢といえます。

毎日、終値をみているだけでは、売り時を逃がしてしまうと思うかもしれませんが、これには手段を講じておけばよいのです。

備えあれば憂いなし、備えあれば細かい株価の動きも気にならずということになるのです。

皆さんは株式投資が本業ではないはずです。

株価を気にして本業が疎かになっては、本末転倒と言わねばなりません。


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大切な「明日があるさ」という気持ちの余裕 [投資の心得]

「明日があるさ」という考え方は株式投資では極めて重要なことなのです。

「相場は明日もある」という相場格言があるほどです。

ところが意外とこの心構えが忘れられていることが多いのです。

投資家心理とはおかしなもので、理由はともかくある銘柄を買いたいと考えると、矢も立てもたまらずに買い注文をだします。

そして買い指し値しても、その値段がつかずに値段が上がっていきますと、指し値を変えてでも買いたいと考えます。

買うことができないのではないかという不安心理が高まった状態といえます。

こうしたスタンスですと買えるまで値段を引き上げていき、当初に予定していた値段とは大きく違った値段で買うことになります。

特に材料を小耳に挟んだ時、他人に薦められて「早く買っておいた方がよい」なんて言われた時には、こうした行動をとりがちです。

こうした経験をしている人は少なくないはずです。

しかし、あわてて値段を引き上げてまで買ったとしても、それが上手くいっているとは限らないはずです。

後で冷静になった時には、どうしてあんなにあせってしまったのだろうと反省することも少なくないはずです。

最初に指し値した値段で買えそうもなければ、「明日は買えるかもしれない」と考えるべきなのです。

相場は「有為転変世の習い」という言葉があるように、今日強い動きだったから明日も強いということにはならないのです。

翌日になったらころりと状況が変わることが多いものです。

今日買えなくとも翌日には買えるかもしれませんし、翌日になったら買いたいという気持ちが冷めてしまっていることがないとはいえません。

相場格言に「買い指し値は変えてはいけない」、「買いたいと思ったら3日待て」という言葉があります。

「相場は明日もある」と合わせて、株式投資には心理的な余裕が必要だということを語っています。

買えなくともその銘柄には縁がなかったと考えればよいことです。


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波乱相場への対処法 [投資の心得]

株式市場が波乱を繰り返している時には、今日は値上がりして利益が出ていたと思ったら、翌日は値下がりして損勘定になるというケースが多いものです。

このような時は材料に対する反応も、今日はプラス材料と受けとめたと思ったら、翌日は早くもマイナスに見方が変わってしまったということが少なくありません。

相場全体の行方の定まらない時には、市場全体の動きに心理状態が揺さぶられてしまいますから、こうしたことが起きがちなのです。

このような時にはどのように対処したらよいのでしょうか。

最も無難なのは相場の落ち着きを待つことです。

「休むも相場」ということを前にお話したことがありますが、このような時には何も無理して投資行動を起こす必要はないわけです。

「君子危うきに近寄らず」と静観を決め込むのが宜しいでしょう。

ところが、この休むということを忘れてしまうのが人間です。

何か買ってみたいと考えて「面白いよ」といわれたり、材料が飛び出すと飛びついてしまうものです。

ここに意外な落とし穴が待ち受けているものです。

小幅でも良いから儲けてやろうと考えて手を出したら、儲けるどころか大きな損につながるということが少なくないのです。

江戸時代の商人の世界で語られた言葉に「壱文儲けの百文失い」というのがあります。

言うまでもないと思いますが、「文(もん)」とはお金の単位です。

この言葉は、目先の小さな利益をあげようとして、逆に大きな損をすることを指しています。

目先の小さな利益を追うことを戒めた言葉です。

相場の行方に確信が持てれば話は別ですが、何となくただ「板の間稼ぎ」的感覚で投資するのは良くないということです。

しかし、それでも投資行動を起こしてしまったとするならば、どうしたらよいでしょうか。

冒頭に申しましたように、波乱相場の時は一高一低、上へ下への動きを繰り返すわけですから、少しでも利益が出たと思ったら売却することです。

もっと上値があるなどと考えてはいけません。

もっと高いところで売ってやろうと考えたのが運の尽き、あっという間に利益がはげてしまうだけでなく、今度は損につながってしまうこともあります。

波乱相場では小幅でも利益確保を優先させなければなりません。

これを相場格言では「利食い千人力」と語っています。

売れば資金ができますから、下がったら買うチャンスを生かせるわけです。

仮に売った値段より高くなっても、それは結果論であり何も悔やむ必要はありません。

買ってくれた人が儲かって良かったなくらいの気持ちの余裕が大切です。

もっと上がるだろうと欲を出すことを「爪を伸ばす」といいますが、波乱相場では爪を伸ばすと失敗することが多いものです。

「爪を伸ばさず」、僅かでも「塵も積もれば山となる」という考え方で、「利食い千人力」に徹すること、これが波乱相場で投資行動する人の鉄則ともいえます。


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相場判断に有用な売買動向分析 [投資の心得]

