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二極化は鮮明化へ [IPO情報]

日本コンセプトは4カ月ぶりの公開価格割れとなった。

公開価格が仮条件下限で決まるなど、上場前から低人気が観測されていたが、足元では好調が相次いでいただけに大幅売り越しでのスタートには意外感があったようだ。

ただ、これはIPOの好調を受けて不人気な銘柄にも、短期志向の投資家が押し寄せてきた現象の裏返しだ。

通常の不人気銘柄ならば、縮小均衡で結果的に下落率は少なくすむ。

彼らは「最終局面で買う投資家」であり、ババをつかむ役である。

一方、春先に上場した銘柄ではエイチームのように値を飛ばし続ける銘柄もある。

業績が好調なこともあるが、同社の株式はほとんど社長が保有しているため、浮動株が少なく、少量の資金流入で株価が上がることが背景にある。

上場基準の緩和で時価総額の小さな企業が増えてきているわけだが、成長性の度合いや業種によって、しばらくは二極化がより鮮明化する相場展開が予想される。

新規承認ではJASDAQスタンダードで、ありがとうサービスの上場が発表された。

モスバーガーやブックオフなどのフランチャイジーとして中四国、九州に展開している。

本社は愛媛県にある。

昨年の11月のIPOはベルグアース1社だけだったが、同社も愛媛県に本社を置いている。

偶然なのだろうが、そもそも四国企業のIPOが少なく、11月は上場閑散月となりやすい状況下で、興味深い一致点である。



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2社が好調発進 [IPO情報]

9月最終週となった先週はエー・ピーカンパニーとメディアフラッグが上場した。

公開規模に差はあるものの、前者は居酒屋ながら新進気鋭の人気店で業績に勢いがあること、後者は新奇性のある事業内容や大株主にビッグネームが並ぶことを材料にともに期待以上の初値を付けた。

足元では直近上場株が連日軒並み高となっており、「値動きが軽い銘柄」として短期資金の流入が続いている。

直近10社の初値騰落率の中央値は+44%となり、2009年11月以来2年10カ月ぶりの高水準にある。

一方、先々週の上場3日目にして公開価格を割り込んだJALの値動きも激しい。

先週前半は典型的なIPO型の見切り売りとなり大きく売られたものの、ANAと時価総額が同水準になった時点で急反発し、その後は戻りを試す展開が続く。

公開価格の奪回には至っていないものの、外資系証券動向でも空運業が再び現れ、海外投資家の積極姿勢が垣間見られる。

10月3日からはMSCIにも組み入れられるため、今週も荒い値動きが続きそうだ。

なお、先週は新規承認はなかったものの、取り消しが1件発生した。

ツバキ・ナカシマが仮条件発表日に売り出しを中止し、これを受けて東証が承認を取り消した。

同社は米カーライル・グループの案件だが、Avanstrateの2回の上場延期に続いてこれで3回連続。

「市況動向などを総合的に勘案」が公表された理由だが、今年世界2番目の規模だったJALでさえ成功した市況で総合的にも何もない。

単に彼らが売ろうとしていた値段が高すぎて、プレヒアリングでの投資家の反応が悪かっただけなことは容易に想像が付く。

カーライルは日本でも多くの案件を抱えるが、IPOでのイグジットが成功したのは2007年8月に再上場したキトーくらいなもの。

それも初値は大幅な公開価格割れであり、主幹事はプライシングに失敗して投資家の犠牲の上でのことだ。

案件企業の業績が大幅に好転すれば別だが、なかなか彼らが売却を希望する株価までに市況が回復するのは難しい。



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JAL、3日目連続で首位 [IPO情報]