株式用語に手口という言葉があります。

これは、どの会員(証券会社)がどの銘柄にどれだけの売りまたは買いを行ったかということです。

これを分析してみることが個々の銘柄の株価の行方を占うのに有効だとされています。

これは銘柄ごとに日々取引所から売買株数の多い順に発表されます。

特定の会員が継続的にもとまって買いまたは売りを執行している場合は、その背後には何かあると判断されるわけです。

ただ、個別の手口は会員業者だけが端末画面でみることができるだけで、一般の投資家が何時でも直接みることができるというものではありません。

ただ、銘柄を指定して取引の証券会社に頼んでデータをとってもらう方法があります。

こうした個別銘柄の手口はさておいて、株式市場全体としての売買動向でしたら、投資家の種別に取引所から週間単位で発表され、その内容は新聞にも掲載されています。

インターネットを通じて取引所のホームページでみることも、ダウンロードすることもできます。

機関投資家は銀行、信託銀行、生損保、事業法人、投資信託に分類され、個人については現金と信用に分けられています。

この他に外国人投資家と証券会社の自己売買があります。

これらの投資家別に株数と金額の両方で売りと買い、そして売買の差額を知ることができます。

この売買動向を分析することによって相場判断に役立てることができますから、これを時系列的に自分のデータとして蓄積することが役にたちます。

過去の経験則からしますと、例えば相場の安値圏で外国人が買い越しに転じて継続的に買い越しが続いている場合は、相場の上昇転換を示唆することがあります。

また、相場がかなり上昇した後、外国人が売り越しに転じますと、それから暫くして相場が天井を打つということも多く見受けられます。

これは株式市場で外国人の売買の比重が高まっていることと、外国人は早め早めに動くという習性があるためかもしれませんが、外国人の動きに触発されて、国内の投資家が動き出す習性があるためともみられています。

安値圏では外国人に続いて動くのが個人の現金買いというのが定説です。

安値圏では短期売買ではなく、長期方針で買うという性格の資金が動くわけですから、年金資金等長期の資金を動かす一部の外国人や長期方針の現金買いの個人が動くというのは納得できると思います。

この投資家行動をフォローすることで相場の行方を占うことができますが、さらに投資家別に金額・株数の両方の数字が明らかですから、これによって売買単価を計算することができます。

そうしますと、例えば外国人は低位株を買っているのか、値嵩株を買っているのか、そして売っているのは低位株か値嵩株ということがわかります。

値嵩株から低位株に乗り換える動きにあるとかといったような動きがわかるわけで、物色の大きな流れを判断することができます。

発表された週間単位の数字を漫然と見ているのではなく、時系列的に、さらに内容について売買動向を分析することが、投資に極めて有用な手段になることもあります。


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栄枯盛衰世の習い・既成概念を捨てよう [投資の心得]

株式投資の選別対象について考える場合に、例えば、「優良株」という概念があります。

ところで、この優良株というのはどのような概念でしょうか。

一般に優良株とはどんな株かと尋ねたら、業績や財務内容などに優れた企業だという答えが返ってくるはずです。

それも社会的に名の売れた企業を指していると考えられます。

特に社会的に名の売れたところに関心が強いようで、優良企業を列挙しなさいといえば、トヨタ自動車、日立製作所、NEC、ソニー、パナソニック、武田薬品、富士フイルムホールディングス、NTTといった大企業が挙げられるでしょう。

しかし、投資家にとっての優良株というのは、この社会的概念としての優良株とは違うはずです。

投資家にとっての優良株とは、保有することによって株価の値上がりなどで資産が膨らんでいく株のことであるはずです。

如何に社会的に知名度の高い企業でも株価がまったく上がらず、逆に大きく値下がりするようでは、投資家にとっては決して優良株とはいえないはずです。

株価は基本的に企業の収益成長や財務内容の充実度とともに上昇していくものです。

知名度が決定するものではありません。

この収益成長や財務内容の充実ぶりが目立つ企業が優良株にほかならないことになります。

ところが、栄枯盛衰は世の習いと言いますが、企業の成長力なども時代の変化とともに移り変わりをみせるものです。

ということは過去に優良株であっても、現在は優良株といえないような銘柄もでてくるわけです。

こうした銘柄は株価も上昇せず下降する可能性の方が高いことになります。

ところが、銘柄に対するイメージというものは何時の間にか既成概念になってしまい、これに囚われるケースが少なくないのです。

過去においては確かに優良株であった銘柄で現在ではとても優良株とはいえない状況になっているのに、この既成概念のために優良株のイメージを持ち続けるというケースが意外と多いものです。

しかし、こうした銘柄が現在は決して優良株ではないわけですから、株価は期待したような動きをみせてくれないということになります。

これは過去の優良株イメージで銘柄選別しても成果は上がらないということです。

先に挙げた銘柄群でも現時点では優良株といえないような銘柄もあるはずです。

それが挙げられているのは既成概念が現在でも生き続けているためです。

既成概念に囚われて、過去の優良株が必ずしも現在では優良株ではないことを見逃しますと、実際には優良株ではなくなっている銘柄を買ってしまう間違いを犯してしまいます。

既成概念を捨ててみること、これが投資家にとっての優良株を選び出す重要なポイントになります。


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