日本航空の再上場が予定どおり実現した。

初値は公開価格をわずかに0.5%上回った。

グレーマーケットでは4000円を超える取引が観測されたため期待外れと見られたようだが、需給の重さを踏まえれば当初の想定通りだったといえる。

少ない商いの株価を材料に、途中でやや期待が膨らみすぎただけだ。

上場後は活発に売買されており、先週21日まで3日連続で売買代金首位をキープした。

といっても3日目は公開価格を割り込んでおり、2日までと様相が違った。

外資系証券動向では2日まで買いセクターに空運が挙がっていたが、早くも3日目はなし。

空運業はJALを除けば実質的にANAしかなく、普段めったに手口に挙がることはない。

前場の売買代金も首位からは後退し、明らかに海外投資家の買いは一巡していた。

そこへタイミング悪く昼に中国便の減便が発表され、見切り売りを呼んでしまった。

キャンセルが相次いでいること自体は状況からして容易に想像できたこと。

片やANAでも相次いでいることに変わりないが、株価の反応はない。

むしろ素早く減便にまで動けることは、JALが再建によって機動性を得た象徴とも言える。

まだ株主が安定していないこともあり、一度公開価格を割り込むと追随売りは出やすくなる。

株価が回復しても一度痛い目を見た個人は戻り売りに走りやすい。

本来ならば時期的に優待・配当取りの買いが入りやすいが、期末・中間期末の年2回とされる優待制度は来年3月期末からとされ、今回だけ権利がない。

一方、機関投資家のなかには需給の重さを見越し、こうした公開価格割れを当初から狙っているとの話も聞かれた。

MSCI指数の早期組み入れの対象にもなったことで、来月初旬にかけては組み入れ需要も想定される。

さまざまな思惑が交錯するなか、今週以降の動向も注目されそうだ。



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2社の上場承認 [IPO情報]

JALは公開価格が上限で決まり、早々にグレーマーケットでの堅調が観測されたことで、上場前だがひと息ついた感がある。

このまま特に航空機事故など何も起こらなければ、順調に離陸できそうだ。

日本特有のもうけすぎ批判で思わぬ邪魔が入ったものの、生まれ変わったフラッグシップへの期待は国内外を問わず高い。

そのほか居酒屋「塚田農場」のAPCの公開価格も上限で決まった。

JALの陰に隠れていた感はあったものの、リピーターでにぎわう人気店への期待も高いようだ。

また、タンクコンテナの日本コンセプトの仮条件が想定価格の1140円を上限にして決まった。

新規承認では14日に東証から2件が発表された。

マザーズに上場するトレンダーズと2部に上場する三洋貿易だ。

トレンダーズの経沢香保子社長は、若手女性起業家として知られているほか、一時サイバーエージェントの子会社になったことも話題となった。

また、三洋貿易は今年初の「2部」案件である。

会社のタイプは真逆ともいえる2社が一度に承認された。

既に10月はツバキナカシマと、先に挙げた日本コンセプトが承認されており、市場や事業内容がバラエティーに富んだラインアップとなるようだ。



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9月上場案件が始動 [IPO情報]

9月に入り下旬に3社予定されているIPOが次々と具体的な動きに入った。

ブックビルディングに入っていたJALは7日金曜日で終了。

居酒屋「塚田農場」などのAPCが3日月曜日に仮条件が決まり、翌々日からブックビルに入った。

また、覆面調査などのメディアFは7日金曜日に仮条件を発表した。

APCの仮条件は想定価格を中心にし、メディアFはJAL同様に想定価格を上限にそれぞれ設定された。

JALの公開価格は今週早々にも決まる。

報道ではブックビル最終日まで2日を残した5日に「全株分の注文確保」と報じられた。

温度差はあるものの市場を戦々恐々とさせた巨大ファイナンスは、ブックビル前にも観測されたとおり何とか無事終えたとみられる。

ブック開始直後には下落が目立っていたANAの株価は5日を底に回復。

換金売りをひとまず終えたと推測できるような動きになったことも、この見方を裏付ける。

公開価格は今週早々に決まるが、大型ファイナンスだけに価格がすんなり仮条件上限で決まるとも限らない。

仮条件のどこで決まるかで、目先のセンチメントに影響しやすいだけに、関係者の注目が集まる。

そのほか、10月上場の案件として、5日にはツバキナカシマの東証上場が承認された。

かつて東証と大証の1部に上場していたが、MEBO(経営陣と従業員が参加する企業買収)で2007年5月に上場廃止。

JALに続いて再上場となり、同様に国内外で売り出す。

春先の報道では6月にも上場するとの観測だったが、4カ月遅れでようやく承認にこぎ着けた。

本則市場でのグローバルオファリング案件が続き始めており、IPOは秋から年末にかけて続きやすいと言われる、大型上場シーズンに入ったようだ。



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JALのブックビル [IPO情報]

8月最終週は東証マザーズと大証JASDAQにて1社ずつの新規承認があったほか、日本航空の仮条件が発表された。

JALは発表から間髪おかず31日から、早速ブックビルディングが始まった。

当面は最初に来る、JAL一色ということになろう。

JALは巨大な公開規模を背景に、引受証券各社は早くから売り込みに駆けずり回っており、仮条件が決まった日も早々と営業員らは需要積み上げに追われた。

個人投資家の反応はさまざまのようだが、旧株主など過去の破綻した時の記憶がさめやらないとあって、株価うんぬんの前に拒否反応を示すことも少なくないという。

速すぎる再建が逆にあだになってしまっているようだ。

とはいえ、29日付の時事通信によれば、プレヒアリングの調査では大方のメドが付いたと報じている。

仮条件発表時には特に売り出し株数の削減もなかった。

企業再生機構は一括売却のメドが付いたとして、上場日に公的支援の正式終結を宣言するという。

プレヒア段階では引き受ける証券会社側も空手形を切っている可能性はあるが、新規承認から仮条件発表まで3週間近くも空けて営業力をつぎ込める体制にしたことは、一応の成果が出ているようだ。

他方、JAL後の今週にはエー・ピーカンパニーとメディアフラッグの2社が上場を予定している。

前者は居酒屋「塚田農場」を経営、後者は営業支援を手掛けている。

外食関連企業のIPOとしては、昨年6月のイートアンド以来だが、居酒屋としては2007年7月のきちり以来となり、実に久しぶり。

何かと厳しい業界ではあるが、塚田農場は足元で出店数を増やしており勢いがある。

また、メディアフラッグは業績はまだ小規模なものの、名だたる企業や人物が株主に名を連ねる。

JAL以外の両社も素通りするわけにはいかないIPOということになりそうだ。



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盆休み明け、徐々に動き [IPO情報]

お盆休みから明けた8月第4週の先週は、新規承認が2社と徐々に動きが出てきた。

居酒屋経営のエー・ピーカンパニーと、営業アウトソーシングや覆面調査のメディアフラッグ。

どちらもマザーズに上場する。

プロ向け市場でも久々に動きがあった。

ロンドン証券取引所との合弁を解消し、TOKYO AIMからTOKYO PRO MARKETに衣替えして以来、初めての上場が申請された。

産業廃棄物処理の新東京グループだ。

また、琉球新報が沖縄でレストランを経営する碧(へき)の上場方針を伝えた。

両社とも決算は黒字で、AIM時代に上場した2社とは業績面で一線を画す。

ただ、新東京グループは公募・売り出しを実施しないうえ、上場してからも市場特性から投資家層は限定されるため株式を取得するチャンスに乏しい。

半面、碧は今ならグリーンシートに登録されているため比較的取得しやすいが、反対にプロ市場に上場すれば売買しづらくなるという矛盾をはらむ。

既存株主はそれでいいのだろうか。

今週30日には日本航空の仮条件が決まる。

内外から視線を集めるが、投資家が具体的な行動を始めるのはこれからだ。

IPOは当面、この案件一色となるだろう。

1社だけで今の低迷した東証1部の売買代金と、同等の規模を吸い上げることになるだけに影響は多大だ。

しかし、それだけの規模の時価総額が市場に加わるということでもある。

政治問題化が最大の懸念材料だが、幸か不幸か領土問題のヒートアップで吹き飛んだ感もある。

再上場は公募割れしやすいというジンクスもあるが、航空業界は競争環境が厳しいだけに、価格面で投資に値するかどうか冷静に判断することが大前提となる。



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物色されるも沈静化 [IPO情報]

お盆休み期間だった先週は決算発表も一巡し、新規承認もなかった。

全体的にも材料難のなか、直近上場株に物色の矛先が向かう場面もみられたが、上場直後の7月後半に比べると値動きは地味。

蒸し返しの域を出ず、週後半は国際優良株が息を吹き返したことであえなく沈静化した。

次のIPOがいまだ大型のJALのみしかないため、直近上場株への注目が維持されやすいが、既に旬は過ぎ、株価は徐々に落ち着く方向にあるようだ。

先週はハピネス&Dが優待制度と記念配による増配を発表したが、株価は2日続伸しただけで3日目には反落。

特に動意付くことにはつながらなかったようだ。

お盆休み明けの今週からは新規承認が再開されそうだ。

9月はJAL以外にも数社が見込まれている。

大型上場はJALのみとなりそうだが、9月は中間決算月に当たることもあり、例年複数の上場がある。

営業現場では早くもJALの売り込み合戦が激しいもよう。

話題性が高く大型上場のIPOは普段参加しない投資家を呼び込む効果が期待される。

半面、資金が吸い取られる懸念があるが、ニューマネー流入による効果で全体の底上げ要因にもなるだけに、JAL以外の上場銘柄にも注目したい。



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業績規模が小さいならではの不安定さ [IPO情報]

決算発表後半ということで直近上場株も決算が相次いだ。

先週までに上場後初の決算を発表したのは日本エマージェンシーアシスタンス(EAJ)、大泉製作所、モブキャスト、ワイヤレスゲートの4社。

EAJが3日に早速の下方修正に追い込まれた一方、モブキャスが7日に上方修正した。

大泉製は第1四半期経常赤字だった。

直近上場となるワイヤレスゲートは、営業利益の進ちょく率51%。

巡航速度に見えるが、ストック型の収益構造で成長段階にあることから、半期で予定の半分となれば実質的には上振れだろう。

結果から見れば2勝2敗の五分五分ということになる。

ただ、一般的に主幹事による審査が入る最初の決算は、保守的に見積もることが多いため、健闘したとは言いにくい。

EAJと大泉製の決算結果は上場がまだ早すぎたことによる副作用といえそうだ。

特に4月以降、上場基準が緩和され、従来ならまだ上場してこないような業績規模が小さい企業が見られるようになった。

こうした企業は業績がまだ安定していないため、少しの見積もりミスが致命傷となりやすい。

例えばEAJでは上期の下方修正の理由項目の一つに「人件費700万円の追加」とあるが、同社の人件費から計算するとせいぜい4人分に過ぎない。

大泉製にしても利益水準が低くなった要因には、期中の細かなトラブルが積み重なったことを挙げており、業績水準が低いならではの不安定さを感じさせる。

もちろん、こうしたことはプラスになっても同様のため、大幅上方修正につながることがあるのも確かだ。

ただ、時価総額にあまり余裕のない規模で上場する企業が出てくるようになった結果、業績下振れはすぐに上場廃止基準に抵触する可能性があるということは注意すべきだろう。

新興市場では投資家が見放せば、驚くような低PERで放置される銘柄も多い。

取引所の方針として、多産多死にかじを切った上でのIPO数増加でもあるのだ。



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JAL再上場 [IPO情報]

ついに3日、日本航空の再上場が承認された。

朝方に同日にも承認されることが事前報道されたせいか、東京証券取引所では前場のザラ場中にもかかわらず承認を発表するという異例の措置を執られた。

6月の事前報道どおり来月19日上場する。

筆頭主幹事は航空株では2011年12月のスターフライヤー(SFJ)に続いて大和証券が務める。

想定公開規模は6632億円と、最近では10年4月に上場した第一生命保険(1兆88.6億円)に次ぐ巨大上場だ。

もちろんグローバルオファリングとなる。

コード番号は上場廃止時の「9205」ではなく、日本エアシステム(JAS)との統合前に使用していた「9201」になった。

鶴丸マークの復活といい、完全にJASのにおいを消したいのではないかともうかがえるが、名実ともに栄華を誇った時代の01銘柄が復活することになる。

なお、01が使用される理由は単に法人格の問題で、現在のJALは上場廃止時のJALではなく、JASとの統合前の法人格だからだ。

テクニカル的には2年前の10年1月ではなく、02年10月に上場廃止した会社ということになる。

一方で、3日付の「産経新聞」によれば、逆風は強まるばかりのようだ。

自民党からの横やりが上場申請の報道時にも話題になった。

同党の西田昌司参院議員が2日の参院国土交通委員会で、会社更生法の手続き終了直前の11年3月に実施した総額127億円の第三者割当増資について「再上場後の値上がりが確実な情報を知っていたからだ」と追及したという。

今どき未上場株が値上がり確実とはSFJの事例を見てもらいたいものだが、政界では今なおリクルート事件の記憶が強いのかもしれない。

日経平均株価は低迷しており年初来安値の水準にある。

全日本空輸による公募増資が7月に実施された後に、このような状況で資金吸収がスムーズに行くのかどうかは予断を許さない。

大型IPOでは昨年末以降、日興アセットマネジメントやAvanStrateが承認後に上場を延期した。

関係者にとっては、これから抜き差しならぬ夏を迎えることになりそうだ。


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